MENU

SDM特別講義 2015年度 秋学期

第1回
2015年9月25日

モデレータ教員:
当麻
システムデザイン・マネジメント研究所
狼 嘉彰 氏
【演題】今の日本で一番必要なシステムデザイン・マネジメント
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

慶應義塾大学システムデザインマネジメント研究科SDM研究所顧問
1968年東京工業大学大学院博士課程修了(工学博士)\.科学技術庁航空宇宙技術研究所・主任研究員,東京工業大学機械宇宙システム学科・教授,慶応義塾大学システムデザイン工学科・教授,同システムデザインマネジメント研究科・教授・研究科委員長を経て現職\.この間,米国UCLA客員研究員・NASAフェロー,宇宙開発事業団研究総監を兼任\.専門は戦略的システムズエンジニアリング,機械システムのダイナミクスと制御,宇宙航行力学,日本機械学会フェロー,国際システムズエンジニアリング協議会(INCOSE)フェロー,計測自動制御学会,日本航空宇宙学会,AIAA,IEEEなどの終身会員,著書:「宇宙ステーション入門・第2版」東大出版2014年他

講義概要

現在の日本は何となく元気がない、と思われています。しかし、本当に日本は自信喪失・将来は暗い状態か?そんなことは、あり得ない。ただ、新しいシステムをデザインし、マネジメントするのが少々苦手。この苦手を克服するにはどうすれば良いか、などと議論した仲間に慶應義塾大学の先生がおられ、「そんなことを言うなら、君が来て実践してみたら」と誘われたのが慶應義塾大学にお世話になるきっかけでした。さらに深入りして、SDM研究科の立上げ、初代委員長を引き受けました。この間、システムズエンジニアリングの大家を自認する国内外の多くの研究者・技術者と交わる機会に恵まれ、今なお活動を続けられている幸運に恵まれています。本講演では、最終講義(実は3回目)の終わりからスタートして、現在の活動あれこれを紹介するつもりです。


第2回
2015年10月2日

モデレータ教員:
中野
(公財)国際超電導産業技術研究センター 普及啓発・国際部長
岡崎 徹 氏
【演題】常識を逆転した風力熱発電、最低級の熱が最高の経済性に
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1987年京都大学工学研究科修士卒業。同年住友電気工業入社 超電導シンクロトロン開発に従事
1998年英国・バーミンガム大学博士号
プラズマ岩盤破砕装置の開発・事業化に従事、その後超電導応用研究に従事
2009年風力熱発電の基本概念を着想
2012年国際超電導センターに出向、風力熱発電の論文が注目される

講義概要
再生可能エネルギーの大量導入が世界でも喫緊の課題です。日本でもそれに向け法整備などが整えられ大量導入が試みられました。しかし2014年半ばに新規導入は突然保留となりました。電力の安定供給に懸念が持たれたからです。そんな中、風力熱発電という世界でも類のない新しいシステムが注目を浴び始めました。再エネの最大の欠点であった不安定性を、高温蓄熱という太陽熱発電で長い実績のあるシステムを利用することで経済的に安定発電を実現するものです。太陽熱発電は日本では余り知られていませんが世界では大いに普及しつつある技術です。来春には二回目の国際シンポジウムが開催されます。実現には大きなブレークスルーが必要無いにも関わらず何故今まで無かったかと言うと、エネルギー効率的に非常識な技術を導入する必要があったためです。このため一番重要な経済性の検討がなされていませんでした。そこに注目して定量評価すると経済的には大きなメリットがあることがわかりました。さまざまな分野の常識・非常識を見直すことで新たな可能性が生まれます。電力・再エネをキーワードに常識・非常識を考え、風力熱発電を紹介します。

第3回
2015年10月9日
(休講)

第4回
2015年10月16日

モデレータ教員:
前野
特定非営利活動法人(NPO法人)「いい会社をふやしましょう」理事
新井 和宏 氏
【演題】いい会社の本質とは何か。
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1968年生まれ。東京理科大学工学部卒。92年住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)入社、2000年バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現・ブラックロック・ジャパン)入社。ファンドマネージャーとして数兆円を動かした実績がある。2008年11月、鎌倉投信株式会社を創業。2010年3月より運用を開始した投資信託「結い2101」の運用責任者として活躍。 横浜国立大学経営学部非常勤講師、経済産業省「おもてなし経営企業選」選考委員(2012、2013年度)。 2015年5月に放送されたNHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。著書に『投資は「きれいごと」で成功する』(ダイヤモンド社)がある。

講義概要

有名企業、一流企業、ホワイト企業、ブラック企業、CSRなのか、CSVなのか。いい会社と呼ばれる企業に存在する共通要素を、事例を交えながら、いい会社の本質について考える。


第5回
2015年10月23日

モデレータ教員:
日比谷
多摩六都科学館館長
髙柳 雄一 氏
【演題】宇宙と人間 ~多様な視点を学ぶ~
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1939年富山県生まれ、1966年東京大学大学院理学系研究科修士課程終了後、日本放送協会(NHK)に入局、教育TVで科学教育番組、総合TVで科学系ドキュメンタリー番組を手がけ、1980年から2年間英国放送協会(BBC)へ出向、その後NHKスペシャル番組部チーフ・プロデューサーを務め、1994年からNHK解説委員に就任。
2001年に高エネルギー加速器研究機構教授、2003年、電気通信大学共同研究センター教授、NHK部外解説委員を経て、2004年4月から現職。科学技術理解増進部門で平成20年度文部科学大臣表彰を受ける。宇宙科学の啓蒙活動により、小惑星にTakayanagiと名前が付けられている。
主な著書「創造の種」(NTT出版)、「火星着陸」(NHK出版)、「天体の狩人」(ベネッセ・コーポレーション)など。

講義概要

現在、高度400Kmの地球軌道を回る国際宇宙ステーションで宇宙飛行士たちが長期滞在し、科学研究、特に長期の宇宙滞在における人体への影響の研究など多様な活動を実施している。こうした試みは未来の人類が宇宙での生息活動域を広げる可能性を高めるものであるに違いない。その際、地上で人類が築き上げた社会制度や文化はどのように変わるのだろうか?そんな問いかけに当たる試みを、日本の宇宙航空開発研究機構(JAXA)は世界の宇宙開発機関に先駆けて、国際宇宙ステーションの「きぼう」実験棟を利用して実施ししてきた。「文化・人文社会科学利用パイロットミッション」である。タイトルから分かるように、このミッションには幅広い分野に関わる人々が多数参加して進められてきた。演者は、宇宙での新しい芸術の創出を探る芸術利用分科会の一員として、このミッションに関与した人間である。成果をまとめるに際しては思想分科会の「宇宙の人間学」研究会にも参加し、行動科学分科会の方々にも接することができた。芸術分科会で論じられた人間にとってのアートの意味、宇宙と人間の関わりの変遷など、この取り組みに参加して学ぶことが出来たことをまとめてお話したい。


第6回
2015年10月30日

モデレータ教員:
前野
株式会社 教育と探求社 代表取締役社長
宮地 勘司 氏
【演題】「学校の授業に変革を!」新聞社からの起業物語
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1963年長崎県生まれ。88年立教大学社会学部卒業。 同年、日本経済新聞社入社。02年、自らの起案により 日本経済新聞社内に教育開発室(現:人材教育事業局)を創設し、新聞資源を活用した教材開発に取り組む。 04年11月、教育と探求社を設立。代表取締役に就任。 12年より法政大学キャリアデザイン学部講師。

講義概要
「知識詰め込み型」の学校教育を「探求型、創発型」に変える教育プログラム「クエストエデュケーション」を開発し、2004年、日本経済新聞社から独立、起業しました。今では、全国80校、1万人の生徒がこのプログラムを学校の正規の授業の中で学んでいます。正解のない問いに取り組み、仲間と力を合わせて独自の答えを見出す学び方が、「21世紀型スキル」を修得するための基礎をつくります。そしてこのような学び方こそが、民主主義とイノベーションの基盤をつくるのです。
当日は、「クエストエデュケーション」の実践事例から見える日本の教育の現状と展望について、また大企業の中で取り組む社内起業の進め方についてお話をしたいと思います。


第7回
2015年11月6日

モデレータ教員:
中野
日本文藝家協会会員、関孝和数学研究所研究員、
愛知工業大学非常勤講師
鳴海 風 氏
【演題】 江戸時代にもあった学者たちの交流や研究の伝承
-江戸の天文学者たちの熱き交流と師弟愛-
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1980年 東北大学大学院機械工学専攻修了。同年、日本電装(現デンソー)入社。
1992年『円周率を計算した男』で第16回歴史文学賞を受賞して作家デビュー。
2006年 和算を題材とした小説で数学の普及に尽くしたとして、日本数学会出版賞。
2010年 博士(経営情報科学、愛工大)
2011年 日本経営工学会論文賞。
2012年 日本機械学会生産システム部門学術業績賞。
2013年 MBA、Case Award 2013(名商大)
2014年 34年間生産技術者として勤めたデンソーを退社。

著書:和算小説(鳴海風の造語)として『算聖伝 関孝和の生涯』、『美しき魔方陣』など多数。
他に、岩波科学ライブラリー『和算小説のたのしみ』、新潮選書(ノンフィクション)『江戸の天才数学者』、児童文学『星空に魅せられた男』(くもん出版)。ビジネス本『トコトンやさしいコンカレント・エンジニアリングの本』(日刊工業新聞社)。共著として 『時代小説を書く』、『科学者の本棚』、『工場長の教材』、『角倉一族とその時代』など。

講義概要
二十四節気や七十二候で人気の太陰太陽暦は、旧暦ともいわれ日本的で古風なイメージがあるが、実は天文学の知識なくして作ることができないカレンダーである。
古くは日本人初の太陰太陽暦を作った渋川春海(しぶかわはるみ)がいる。その後、麻田剛立(あさだごうりゅう)とその門下の高橋至時(たかはしよしとき)、間重富(はざましげとみ)らは、日本で最初の西洋天文学を応用した太陰太陽暦を完成した。また、高橋至時に入門した伊能忠敬(いのうただたか)は、天体測量を併用して高精度な日本地図を作った。天文学にのめりこんだ多彩な男たちの間には、活発な学術交流と師から弟子への伝承が見られ、今日の研究開発やイノベーションにも通じる。

第8回
2015年11月13日
公開講座

モデレータ教員:
前野
為末 大 氏
【演題】スポーツの価値を社会に還元する
■会場:日吉キャンパス独立館DB201
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1978年広島県生まれ。2001年エドモントン世界選手権および2005年ヘルシンキ世界選手権において、男子400メートルハードルで銅メダル。陸上トラック種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。シドニー、アテネ、北京と3度のオリンピックに出場。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2014年10月時点)。2003年、プロに転向。2012年、25年間の現役生生から引退。現在は、一般社団法人アスリートソサエティ(2010年設立)、Xiborg(2014年設立)などを通じ、スポーツと社会、教育に関する活動を幅広く行っている。著書に『諦める力』(プレジデント社)『走る哲学』(扶桑社新書)などがある

講義概要

私が経営をしている株式会社侍はスポーツが持つ価値を社会に還元することを本業にしています。2020年、それ以降の日本及びアジア諸国にスポーツでの社会問題解決、または価値還元をどうやっていくか。まだ模索している中ではありますが、受講者の皆様とディスカッションしたいと思います


第9回
2015年11月27日

モデレータ教員:
春山
㈱辻本智子環境デザイン研究所 代表取締役所長 兵庫県立淡路夢舞台温室奇跡の星の植物館総合プロデューサー
辻本 智子 氏
【演題】「ガーデンルネサンスー日本の花文化が未来を救う」
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

大阪生まれ1976年大阪府立大学農学部園芸農学科卒業後、国際交流研修生としてナイアガラ公園協会(カナダ)へ研修留学。
1979年大阪府立大学大学院農学研究科緑地計画工学入学、1981年同学博士課程後期入学1982年カリフォルニア大学バークレー校ランドスケープ学科大学院留学、1985年㈱AAP入社「国際花と緑の博覧会の社会文化経済効果」等都市計画、バイオ関連調査研究等担当。1988年自らが計画・デザイン担当した「花の植物館」館長として松下電器産業労働組合に入社。1995年㈱辻本智子環境デザイン研究所設立、花の地球館(岐阜県)設計・プロデュース、2000年淡路花博テーマ館「奇跡の星の植物館」総合プロデューサーとして植栽デザインから音楽イベント等設計・プロデュース。2004年浜名湖花博国際交流館主催者展示デザイン、循環の庭-植栽設計、2006年神戸空港植栽デザイン。2007年ジャパンフラワーフェスティバル香川総合プロデュース。花緑空間のプランニングからプロデュース、まちづくりまで、その他多数行う。1995年設計からかかわった淡路夢舞台では、現在、奇跡の星の植物館および夢舞台全域の花緑設計・プロデュース、イベント企画、運営管理を行っている。現在、フィデリティ財団(USA)支援の下、ロングウッドガーデン(デュポン財団)、ヒドコートマナーガーデン(UKナショナルトラスト)と奇跡の星の植物館・兵庫県立大学でTRIAD(世界3大美庭園研修制度)をすすめている。日本の花文化の継承を五感に訴える花・緑空間づくりすすめるガーデンルネサンスを提唱し、クールジャパンとしての日本の花文化を世界に発信していくことが今のゴール。兵庫県立大学緑環境景観マネージメント学科非常勤講師、京都教育大学非常勤講師。受賞ー1991年下山奨励賞(日本造園修景協会)、2009年日本造園学会賞(技術部門)、2014年佐藤国際交流賞(日本公園緑地協会)

講義概要

自然の恵みや季節の変化に感謝し、美しい着物を着て花見に出かけ、美味な弁当を食し、歌を歌い、酒をかわし、踊る。自然への感謝、自然を楽しむ日本のライフスタイルは衣食住に影響を与え芸術・芸能,文化,工芸,観光を生みだしてきました。
江戸末期、そんな日本の花文化がうみだした工芸品・絵画が欧米の人々に驚きと感動を呼び "ジャポニズム"というムーブメントを起こしました。戦後、経済効率重視を進め、世界の人々があこがれる日本の伝統的共生のライフスタイルを切り捨てる方向で進んできた日本の政治経済は、現在、20年を超え硬直化状態にあります。そんな日本でもまだ、世界の人々は私たちの先人の共生のライフスタイルが生みだした文化にあこがれ、そこに21世紀のライフスタイルの在り方を見ているようです。国際花の万博から5年後、急速に高まったガーデンブームは本来の花好きな日本人を目覚めさせたのです。ガーデンルネサンスとは地域の植物、伝統文化・工芸を花緑空間づくり、ガーデニングで継承し、個性ある地域を住民自らの力で創ろうという考えです。これがガーデンツーリズム、インバウンド、クールジャパン戦略とつながるのです。


第10回
2015年12月4日

モデレータ教員:
高野
早稲田大学招聘研究員
村田 貴司 氏
【演題】イノベーションを目指す 知的財産の利用促進について
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1979年、早稲田大学政治経済学部政治学科卒。2000年、京都大学大学院エネルギー科学研究科エネルギー社会・環境科学専攻博士後期課程修了、京都大学博士(エネルギー科学)。早稲田大学客員教授を経て同大学招聘研究員。
1979年、科学技術庁入庁。以後、科学技術庁、外務省、文部科学省、内閣府等で、科学技術政策、イノベーション政策、原子力開発・原子力安全政策、宇宙開発政策、医学教育政策等の企画立案、発生再生科学・放射線医科学の推進等を担当。2006~07年には、文部科学省大臣官房審議官として国際熱核融合実験炉(ITER)計画のための協定締結を担当。
最近では、イノベーション政策、科学技術と社会との関係等について、積極的に発言している。

講義概要

イノベーションは国際的な競争力確保、社会の安定的な維持、発展に不可欠であり、そのための社会的、経済的環境を創出することは、国の重要な政策の一つである。近時進展著しい情報コミュニケーション技術に支えられたネットワークにより、新たなアイディア・知識の創生のあり方が大きく変化している。研究開発活動の成果たる膨大なアイディア等は、この変化に対応しながら、さらに新しいイノベーション創生のために柔軟に活用される必要がある。
しかし、一つのアイディア等だけでイノベーションが起ることは少ない。イノベーションはさまざまなアイディア等の交流の上にさらに生まれる新たなアイディア等をまって初めて展開する。知的財産のコモンズ化は、知的財産の交流を促進し、今後のイノベーション推進の有力な環境を構築することにつながる。
議論の流れ:
1. 問題意識
2. イノベーションにつながる新たなアイディア・知識等はどこからくるか?
3. R&D活動の成果としてのアイディア・知識等へのアクセス
4. イノベーション環境の変化-DIY時代の交流型イノベーション
5. 知的財産のコモンズ化による利用促進
6. 課題と展望


第11回
2015年12月11日

モデレータ教員:
当麻
スリーエム ジャパン株式会社 チーフ・プロセス・オフィサー(CPO)
大久保 孝俊 氏
【演題】イノベーション創出のための 「個」と「組織」のマネジメント
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1983年3月住友スリーエム(現スリーエム ジャパン)に入社、磁気製品の開発を担当。1987年7月、米3M社メモリーテクノロジーグループ研究員。1999年10月、山形スリーエム デコラティブ・グラフィックス技術部長。2003年9月、米3M社アジア・太平洋地域担当シックスシグマ・ダイレクター。2005年6月、米3M社コーポレートリサーチ研究所技術部長。2007年6月、住友スリーエム技術担当執行役員チーフ・テクニカル・オフィサー(CTO)。2009年8月、スリーエムジャパングループ(当時は住友スリーエム)のビジネスプロセスの全体最適化を担うCPOに就任。社外活動として、早稲田大学大学院商学研究科及び東京工業大学イノベーション人材養成機構の非常勤講師。

講義概要

30年以上の3Mでの研究開発とオペレーション変革業務に関するグローバルでの経験に基づいて、イノベーション・マネジメントの体系化を試みる(その内容は、日経BP社発行の「日経ものづくり」に2015年2月から「3Mで学んだイノベーションの設計図」のタイトルで連載している)。講演の骨子:(1)持続的成長を可能にするイノベーション・マネジメント1.0/2.0を定義する。(2)「"Built to Last", J. Collins & J. Porras, 1994」の中で紹介された3Mをイノベーションを育む企業文化を暗黙知から形式知へ変換した事例として 解説する。(3)イノベーションに挑戦する個のやる気を引き出す-3M組織の【形式知】の有効性を人間の本質の視点から考察した上で、イノベーションを創出させるマネジメントの【暗黙知】の必要性について述べる。(4)Stretch-Support-Rewardスパイラルプロセスに基づくマネジメントが、イノベーション・マネジメント2.0を具現化する方法であることを解説し、加えてその妥当性を脳科学の知見から考察する。


第12回
2015年12月18日
公開講座(三田キャンパス)

第13回
2015年1月8日

モデレータ教員:
未定
トーマツ ベンチャーサポート株式会社 事業統括本部長
斎藤 祐馬 氏
【演題】ベンチャー企業の支援と大企業での新規事業の起こし方、そしてイノベーションエコシステムの創出
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

第14回
2016年1月15日

モデレータ教員:
小木
慶應大学大学院SDM研究科附属SDM研究所研究員、映像システムデザイン&コンサルティング 代表
西田 泰章氏
【演題】技術インフラの蓄積とデジタル映像技術の進展
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

東京生まれ。1973年電気通信大学材料科学科卒業後、NHK大阪放送局入局。NHK放送技術研究所、名古屋放送局、放送センター技術局を経て、2005年よりNHKコンピューターサービスに転籍、NHKメディアテクノロジーを経て2015年退職。現在は慶應大学SDM研究科**研究員、および技術コンサルティングを主として現在に至る。この間、1995年から2005年までARIB素材伝送開発部会委員長として数々の放送関係伝送標準規格および運用規定を策定。NHKでは1997年世界初の放送用CCDカメラを開発、2000年のBSデジタル放送の開局、2003年地上デジタル放送開局とそれに向けた全国放送配信回線の開発および整備に携わった。その後も、慶應大学CDF教室映像システムのデザインおよび開発、4K-8K映像編集システムの開発、などで映像システム全般に寄与。

講義概要

デジタル映像技術は半導体技術と蓄積技術の進展とともに発展してきた。これらとともに発展してきた映像伝送技術についても密接な関係をもって現在も発展し続けている。半導体技術とりわけ集積度の向上については原理限界を迎えていると言われる中、今後の映像技術の進展についても考察する。


第15回
2016年1月29日

モデレータ教員:
谷口
内閣官房副長官
世耕 弘成氏
【演題】安倍政権の直面する課題と取組
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1962年(昭和37)誕生
大阪教育大学附属高等学校卒業
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業
1986年(昭和61年)日本電信電話株式会社入社
1990年(平成2年)米国ボストン大学コミュニケーション学部大学院留学
1996年(平成8年)日本電信電話株式会社
本社広報部報道担当課長
1998年(平成10年)参議院和歌山県選挙区補欠選挙に当選(現在4期)
2003年(平成15年)総務大臣政務官
2005年(平成17年)参議院総務委員長
2006年(平成18年)内閣総理大臣補佐官(第1次安倍内閣)
2007年(平成19年)参議院議院運営委員会筆頭理事
2010年(平成22年)参議院予算委員会筆頭理事
自民党幹事長代理
2011年(平成23年)学校法人近畿大学理事長
参議院自由民主党国会対策委員長代理
2012年(平成24年)参議院自由民主党政策審議会長
内閣官房副長官(第2次安倍内閣)
2014年(平成26年)内閣官房副長官(第2次安倍改造内閣)
内閣官房副長官(第3次安倍内閣)

講義概要

安倍政権は,「日本を取り戻す」ことを訴え続けて,「戦後以来の大改革」に取り組んでいます。本年に入ってからは,次のような分野での政策を進めているところです。
1. 改革の断行:農家の視点に立った農政改革,オープンな世界を見据えた改革,患者本位の医療改革,エネルギー市場改革,改革推進のための行政改革,改革断行国会
2. 経済再生と社会保障改革:経済の好循環,社会保障の充実
3. 誰にでもチャンスに満ち溢れた日本:女性が輝く社会,柔軟かつ多様な働き方,若者の活躍,子供たちのための教育再生
4. 地方創生:地方にこそチャンス,地方目線の行財政改革,安心なまちづくり
5.外交・安全保障の立て直し:平和国家としての歩み,積極的平和主義,地球儀を俯瞰する外交
こうした課題に対する取組の現状と今後の見通しについて,官邸において安倍総理を支える立場から説明を行います。