SDM特別講義 2025年度 春学期
第1回
2025年4月11日
(4月5日入学合宿にて収録)
モデレータ教員:
当麻

慶應義塾大学経済学部 准教授
アルベルト・ミヤンマルティン 氏
【演題】新しい時代の翻訳者:福澤諭吉と阿部泰蔵
講師プロフィール
スペイン・マヨルカ島生まれ。バルセロナ自治大学で翻訳通訳学を修め、大阪大学で博士号(日本語・日本文化)を取得。同志社大学助教などを経て、2016年より慶應義塾で教鞭を執っている。スペイン語文法、比較文化論、翻訳学の研究セミナーを担当する傍ら、福澤研究センター所員として福澤諭吉の初期思想研究やその普及に励んでいる。共編著訳『「中津留別之書」―多言語で読む福澤諭吉』、単著『『修身論』の「天」:阿部泰蔵の翻訳に隠された真相』、三田演説会講演録「近代日本の翻訳文化と福澤諭吉─『学問のすゝめ』150年を記念して」(『三田評論』)など。スペイン語では、日西の近代教育制度の比較や日本の翻訳史に関する論文もある。
講義概要
近年では機械翻訳が流行し、AI通訳機と呼ばれるものをはじめ、言語の壁をなくした「文明の利器」が巷に溢れています。しかし、そのような技術が現れるまでは、歴史の中でどのように「翻訳」が行われてきたのでしょうか。一例に日本の歴史を見れば、本来の「翻訳」とは人間の文化的行為であり、各個人が特定の時代背景や社会的状況の中で文脈に応じながら、多種多様に行ってきた知的活動であることがわかります。本講義では、江戸時代の宣教師や蘭学者から幕末明治の啓蒙思想家までの歴史を踏まえた上で、文化の翻訳者としての福澤諭吉とその門下生・阿部泰蔵の活動を取り扱います。具体的に、修身論で知られる米国人フランシス・ウェーランドからの影響と『学問のすゝめ』への発展を紹介しながら、福澤著「中津留別之書」(1871)と阿部訳『修身論』(1874)に見る伝統的な言葉遣いと近代的な社会思想の関係を明らかにし、精神的な「文明開化」において彼らの「翻訳」が果たしてきた役割について考察と評価を試みます。「新しい時代の翻訳者」による、古い時代から新しい時代への円満な移行の試みは、巧みな言葉で紡いだ論理の展開に現れ、現代の私たちにとってもインスピレーションの源になるでしょう。
第2回
2025年4月18日
(慶應義塾内限定公開講座)
モデレータ教員:
神武

慶應義塾大学総合政策学部 専任講師
千田 健太 氏
【演題】良い失敗をしよう:FAIL FASTのすすめ
講師プロフィール
2008年北京オリンピックで11位入賞、2012年ロンドンオリンピック男子フルーレ団体で銀メダルを獲得。2016年に現役を引退後、筑波大学社会人大学院人間総合科学研究科スポーツ健康システム・マネジメント専攻修士課程を修了。2024年には慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科後期博士課程を修了し、博士(SDM学)を取得。現在は慶應義塾大学総合政策学部専任講師として勤務している。専門はフェンシング、スポーツバイオメカニクス、そしてシステムデザイン・マネジメント。競技スポーツの動作技能を運動学的に評価し、実際の競技現場でも簡便に測定可能な評価システムの構築に取り組んでいる。
講義概要
フェンシングアスリート、研究者、指導者としての経験を紹介し、「失敗から学び、未来に活かす重要性」を論じる。まず、小柄なフェンシング選手として大柄な選手に敗れ続けたが、挫折が転機となってメダル獲得に至った道のりを紹介する。その後、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科博士課程に進学。学術論文として執筆した論文が7回連続で不採択となり、学位取得を諦めるべきか悩んだが、失敗を重ねながら成長を実感し、学位取得を達成。2024年4月からは大学教員兼車いすフェンシング日本代表ヘッドコーチとして、指導者としての研鑽を積む。試行錯誤しながら信頼関係を築いている。本講義では、「失敗を恐れず挑戦すること」や「粘り強さ」の重要性を講演および恩師や参加者との対談形式で議論する。
第3回
2025年4月25日
モデレータ教員:
猪熊

株式会社インターメディア代表取締役社長
伊藤 信太郎 氏
【演題】世界を捉える感性
講師プロフィール
慶應義塾大学経済学部卒 慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻修士課程修了 アメリカン・フィルム・インスティテュート(AFI)監督科修了 ハーバード大学大学院修士課程修了 玉川大学大学院講師 宮城大学総合研究所副所長 東北福祉大学教授 感性福祉研究所(感性情報部門長) 衆議院議員 外務大臣政務官 外務副大臣 大阪大学客員教授 環境大臣 内閣府特命担当大臣(原子力防災) 今日まで90本以上の映像作品を製作・監督
講義概要
私たちは社会秩序をある意味で根底から見直す時期にきているのではないだろうか?歴史をマクロに概括的に振り返ってみる。紀元前7-6世紀に始まった貨幣経済。17世紀オランダで初めての株式会社が誕生。1648年ウェストファリア条約で国民国家の概念が確立し、1760-1840年に産業革命。1917年ロシア革命で社会主義国家が生まれ東西冷戦が激化し1949年中華人民共和国成立。1989年に東西冷戦終結。今日は実質的に世界中が市場経済・貨幣経済、別の言い方をすれば価値は数に兌換できるという考え方をベースとしたパラダイムによって秩序づけられている。そのことが大きな弊害をグローバルにもたらしている。貧富の格差が極大化し、環境破壊が進み、社会が分断され、国家間・地域間の紛争が絶えない状況である。今こそ新たな世界のありようを考える時期にきているのではないだろうか?本講義では感性情報学、環境学、外交論、映画における国際関係論と学際的に複眼的に講義し歴史と現在を検証し未来への推量を行う。そして最終的には真に価値は数に兌換できるのかという本質的、哲学的命題を討論する。
第4回
2025年5月2日
モデレータ教員:
当麻

医療法人社団DEN 理事長
宮田 俊男 氏
【演題】健康・医療領域のイノベーションの創出
講師プロフィール
1999年早稲田大学理工学部機械工学科卒業、2003年大阪大学医学部医学科卒業(3年次編入学)
2003年大阪大学医学部附属病院第一外科に入局、心臓血管外科学講座特任助教を経て、2010年厚生労働省に入省
2014年厚生労働省退官後は内閣官房健康医療室戦略推進補佐官、日本医療政策機構理事、京都大学産官学連携本部客員教授を経て、2017年 医療法人社団DEN みいクリニック(東京都、大阪府)理事長(現職) 2020年早稲田大学理工学術院先端生命医科学センター教授(2025年5月より研究院客員教授予定)
講義概要
昨今の我が国の人口減少、高齢化、働き方改革が進むなかで、国民皆保険制度のサステナビリティと健康・医療領域のイノベーションの創出をいかに両立させるか、規制改革、DX、地域振興の観点で論じる。
第5回
2025年5月9日
モデレータ教員:
矢向

情報・システム研究機構データサイエンス共同利用基盤施設 副施設長 統計数理研究所名誉教授 筑波大学ビジネスサイエンス系名誉教授
椿 広計 氏
【演題】品質マネジメントと統計科学の文法
講師プロフィール
1982年東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻修士課程修了後、東京大学工学部計数工学科助手、1987年慶應義塾大学理工学部数理科学科専任講師、1997年筑波大学大学院経営システム科学専攻助教授・教授を経て、2005年統計数理研究所リスク解析戦略研究センター長を兼務、データ科学研究系教授、副所長を経て、2015年独立行政法人統計センター理事長、2019年情報・システム研究機構理事・統計数理j研究所長、2024年データサイエンス共同利用基盤施設副施設長を兼務現在に至る、2025年統計数理研究所長退任。現在、横断型基幹科学技術研究団体連合会長、日本自殺総合対策学会理事長、総務省統計委員会委員長等
講義概要
社会現象に影響を与える要因の分析と社会改善を目的に1830年代に誕生した「応用統計」は、1890年には「科学の文法」と呼ばれるデータに基づく科学的認識プロセスとして確立し、人文社会科学に要らる計量諸科学を創成した。20世紀中ごろに生産を科学する統計的品質管理学がアメリカで創成され、認識科学の文法からマネジメントプロセスの中で、データを活用する動きが誕生する。日本の製造業は、終戦後デミング博士らと共に、品質マネジメントを成長させ、1960年頃までにはマネジメントの文法と、データに基づく問題解決の標準プロセスをk都合し統計的Kaizenで一世を風靡する。欧米は、1990年代から日本の活動を学習し、学校教育にも展開し国際標準としも位置づける。この講義では、まずその種の応用統計の歴史を振り返りたい。今日、日本はデータサイエンス分野で周回遅れと言われる。しかし、AIが充分統計の技術的側面を代替可能となり、マネジメントや経営専門家は、データに基づく問題解決プロセスに、必要があれば適切なAIを埋め込むこともできるようになった。また、そのようなことを可能とする人材育成が図られるべきである。講義後半ではその種の提言を行いたい。
第6回
2025年5月16日
モデレータ教員:
小木

株式会社ソラコム 代表取締役社長 CEO
玉川 憲 氏
【演題】日本発のグローバルプラットフォームを目指して〜株式会社ソラコムの挑戦〜
講師プロフィール
日本IBM基礎研究所にてウェアラブルコンピューターの研究開発や開発プラットフォームのコンサルティング、技術営業を経て、2010年にアマゾンデータサービスジャパンにエバンジェリストとして入社。AWSの日本市場立ち上げを技術統括として牽引した後、株式会社ソラコムを共同創業。
東京大学工学系大学院機械情報工学科修了、米国カーネギーメロン大学MBA(経営学修士)修了、同大学MSE(ソフトウェア工学修士)修了
https://soracom.com/
https://soracom.io/
講義概要
「スタートアップの創業」「大企業によるM&A」「東証グロース市場の上場」など、ソラコムが日本発でグローバルに挑戦してきた経験をもとに、学生の皆さんに"起業"のリアルをお話しします。IoTと生成AI、テクノロジーの力で社会を変える意義、仲間との挑戦、リスクの取り方、そしてキャリアの選び方まで。好奇心とパッションを持つ皆さんへ、未来を切り拓くヒントを届けます。
第7回
2025年5月23日
モデレータ教員:
猪熊

東京大学名誉教授
古城 佳子 氏
【演題】現在の国際秩序の不安定をどう捉えるか?
講師プロフィール
東京大学教養学部卒、大学院修士課程(国際関係論専攻)修了、プリンストン大学政治学部大学院Ph. D取得。国学院大学法学部専任講師・助教授、東京大学大学院総合文化研究科助教授・教授、青山学院大学国際政治経済学部教授を経て、現在、東京大学名誉教授。日本国際政治学会理事長、学術会議会員、日米教育委員会委員、富士通株式会社社外取締役等を務める。専門は国際関係論(国際政治経済論・国際制度論)。主要著書『経済的相互依存と国家』、『経済のグローバル化と国際政治』、『政治学』、Taming Japan's Deflationなど。
講義概要
現在の国際関係は、ウクライナ戦争、ガザ危機をはじめとする中東の不安定、そしてトランプ第二期政権の矢継ぎ早の政策により、国際関係は大きく変化している。この状況は、「自由主義国際秩序」の崩壊の危機とみなされている。しかし、「自由主義国際秩序(liberal international order)」は、トランプ米政権以前から既に動揺してきていた。「自由主義国際秩序」とは何か、どのようにとらえたらよいのか、また、動揺とは何を指すのか。これらの「問い」を国際関係論(国際政治)の視点から検討することにより、現在の複雑な国際社会の課題を考える。
第8回
2025年5月30日
モデレータ教員:
矢向

高瀬物産株式会社 顧問
大坂 勝 氏
【演題】キッチンにおけるリーダーシップと組織力、クオリティーを上げるための人材育成とコミュニケーション
講師プロフィール
ホテル日航成田にて料理の世界に入る。フランスhotel nikko de parisでフランス料理の研鑽を積む。ホテル日航東京料理長、ホテル日航新潟料理長、学士会館取締役総料理長を経て高瀬物産株式会社顧問に就任し現在に至る。ホテル日航東京では、社内勉強会やコンクールなどスタッフ教育をし、レアルマドリード来日時には担当シェフをした。ホテル日航新潟では、県内の食材めぐりや地産地消。中越地震復興支援で、市内のホテルを巻き込みイベント。学士会館では、伝統野菜や生産者を支援する野菜の会、獣害被害問題で伊豆天城高原の現地視察・セミナー食事会で問題定義。子供食堂や東北・熊本震災支援イベントなどにも参加。チリやジョージア・オーストラリア大使館などとも交流を図る。
講義概要
近年私たちの飲食業界は、社会制度や環境の変化でそのやり方や考え方を大きく変えなければならない時期に直面している。働き方改革や世代間ギャップ、あるいは進むDXやAI。私が40数年前にこの調理の仕事に入ったころとは当たり前だが様変わりした。いろいろな情報も入りやすく、食材も多種多様で豊富になった。その半面人のつながりが薄れ、「元気か」と肩を触れただけでパワハラやセクハラになったりする時代。観光立国を目指す日本は、インバンドでどこもオーバーツーリズム。ホテルは至る所にできるが、働く人材はなく、どこも人手不足。そんな中で、どう人を育て、効率よく客が満足するする料理を出すかが、大きな課題となっている。そんな業界で、どう組織を導き、その料理作ることで人を育て、次に繋げて行くか。そのことが大切であり難しい。DXやAIがどれだけ発展しても、やはり「人」、人が基本だと考えている。
第9回
2025年6月6日
モデレータ教員:
当麻

Massachusetts Institute of Technology, System Design and Management, Academic Director. Sr. Lecturer, School of Engineering and Sloan School of Management
ブライアン・モーザー 氏
【演題】Transformation of Teamwork with Model-based Project Managent and AI
講師プロフィール
マサチューセッツ工科大学(MIT)では、システムデザイン&マネジメント(SDM)のアカデミック・ディレクターであり、工学部およびスローン経営大学院の上級講師を務める。SDMでは、カリキュラム開発、教育の質、研究を含む学術戦略の責任者である。SDMのコアクラスの指導にあたるほか、エンジニアリングのチームワークと社会技術システムのエージェントベースモデリングに関する2つの研究セミナーも教えている。また、マサチューセッツ工科大学(MIT)ではゴードン・エンジニアリング・リーダーシップ(GEL)プログラムで、バージニア工科大学では航空宇宙工学科の非常勤講師として、工学プロジェクトマネジメントとチームワークを学部生に教えている。日本では、東京大学のMODEイニシアチブ(海事海洋デジタルエンジニアリング)の上級研究員、JAMSTEC(海洋研究開発機構)の客員上級研究員を務める。また、JAMSTEC(海洋研究開発機構)客員上級研究員、東京理科大学客員教授も務める。
1987年マサチューセッツ工科大学コンピュータ理工学学士号、1989年技術・政策科学修士号を取得。2012年、東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。
2014年にマサチューセッツ工科大学(MIT)に戻る前は、日産自動車株式会社の中央基礎研究所、A.I.ラボの研究エンジニア、ユナイテッド・テクノロジーズ社の上級研究員、モデルベースのプロジェクト管理のためのTeamPortプラットフォームのメーカーであるGPD社の創設者兼CEOとして、25年間企業で働いていました。
ブライアンは、複雑なシステム問題に対するチームワークと、多様なチームのエンゲージメントとパフォーマンスを向上させるためのモデルベースの手法の活用に焦点を当てている。 彼は、新製品開発、都市計画、研究開発、インフラストラクチャー、持続可能性などの課題に、モデル構築、エージェントベースシミュレーション、インタラクティブデザイン、チームワークの計測を適用してきた。グローバル・チームワーク・ラボ(GTL)を主宰。
https://www.mit.edu/~bry
講義概要
"経験ベースからモデルベースへ: A New Approach to Transform Project Managment in Japanese Companies"
これまで日本企業は、政府の産業政策、安定した金融システム、長期雇用慣行などに支えられ、長期的な視点に立った投資を行いながら、独自の技術力を磨いてきた。特に製造業においては、技術革新と品質向上を重視する企業文化が根付き、高い品質と信頼性で国際市場において確固たる競争力を築いてきた。
しかし近年、グローバル化の加速、急速な技術進化、国内人口構造の変化などにより、従来の経験に基づく企業戦略や組織運営では競争優位性を維持することが難しくなってきています。
本セッションでは、データとシミュレーションを活用した予測・分析に基づくプロジェクトマネジメントの「モデルベースアプローチ」を紹介する。これにより、意思決定の質を向上させ、研究者間のコラボレーションを促進し、ダイナミックなチームワークとより効果的なプロジェクトマネジメントを推進する。
第10回
2025年6月13日
モデレータ教員:
当麻

東京大学 国際高等研究所 新世代感染症センター 副機構長 特任教授
菊池 正彦 氏
【演題】社会実装への壁をどう超えるか? ー気づきを認知し、如何に行動に移すか?-
講師プロフィール
熊本大学薬学部(1983年卒)、大学院博士課程(1988年終了)
1988年:第一製薬(現第一三共)入社、製剤、DDS、開発研究、事業運営。医療ニーズ、実用化に拘る
1993年:CTスキャン造影システム構築に繋がる 『オムニパークシリンジ」を発売
1998年:Long Beach Memorial Medical Center
2009年:キノロン系抗菌薬クラビットOnce a day製剤上市
2009年:新規事業として、ワクチン事業立上げ。ワクチン事業部長、ワクチン関連2社の取締役兼務
2015年:ワクチン産業協会理事長として業界活動・産学官連携を積極的に推進
2017年:第一三共退社
2017年:㈱NBMプランニングを起業・代表取締役(経営・技術コンサルティング)*
2017年:熊本大学UpRod事業プロデューサー、熊本大学 客員教授、先端薬学教授
2022年:㈱C-HASプラス 代表取締役(創薬,健康寿命等関連事業)*
2022年:熊本大学ワクチン開発研究センター 副センター長、客員教授*、先端薬学教授*
2022年:東京大学 国際高等研究所 新世代感染症センター 副機構長 特任教授*
*:現任
https://sites.google.com/utopia.u-tokyo.ac.jp/utopia/home?authuser=0
https://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/vdrc/
https://uprod-kumamoto.org/index.html
講義概要
これまでの65年の人生で、大学時代9年、大手製薬企業約30年、アカディミア約10年を過ごしてきました。従事した専門としてはVaccine, DDS, 製剤学, 製造工学, 経営工学、投与Device, 天然物創薬, Project management, コ ミュニティー学, 産学官連携 等です。
社会人としては、研究開発の実用化に拘り、携わった仕事はほぼ製品化してきましたが、その成功のためには徹底したユーザーニーズへの対応と気づきをどの様に実践に活かしてきたかが、ポイントと考えています。
多くの方々が、これからいろいろな岐路に経つと思います。
人生には〝答え"はなく、〝選択"があると思います。
その選択の精度をあげることと、選択したたことを成功に導くために何をやるかになると思います。
また、一連の判断や考え方に対して、利己よりも利他を優先した方が正回転にまわると信じています。
これらのことを実例を含めてプレゼンさせて頂こうと思います。
第11回
2025年6月20日
準備中
第12回
2025年6月27日
モデレータ教員:
新妻

公益財団法人中村元東方研究所 専任研究員
吉村 均 氏
【演題】「当たり前」は「当たり前」ではない!?:国際化と日本の伝統の自覚
講師プロフィール
東京大学文学部卒業。同大学院人文科学研究科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員(DC)を経て、現職。専門は日本倫理思想史、仏教学。チベットの諸師に顕密の教えを学ぶ。著書に『日本人なら知っておきたい日本の伝統文化』『チベット仏教入門』『空海に学ぶ仏教入門』共にちくま新書。『インド・チベットの伝統を踏まえて日本仏教を読み直す 空海・道元・親鸞(仮題、近刊)』北樹出版。
講義概要
私たちの物の考えかたや行動には、自分が思っていることと実際にやっていることに食い違いがあることが少なくありません。それは明治時代以来の教育や学問の基本発想が、近代化のために西洋の知識や技術を取り入れることにあることが大きいです。理系は問題ないかもしれませんが、人文学はその背景となっているヨーロッパの文化や伝統が日本のそれと大きく異なるため、日本にうまく当てはまらない場合が少なくありません。たとえば、私たちが普通に話したり読んだり書いたりしている日本語を、主語‐述語ではうまく説明できません。文法というと主語‐述語と意識しつつ、実際にはそれとはまったく別の原理で読み書きしているのです。それで不都合に感じないのは、他の人も同様で、それが「当たり前」になっているからです。しかし文化が異なれば、その「当たり前」は通用しません。彼等には別の「当たり前」があります。国際化が進むということは、別の「当たり前」を持つ人たちと接する機会が増えるということであり、実際に必要なのは、私たちの「当たり前」を自覚し、説明できるようになることです。その手がかりとなるのが、柳田国男の創始した民俗学です。
第13回
2025年7月4日
モデレータ教員:
水門

野村證券株式会社 金融経済研究所 エグセクティブ・エコノミスト
美和 卓 氏
【演題】金融、金融機関、資本市場の役割と社会的意義
講師プロフィール
1990年野村総合研究所に入社。以来、エコノミストとしてさまざまな地域のマクロ経済分析と金融市場動向の予測に従事。2004年野村證券に転籍後、経済調査部、投資調査部、投資情報部の在籍を経て、2016年5月にチーフエコノミストに就任。2018年8月より経済調査部長を兼務したのち、2024年4月より現職。
1990年東京大学教養学部教養学科(ロシア・ソビエトの文化と社会専攻)卒業。2001年東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士)。
主な著書として、『図解 いちばんやさしく丁寧に書いた金利の本』(成美堂出版)、『金利「超」入門』(日本経済新聞社)、『20歳からの金融入門』(日本経済新聞出版社)などがある。
日本経済新聞社『日経ヴェリタス』紙債券エコノミストランキングに2022年度まで15年連続ランクイン(最高位は第3位)。
講義概要
経済や金融を必ずしも専門としない方々を対象に、金融の基本的な機能や社会的意義を再確認する機会とすることを目指します。
具体的には、金融の役割・機能についてできる限り平易に整理した上で、さまざまな形態の金融機関が存在する意義、(金融・資本)市場の存在意義、機能についてその本質が理解できるよう解説していきます。
特に、金融、金融機関がその報酬、収益の源泉としてどのように付加価値を生み出しているかにも焦点を当てます。さらに、金融や金融機関の機能から生じる「失敗」のメカニズムや具体例にも触れていきます。
第14回
2025年7月11日
準備中