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研究科委員長メッセージ

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科は、大規模で複雑な、様々な問題を解決に導くことを目的とする研究と教育を通して、論理的思考と多視点思考を行うことができ、優れたコミュニケーション能力を有する次世代のリーダーを育成します。

現代社会が抱える問題への対処

現代社会に存在する、大規模で複雑な問題を解決に導くことは決して容易なことではありません。SDM研究科では、問題の定義そのものから考え直し、そして長期的で総合的な視点で解決に導くことが重要であると考えます。ある方向からある問題が表面的に見えていても、別の方向から見ることで他の問題が見つかることがあります。多視点でものごとを見ることで、問題をより正確に理解することができます。そして、そこから、新しい価値を生む新たな可能性が拓けるのではないでしょうか。一面的な問題の解決を急がず、何かしらの大きな機会を見逃さないようにすべきでしょう。

SDM研究科には、年齢も国籍も様々で、文系から理系まで多様な教員、研究員そして学生が所属し、人、地域、文化、宗教、経済、技術などが様々に絡み合う現代社会の課題に取り組んでいます。その取り組みに際しては、政策などの社会としての視点からビジネス、製品やサービス、コア技術、実践的プロセスなどの視点まで多岐にわたるため、複数の学問分野を総合することによって様々な課題に対処しています。私たちSDM研究科では、システムとデザインとマネジメントからなる独自の教育を提供するとともに、その基盤に基づき複数の学問分野を横断する研究を実施しています。

木を見て森を見るためのシステムとデザインとマネジメント

全体をとらえた上で部分を定義する。システム思考、システム科学、システムズエンジニアリングの極意とも言えるこの考え方は、現代社会の複雑な問題を考える上で、極めて重要なものです。どのようなコンテキスト、あるいは環境の中で何を捉えようとしているのか?その全体は、どのような部分から成り立っていて、部分間の関係性はどのようになっているのか?すなわち、「木を見て森を見る」を学ぶことこそがSDM研究科の本質です。

安心・安全であること、環境との共生を実現すること、そして持続的に協生できることを重視した社会を構築するために、システムとデザインとマネジメントの3本の柱でこれに応えます。SDM研究科の教育の基本は、関係者間で共有できるようにものごとをシステムとして捉え、そのシステムのあるべき姿をデザインし、そしてマネジメントすることです。これによって、現代社会の様々な問題を解決に導き、あるいは、新たな価値を提供する機会を創出します。最初に述べたとおり、これは決して容易なことではありませんが、私たちSDM研究科では、様々な関係者と互いに理解をし合い、共有した問題の解決に挑み続けています。皆さんの参加をお待ちしています。