SDM特別講義 2026年度 春学期
第1回
2026年4月10日
(4月4日入学合宿にて収録)
モデレータ教員:
当麻
慶應義塾大学経済学部 准教授
アルベルト・ミヤンマルティン 氏
【演題】新しい時代の翻訳者:福澤諭吉と阿部泰蔵
講師プロフィール
スペイン・マヨルカ島生まれ。バルセロナ自治大学で翻訳通訳学を修め、大阪大学で博士号(日本語・日本文化)を取得。同志社大学助教などを経て、2016年より慶應義塾で教鞭を執っている。専門は言語学と翻訳学、主な関心分野は比較文化論と教育思想史。近年は福澤諭吉の初期思想研究やその普及に励んでいる。共編著訳『「中津留別之書」―多言語で読む福澤諭吉』、単著『『修身論』の「天」―阿部泰蔵の翻訳に隠された真相』、三田演説会講演録「近代日本の翻訳文化と福澤諭吉─『学問のすゝめ』150年を記念して」(『三田評論』)など。スペイン語では、日西の近代教育制度の比較や日本の翻訳史に関する論文もある。福澤研究センター所員、日本スペインラテンアメリカ学会役員。
講義概要
近年では機械翻訳が流行し、AI通訳機と呼ばれるものをはじめ、言語の壁をなくした「文明の利器」が巷に溢れています。しかし、そのような技術が現れるまでは、歴史の中でどのように「翻訳」が行われてきたのでしょうか。一例に日本の歴史を見れば、本来の「翻訳」とは人間の文化的行為であり、各個人が特定の時代背景や社会的状況の中で文脈に応じながら、多種多様に行ってきた知的活動であることがわかります。本講義では、江戸時代の宣教師や蘭学者から幕末明治の啓蒙思想家までの歴史を踏まえた上で、文化の翻訳者としての福澤諭吉とその門下生・阿部泰蔵の活動を取り扱います。具体的に、修身論で知られる米国人フランシス・ウェーランドからの影響と『学問のすゝめ』への発展を紹介しながら、福澤著「中津留別之書」(1871)と阿部訳『修身論』(1874)に見る伝統的な言葉遣いと近代的な社会思想の関係を明らかにし、精神的な「文明開化」において彼らの「翻訳」が果たしてきた役割について考察と評価を試みます。さらに、『学問のすゝめ』における具体的な用語の解釈とその訳出を事例に、外国における福澤像の誤認およびAIによる文章理解の限界について触れておきます。
第2回
2026年4月17日
モデレータ教員:
猪熊
参議院議員 前神奈川県知事
松沢 成文 氏
【演題】横浜を拓いた男たち
講師プロフィール
1958年神奈川県川崎市生田に生まれる。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、松下政経塾に第3期生として入塾。87年神奈川県議会議員選挙に立候補し、県政史上最年少議員として初当選。93年衆議院総選挙に立候補し初当選し、3期務める。2003年神奈川県知事選挙に出馬し初当選。07年には200万票を超える支持を集め再選を果たす。2期8年で自ら掲げたマニフェストの約8割を達成した。13年参議院選挙に立候補し初当選。19年、22年に再選を果たし現在3期目。政治活動と並行し、長年にわたり地道な歴史研究を続け、執筆活動も積極的に行っている。著書に『始動!江戸城天守閣再建計画』『北条五代、奇跡の100年』『関西奠都論』(ワニブックスPLUS新著)、『教養として知っておきたい二宮尊徳』(PHP新書)、『激闘!関東三国志』(ワニプラス)など多数。
講義概要
今や世界的にその名を知られる国際都市・横浜。その開港から160年余に及ぶ歴史は、日本の近現代史の歩みと軌を一にするといっても過言ではない。本講義では、幕末の開港から明治・大正期にかけて、横浜の草創期の礎を築いた人物に焦点を当てる。
具体的には、横浜開港の立役者であるペリー提督とハリス総領事。偉大なる政商であり易聖であった高島嘉右衛門。初めて和英辞典をつくり上げた宣教医師ヘボン博士。貿易の発展が国を富ますと横浜を応援した福澤諭吉。生糸貿易で日本を先導し震災復興に貢献した原三溪。九転十起の男として知られる大実業家・浅野総一郎の7名である。
特に慶應義塾を創設した福澤先生は、開港直後の横浜で、銀行、商社、学校の設立に深く関わり、横浜の国際貿易都市としての礎を築いた。
これらの人物の意思決定や行動、相互の関係性を手がかりとして、横浜がいかにして近代都市へと発展していったのかを多面的に分析する。あわせて、国際交流、経済発展、都市インフラ整備といった観点から、日本の近代化過程における横浜の意義を再考することを目的とする。
第3回
2026年4月24日
休講
第4回
2026年5月1日
モデレータ教員:
玉城
経済産業省 資源エネルギー庁 長官官房総務課 戦略企画室長
後藤 靖博 氏
【仮題】エネルギーを取り巻くシステムと安全保障について
講師プロフィール
東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻修士修了。2008年 経済産業省入省。
これまでに原子力政策、再生可能エネルギー政策の他、福島復興や地方創生などの部署にて企画立案を担当。
2025年7月から現職。
講義概要
エネルギー・電力は、国民生活と産業を支える基盤であると同時に、国家の存立に直結する安全保障的課題でもあります。地政学的リスクの高まりや脱炭素化の進展、デジタル化に伴う新たな脆弱性の顕在化など、エネルギーを巡る環境は、日々、複雑化・高度化を続けております。特に電力システムは、再生可能エネルギーの拡大により分散・ネットワーク型へ転換しつつあり、更なる導入の拡大にあたっては技術、制度、市場、地域社会が相互に影響し合う社会システムとしての捉え直しが不可欠であります。現代において、エネルギーと電力を巡る課題は、「唯一の正解が存在する問題」ではなく、変化し続ける国際情勢、地政学リスク、環境適合性、技術革新の中で、システムを進化させ続けることで、異なる条件設定下に存在しうる複数の最適解を追求し続ける取り組みと考えることも出来ます。本講義では、皆様がエネルギー安全保障について検討する一助となるように、我が国のエネルギー課題を取り巻く状況と、これまでのエネルギー政策の取り組みや変遷について御説明させていただきます。
第5回
2026年5月8日
モデレータ教員:
西村
NPO法人鶴見川流域ネットワーキング代表理事
慶應義塾大学名誉教授
岸 由二 氏
【演題】流域思考の理論と実践
講師プロフィール
東京都立大学理学部大学院博士課程退学・理学博士を経て慶應義塾大学経済学部教授。同名誉教授。生物学分野では進化生態学にかかわる理論・科学社会学を専攻。環境活動の分野では、三浦半島小網代、鶴見川流域をフィールドに、流域思考の理論構築、実践に関与する。国土庁、国土交通省、内閣府等で審議会委員・戦略委員を担当。著書に「利己的遺伝子の小革命」、「流域思考とはなにか」、「生き延びるための流域思考」、「奇跡の自然の守り方」、訳書に「利己的な遺伝子」、「進化生物学」、「自然という幻想」など。
講義概要
流域思考は、生命圏適応を可能とする持続可能な都市・都市文明を構築するための技術、理論、哲学、倫理である。人類の文明をささえる雨降る大地は、水循環の基本単位である流域という地形によって入れ子状に区分されている。流域は水循環の地形構造であり、流域生態系であり、生活圏の基礎であり、文明の生命圏適応を誘導する生態文化複合創造の基礎領域でもある。以上の複合的な視野を援用する都市計画の実践事例として、三浦半島小網代の森、一級水系鶴見川流域での多自然・防災生態系管理の活動を紹介する。慶應日吉キャンパスのマムシ谷は鶴見川流域・支流矢上川流域の一小流域でもあり、当地での在職中の私の実践についても話題にしたい。可能であれば、流域思考の存在論的な基礎となる「本能としての地図」についても、言及できるかもしれない。
第6回
2026年5月15日
モデレータ教員:
当麻
非公開
第7回
2026年5月22日
モデレータ教員:
矢向
一般社団法人 日本ディープラーニング協会 専務理事
一般社団法人 AIロボット協会 事務局長
岡田 隆太朗 氏
【演題】「好奇心」を「社会実装」に変える、越境する『コミュニティ・オーガナイザー』活動
講師プロフィール
1974年生東京都出身。慶應義塾大学在学中に起業。事業売却後事業会社を連続設立し、2012年 株式会社ABEJAを共同創業。2015年攻殻機動隊Realize Projectを発足し、コンテンツを活用したアカデミアと産業の連携する場を創設。同年より、IT経営者のコミュニティイベントInfinity Ventures Summitの運営事務局を設立し事務局長に就任(現シニアアドバイザー)。2017年、ディープラーニングの産業活用促進を目的に一般社団法人日本ディープラーニング協会を設立し事務局長に就任。2023年より専務理事。2019年より実行委員会を組成して、全国高等専門学校ディープラーニングコンテストを開催。2020年、緊急時の災害支援を実行する、一般社団法人 災害時緊急支援プラットフォーム を事務局長として設立。2024年一般社団法人AIロボット協会を設立し事務局長に就任。コミュニティ・オーガナイザーとして、数々の場作りを展開している。
講義概要
個人の内発的な動機である「好奇心」を起点に、いかにして課題ある現代社会という巨大なシステムへ価値を定着(社会実装)させるか、そのプロセスを紐解いてみます。
自身の「面白そう」という直感を、いかにして社会的な大義や具体的な実装へと昇華させてきたか、単なる技術論や精神論ではなく、産・官・学・民といった異なるプロトコルを持つ複数のシステムを横断(越境)し、それらを一つの目的に向けて再構築し、泥臭い試行錯誤から導き出された「コミュニティ・オーガナイズ」の手法として、複雑な課題に挑む実務家のみなさんにとって、実践的な知恵となるように共有します。
第8回
2026年5月29日
モデレータ教員:
新妻
国際総合研究機構(IRI) 科学部長・理事
国際生命情報科学会(ISLIS)常務理事
髙木 治 氏
【演題】ピラミッドパワーの科学的研究とはどういうことか
講師プロフィール
1962年2月生。埼玉県出身。埼玉大学大学院理工学研究科物質科学専攻科 修了 博士(理学)。元 埼玉短期大学 准教授。2007年よりピラミッド型構造物(PS)に関する未知現象の解明に取り組み、現在まで約19年間にわたりバイオセンサを用いた大規模制御実験を継続中。2013年、PSの未知機能を統計的に実証した論文を学術誌に発表。2019年、第35回ISLIS学会賞・優秀論文賞を受賞。測定可能な問いへの変換・再現性の担保・不確実性の明示を研究指針とし、「オカルトと科学の二項対立を超えた実証的アプローチ」を実践している。趣味は古代遺跡、神社仏閣・札所巡り。2014年1月より、飯髙転石 老師(ダルマサンガ)に師事。因果に安住し、愚徹に坐禅を行じる。
講義概要
2007年から約19年間継続してきた、「ピラミッドパワー」の科学的研究を題材に、「未整理な現象を研究可能な問いへ変換する」というSDM的アプローチを実践的に示すことを試みる。内容は5部構成。①研究の動機として、「信じる/信じない」ではなく「測定可能か」を問う姿勢を提示し、オカルトと科学の二項対立を超える視点を示す。②先行言説を逸話・特許・制御実験の3カテゴリーに整理し、一次資料と二次資料を区別して扱う重要性を示す。③バイオセンサ(キュウリ切片)と、ピラミッド効果の指標であるサイ指数Ψを用いた制御実験で、「遅延効果(瞑想後20時間でピーク)」、「ピラミッド+瞑想の両立が必要条件」、「6km以上離れた場所でも効果が検出される長距離効果」の3つの主要発見を報告する。④これらをSDM的な「問いの設計・実験設計・不確実性の管理・創発的知識」の観点から体系化する。⑤今後は多形状比較・素材依存性・学際連携による追試実験を計画する。
第9回
2026年6月5日
モデレータ教員:
水門
株式会社第一ライフ資産運用経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト
星野 卓也 氏
【演題】日本経済・世界経済の潮流を読む(仮)
講師プロフィール
民間シンクタンクで内外経済の分析、財政、金融、労働市場、税・社会保障制度などに関する政策分析、提言等を行う。
(略歴)
2011年3月 一橋大学経済学部卒
2011年4月 第一生命保険入社
2011年6月 第一生命経済研究所 (現 第一ライフ資産運用経済研究所) 経済調査部
2021年3月 一橋大学大学院経営管理研究科金融戦略・経営財務プログラム修了
2024年4月より現職
(兼務)
明治大学専門職大学院兼任講師、跡見学園女子大学非常勤講師、(株)タイミー客員研究員、(株)ナウキャスト客員エコノミスト、景気循環学会 監事
講義概要
(仮)インフレ・金利上昇・人手不足と、ひと昔前のデフレ、低金利の時代とは一線を画した状態が続いている。人口減少、高齢化、地政学リスクの高まり、AIの普及などは日本のみならず世界共通のトレンドに。今後の内外経済、金融市場の潮流について考える。
第10回
2026年6月12日
準備中
第11回
2026年6月19日
準備中
第12回
2026年6月26日
準備中
第13回
2026年7月3日
準備中
第14回
2026年7月10日
準備中
第15回
2026年7月17日
準備中
第16回
2026年7月24日
(予備日)
