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SDM特別講義 2020年度 春学期

第5回
2020年5月8日

モデレータ教員:
前野
サイボウズ株式会社 代表取締役社長
青野 慶久 氏
【演題】「これからの組織と緊急テレワーク講座」
講師プロフィール

1971年生まれ。愛媛県今治市出身。 大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、 1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役社長に就任。 2018年1月代表取締役社長 兼 チームワーク総研所長(現任)

社内のワークスタイル変革を推進し離職率を7分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得。
また2011年から事業のクラウド化を進め、売り上げの半分を超えるまでに成長。
総務省、厚労省、経産省、内閣府、内閣官房の働き方変革プロジェクトの外部アドバイザーや CSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)の副会長などを歴任。

著書に『ちょいデキ!』(文春新書)、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)、 『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』(PHP研究所)がある。

講義概要

組織には「型」があります。この組織の型を理解することで、目的に合わせて組織をシステムとしてデザインできるようになります。今回の講義では、組織の型の話から、それをサイボウズ社でどのように実践してきたかをお話しし、組織を進化させる要諦について考えていきます。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、出社や出張が制限される中で、どのようにテレワークを進めていけばよいか、組織の進化における具体的な一つのテーマとしてご紹介いたします。


第9回
2020年6月5日

モデレータ教員:
西村
NTTデータイントラマート 代表取締役社長
中山 義人 氏
【演題】デジタルトランスフォーメーション(DX)の最前線:個別最適から全体最適へ
講師プロフィール

1992年3月 東京大学大学院(バイオテクノロジー)修士課程卒業
1992年4月 株式会社NTTデータ入社 ERP「SCAW」プロジェクトで企画、開発、営業を手がける
1998年 社内ベンチャー制度初の事例として「intra-mart」を起業
2000年2月 株式会社NTTデータイントラマートとして独立、現在に至る。
NTTデータビズインテグラル取締役。MIJS理事。
東京大学工学系研究科先端学際工学専攻博士課程在籍(社会人学生)。
書籍「企業はIT力を失った!(リックテレコム)」「利益を生み出すIT戦略(日経BP)」「なぜあなたの働き方改革は続かないのか?(日経BP)」

講義概要

働き方改革の実現に向けてどの会社も労働生産性の向上を重要な経営課題と位置付けています。
その中でも、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は手軽さと即効性のある導入効果から急速な普及を遂げました。
しかし先進ユーザーは、その個別最適の効果から「業務全体を見渡した業務改革」という真のデジタルトランスフォーメーション(DX)へと取り組み始めています。
本講義では、その具体的な進め方を事例を交えながら解説するとともに、「RPAのその先にある姿」をわかりやすく描き出していきます。
社内に蓄積されている業務データをもとに、先進企業が取り組む業務のフルオートメーションとは何か、DXアプローチ最前線に迫ります。


第10回
2020年6月12日

モデレータ教員:
高野
中日本高速道路株式会社 常務執行役員 総合安全推進部長 兼総務本部笹子トンネル天井板崩落事故被害者ご相談室長
飯塚 徹也 氏
【演題】NEXCO中日本における安全性向上への取組み【仮題】
講師プロフィール

1980年4月 日本道路公団入社(年10月~中日本高速道路株式会社)
2009年4月 保全・サービス事業本部 担当部長
2013年6月 八王子支社長 兼総務本部笹子トンネル天井板崩落事故被害者ご相談室長
2017年6月 現職

講義概要

 2012年12月2日、中央自動車道笹子トンネル(上り線)における天井板崩落事故により、9名もの尊い命が失われ、多くの方々が被害に遭われました。
 当社は、「二度とこのような事故を起こしてはならない」という深い反省と強い決意のもと、事故後直ちに安全に関する現状認識と問題点について幅広く検証を行い、再発防止に向けた取組み方針を取りまとめた「安全性向上に向けた取組み」を公表し、国の「トンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会」報告書や外部有識者の意見も踏まえて策定した「安全性向上3カ年計画」(2013-2015年度)に基づき、グループを挙げて再発防止と安全性の向上に取り組んでまいりました。
 現在は、『経営計画チャレンジⅤ2016-2020』における経営方針の最上位に「高速道路の安全性向上と機能強化の不断の取組み」を位置づけ、事故を決して忘れず、お客さまに安全な高速道路を提供し続けることこそ、最大の使命であるとの強い決意のもと、『安全性向上への「5つの取組み方針」』に基づく取組みを持続的に進めております。
 道半ばではありますが、高速道路の安全性向上という永遠の挑戦課題に対する当社の取組みについて、ご紹介させていただきます。


第11回
2020年6月19日

モデレータ教員:
神武
Niantic, Inc. 副社長
株式会社ナイアンティック 代表取締役社長
村井 説人 氏
【演題】Niantic のすること・したいこと
講師プロフィール

2015年12月に株式会社ナイアンティック 代表取締役社長に就任。Niantic, Inc.(ナイアンティック社)初の現地法人である株式会社ナイアンティックの代表取締役として、日本市場における事業開発ならびにリアルワールドゲームの普及に努める。2019年より、Niantic, Inc.の副社長を兼任。 ナイアンティック社入社以前は、Google マップのパートナーシップ日本統括部長として、その発展に貢献。また、2015年には Australia/New Zealand Google Maps のパートナーシップ業務の責任者としても従事。Google Crisis Response活動として東北復興などのさまざまな活動にチームの中核として貢献したほか、Google Art Projectの日本の代表者として、同プロジェクトの発展に大きく貢献。 1997年に日本電信電話株式会社(NTT)にてキャリアをスタートして以降は、2006年にGMOアドネットワークスへ入社、取締役として会社運営に従事。1997年、成城大学卒業。

講義概要

Ingress, Pokémon GOなど、位置情報とAR(拡張現実)技術を利用したエンターテインメントを提供するNiantic。
日本法人代表取締役社長、村井説人(むらいせつと)が、Nianticのミッションに基づき、世界をより良い場所にするためNiantic が成し遂げたいこと、AR技術の将来に期待することなどをお話しします。


第13回
2020年7月3日

モデレータ教員:
西村
内閣官房 政府CIO上席補佐官/経済産業省 CIO補佐官
平本 健二 氏
【演題】デジタル時代の行政サービス -分野横断のサービスを実現するために-
講師プロフィール

1990年慶應義塾大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了。大手SIerからコンサルティング会社を経て現職。デジタル技術による行政サービス改革を担当。既存の行政の枠組みでは解決できなかった課題を、調査、検証からサービス展開まで一貫プロジェクトとして実施。国・自治体を通じた調達情報、支援制度情報サイトの構築・運用をするとともに、文字、語彙、コード等のデータ連携基盤整備、webサイトの抜本的な見直し等、行政サービス改革をグローバルな視点から推進。最近はSociety5.0やスマートシティ等の社会基盤つくりにも参加。現場の声を重視し、住民や技術者との協働イベントにも積極的に参加をしている。

講義概要

行政サービスというと、紙中心で縦割り、前時代的な仕組みで運用されているというイメージがあるのではないでしょうか。デジタル化が進む中で、社会の分野間がシームレスになり、分野の垣根が低くなる中で、行政も変わろうとしています。さらに言うと、行政は幅広い分野と協調しなければならないことから、社会のプラットフォーマーとしての役割が求められています。また、そのように幅広い分野とやり取りをするためには、全体のアーキテクチャを考え、全体の整合性をとりながら各個別プロジェクトを進めていく必要があります。最近の国内外の最新事例を交えながら、デジタル時代の行政サービスについて解説します。
・これまでの行政サービスとその限界
・今後のサービス設計思想と構築への流れ
・徐々に進むデジタル・トランスフォーメーション


第14回
2020年7月10日

モデレータ教員:
谷口尚
学校法人事業構想大学院大学 学長
株式会社宣伝会議 取締役
田中 里沙 氏
【演題】事業構想で未来をひらく
講師プロフィール

マーケティングコミュニケーションの老舗雑誌である「宣伝会議」編集長を務めた後、取締役を兼任し、学校法人先端教育機構にて新事業創出、地方創生等の研究と人材育成に取り組む。審議会委員、「クールビズ」ネーミング委員、2020エンブレム委員なども務める。

講義概要

コロナ禍により、時代の場面は一気に変わりました。ここでいま考えるべきは、未来の構想です。自らの経営資源を生かして、理想をどう描くか、その理想を実現するために、仮説を立てて何をするか。危機を乗り越える視点からも、問題解決的な思考ではなく、従来の延長線上ではない新たな事業の創出を考えていきたいと思います。


第15回
2020年7月17日

モデレータ教員:
前野
一中節宗家
都 一中 氏
【演題】人類の未来のために
講師プロフィール

1952年 東京生れ。東京芸術大学音楽学部中退。
86年歌舞伎座の常磐津節立三味線(主席奏者)に昇格。
91年12世都一中を襲名し一中節宗家継承。15年古曲一中節の伝承保存、優れた演奏、海外における紹介普及などの功績により日本芸術院賞を受賞、そのほか、文化庁芸術作品賞、国立劇場清栄賞受賞、重要無形文化財一中節及び常磐津節(総合認定)保持者。

講義概要

世界は今まさに危機的な状況にあります。世界を代表する知性と言われる経済学者ジャック・アタリ氏は「利他主義という理想への転換こそが人類サバイバルのカギである。」と言っています。このような理想的な世界への転換を導く高邁な思想を、江戸時代の音楽は実に身近に面白おかしく表現し、それに親しみ自ら稽古することを通して人々は実感し現実生活に生かしていました。その江戸文化の洗練度の高さ、それを日常的に楽しむ民度の高さに恐ろしさを感じるほどです。それ故それらの音楽はそのままでは現代人には何も伝わりません。
本講義では江戸時代を参考に芸術享受のメカニズムを解き明かしてみたいと思います。