SDM特別講義 2017年度 春学期
2017年4月9日
モデレータ教員:
当麻
都倉 武之 氏
【演題】表象としての福沢諭吉・慶應義塾
■時間:9:00-10:30
講師プロフィール
1979年生まれ。2007年慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程満期単位取得退学。
2004年武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部助手を経て、07年慶應義塾福沢研究センター専任講師。11年より現職。
専門は、近代日本政治史・政治思想史、メディア史、大学史。
共著に『福沢諭吉の思想と近代化構想』(2008年)、『近代日本と福沢諭吉』(2013年)など。
講義概要
福沢諭吉や慶應義塾にはどのようなイメージがあるでしょうか。こんにち、世間一般や慶應義塾の中で持たれているイメージが、どのような歴史的な背景から生まれてきたのか、ということを振り返ることを通して、この学校や創立者としての福沢の原点の理念について考えます。講義では様々な歴史的写真等をパワーポイントで投影し、他学との違いについても言及する予定です。
2017年4月14日
モデレータ教員:
当麻
安西 祐一郎 氏
【演題】システムデザイン・マネジメントにとって人工知能とは何か?
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
1974年慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程修了。カーネギーメロン大学コンピュータサイエンス学科兼心理学科博士研究員、同人文社会学部心理学科客員助教授、北海道大学文学部行動科学科助教授、慶應義塾大学理工学部電気工学科教授を経て、93~2001年同大学理工学部長、01~09年慶應義塾長。2011年独立行政法人日本学術振興会理事長に就任、現在に至る。3省連携人工知能技術戦略会議議長、文部科学省科学技術・学術審議会委員、全国大学体育連合会長等を務める。日本私立大学連盟会長、環太平洋大学協会会長、情報処理学会会長、日本認知科学会会長、内閣府知的財産戦略本部員、同IT戦略本部員、同教育再生懇談会座長、中央教育審議会会長、高大接続システム改革会議座長等を歴任。著書『心と脳』(岩波新書)、『「デジタル脳」が日本を救う』(講談社)、『教育が日本をひらく』(慶應義塾大学出版会)、『認識と学習』(岩波書店)、『問題解決の心理学』(中公新書)、共編著『講座 コミュニケーションの認知科学』全5巻(岩波書店)ほか多数。専攻は認知科学・情報科学。1970年代当初からシステム理論を学び、70年代半ばに人間と機械の思考と学習に関する研究を開始、現在に至る。その一方で、自然言語対話を含むヒューマン・マシンインタラクション、人間とロボットのインタラクション、センサ・ネットワーク等の研究を行ってきた。
講義概要
演者は大学院修士課程でシステム工学に触れ、塾大学工学部(現在の理工学部)でシステム工学の教育研究に14年間携わった。その間、カーネギーメ ロン大学のコンピュータ科学科兼心理学科のポスドクとして人工知能と認知科学の研究を始めて以来、この分野の研究を約40年にわたって進めてき た。特にこの20年ほどは、人間とロボットのインタラクションについて研究を行ってきた。また、システムデザイン・マネジメント研究科の創設にも 関わり、さらに現在は、政府の人工知能技術戦略会議のまとめ役として、我が国の人工知能技術戦略の推進にも関与している。演者がシステム工学から 出発してなぜ人工知能に関わるようになったのか、システムデザイン・マネジメントの領域は人工知能とどう関連しているのか、システムデザイン・マ ネジメント分野の発展に人工知能技術を含めたIT技術はどう貢献していくのか、人工知能技術の未来はどうなるのか等について、演者の経験と将来展 望を述べる。
2017年4月21日
モデレータ教員:
林
林 美香子 氏
【演題】農都共生(農村と都市の共生)による地域づくり
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
札幌生まれ。北海道大学農学部卒業後、札幌テレビ放送株式会社にアナウンサーとして入社。退社後、フリーに。現在は、エフエム北海道「ミカコマガジン」出演の他、執筆活動も。「食」「農業」「環境」「地域づくり」などのフォーラムにパネリスト・コーディネーターとしても参加。「農村と都市の共生による地域再生」の研究で北海道大学大学院にて、博士(工学)・Ph.Dを取得。2008年4月から慶應義塾大学大学院SDM研究科特任教授。著書に「農村へ出かけよう」(寿郎社)など多数。札幌在住。
講義概要
農村と都市の地域政策を個別に考えることが多かった日本だが、地域再生のためには、農村と都市をトータルに捉える「農都共生=農村と都市の共生」が大切と考えている。都会の人が、農家民宿・農家レストラン・農業体験などで、農業・農村の持つ癒しなどの多面的機能を楽しみ、農家が都会で直売所を運営するなどの活動を通して、交流や連携を重ね、農村と都市の相互理解を深めていくことが、農都共生の推進に繋がり、農村と都市双方の地域づくりに力を発揮する。
疲弊する地方に経済が循環する仕組みのひとつとして、グリーンツーリズム(農村地帯で過ごす休暇)など農都共生の活動をすすめたい。「経済の循環」と同時に、「情報の循環」、「人材の循環」が起こり、農村・都市の双方に活力をもたらし、地方創生や地域の持続可能性に大きな力となる。
2017年4月28日
モデレータ教員:
前野
矢島 里佳 氏
【演題】自ら仕事をつくるという選択肢 ~伝統を次世代につなぐために~
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
職人と伝統の魅力に惹かれ、19歳の頃から全国を回り始め、大学時代に日本の伝統文化・産業の情報発信の仕事を始める。「日本の伝統を次世代につなぎたい」という想いから、大学4年時である2011年3月、株式会社和えるを創業、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。2012年3月、幼少期から職人の手仕事に触れられる環境を創出すべく、 “0から6歳の伝統ブランドaeru”を立ち上げ、日本全国の職人と共にオリジナル商品を生み出す。オンライン直営店から始まり、2014年、東京直営店「aeru meguro」、2015年京都直営店「aeru gojo」をオープン。“aeru room”、“aeru oatsurae”など、日本の伝統や先人の智慧を、暮らしの中で活かしながら次世代につなぐために様々な事業を展開。
2013年、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科修士課程修了。
同年、世界経済フォーラム(ダボス会議)「World Economic Forum - Global Shapers Community」メンバーに選出される。
2014年、書籍『和える-aeru- 伝統産業を子どもにつなぐ25歳女性起業家』を出版。
2015年、第4回 日本政策投資銀行(DBJ)「女性新ビジネスプランコンペティション女性起業大賞」受賞。
講義概要
「日本の伝統を次世代につなぎたい」という想いのもと、どのような経緯で、和えるの創業に至ったのか。そして、日本の伝統や先人の智慧と、現代を生きる私たちの感性を和えて生み出される”0 から 6 歳の伝統ブランド aeru”の商品づくりの中で、大切にしてきたことを紹介します。
また2016年にスタートした、地域の伝統や文化を感じられるホテルの一室を和えるがプロデュースする事業『aeru room』、全国の職人さんとのつながりを活かして、お客さま向けのお誂え(オーダーメイド)商品を生み出す事業『aeru oatsurae』を始めとする、今後の事業展開について紹介し、地域の強みを活かした魅力ある商品づくり、伝統産業のこれからについて考えます。
2017年5月12日
モデレータ教員:
西村
加藤 公康 氏
【演題】老舗建設機械メーカーをどん底からトップメーカーに
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
1991年3月 玉川大学工学部経営工学科 卒業
1991年4月 株式会社 加藤製作所 入社
1993年7月 同社 監査役室長
1996年8月 同社 技術本部長
1997年5月 同社 資材本部長
1997年6月 同社 取締役技術本部長・資材本部長
2001年6月 同社 取締役常務執行役員経営企画担当
2004年6月 同社 取締役社長(現在に至る)
2014年3月 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了
2016年7月 学校法人 健康科学学園 理事長 就任
2016年11月 株式会社 KATO HICOM (旧IHI建機) 取締役会長 就任
講義概要
加藤製作所は東京証券取引所第一部に上場しているが、2004年に会社の決算処理上の不手際で監理ポストに入れられた。老舗企業の悪いところで時代の変化に追従出来なかった事が要因で、間違っているという意識が欠如していた。私はその監理ポストに入れられた状態で社長に就任するという非常事態からのスタートを切った。何とか切り抜け業績も上がり、順風満帆かに思われたが、リーマンショックにより厳しい状況になった。そんな中、当社製品の強みを前面に出し差別化を図ることにより、新規顧客の獲得に成功し、また利益率の高い製品への販売シフトや、中国工場等の海外事業の推進により赤字を最小限に食い止め黒字化への道筋を付ける事が出来た。2011年に入り、東北大震災によるサプライチェーンの分断で生産に大きな打撃を受けたが、被災地への迅速かつ誠心誠意な対応が大きな信頼を生み、東北でのシェアが60%以上に跳ね上がった。その信頼が全国に広がりつつあり、当社の業績を後押ししてくれている。現在国内クレーンは6年間トップシェアを誇る。また、タイ工場設立、傘下入りしたIHI建機と共に世界的な総合建機メーカーを目指す。
2017年5月19日
モデレータ教員:
神武
須藤 シンジ 氏
【演題】ピープルデザインで挑むダイバーシティの街づくり〜超福祉な未来〜
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
「ピープルデザイン」という概念を提唱。様々なマイノリティーが当たり前に混ざり合う、ダイバーシティな社会の実現を目指す。モノづくり、コトづくり、障害者のシゴトづくりを出発点に、渋谷区や川崎市などの行政と協働したマチづくりを推進している。近年は、国内外の教育機関と連携したヒトづくりに関する諸施策を加速させている。2016年下期より、オランダのTU Delft/デルフト工科大学/Design United/リサーチフェローに就任。著書に「意識をデザインする仕事」(CCCメディアハウス/旧 阪急コミュニケーションズ)がある。
講義概要
「心のバリアフリー」をクリエイティブに実現する思考や方法論をピープルデザインと呼び、提唱しています。その醍醐味を実例をベースにお伝えします。
2017年5月26日
(公開講座)
モデレータ教員:
西村
清水 和夫 氏
【演題】自動運転がもたらす未来社会の展望
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
所属機関
日本自動車ジャーリナスト協会 日本交通医学研究会 会員
日本科学技術ジャーナリスト会議 会員(JASTJ)
現在の役職
・内閣府SIP自動走行推進委員 構成員
・経済産業省・国土交通省合同主宰 自動運転ビジネス検討会
・国土交通省車両安全対策委員
・NEXCO東 道路懇談委員
・HFCV用容器検討委員会
・JARI客員研究員 ITS・車両安全・水素燃料電池を専門とする
略歴
1954年 東京生まれ 武蔵工業大学電子通信工学課卒業
1972年のラリーデビュー以来国内外の耐久レースで活躍する一方、モータージャーナリストとして活躍を始める。自動車の運動理論や安全性能を専門とするが、環境問題、都市交通問題についても精通している。日本放送出版協会『クルマ安全学のすすめ』『ITSの思想』『燃料電池とは何か』 ダイヤモンド社『ディーゼルこそが地球を救う』など多数
講義概要
自動運転をめぐる動きが急速に活発化しています。アメリカではグーグルなどのIT企業だけでなく、アマゾンやウーバーなどの人とモノの移動に関する企業も自動運転に注目しております。自動で走るクルマ、機械のロボット化、あるいはクルマ同士が繋がる「コネクト」によって、我々の未来社会は大きく変えることができそうです。事故低減・渋滞緩和・移動の利便性向上など、モビリティはさらに多様化するでしょう。しかし公共交通と自動車、物流などを含めた人々の自由な移動社会の包括的なビジョンはまだ描けていません。
この大きな市民社会のイノベーションを実現するには、従来の技術の積み上げではなく、未来を予測するビジョンが必要だと思います。しかし、未来ビジョンは市民に耳を傾ければ聞こえてくるものではなく、専門家と市民がお互いに対話することから、相互の合意に基づいて創造できるのではないでしょうか。専門家からの一方通行的な説明ではなく、市民からの声を吸い上げることでもなく、フェイス・トゥ・フェイスで「対話」することが大切だと考えます。
2017年6月2日
(公開講座)
モデレータ教員:
前野
孫 泰蔵 氏
【演題】世界のイノベーティブなスタートアップに見る新しいデザイン思考 'Out-of-the-box Design Thinking' について
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
1972年生まれ。佐賀県出身。東京大学在学中にYahoo! JAPANの立ち上げに参画。その後、インターネットのコンテンツ制作、サービス運営をサポートする会社を興す。2002年、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社を設立、デジタルエンターテインメントの世界で成功をおさめる。その後も、様々なベンチャーの創業や海外企業との大型JVなど、ある時は創業者、ある時は経営陣の一人として、一貫してべ ンチャービジネスに従事した後、2009年に「2030年までにアジア版シリコンバレーのベンチャー生態系をつくる」として、スタートアップのシードアクセラレーターMOVIDA JAPANを設立。2013年、単なる出資にとどまらない総合的なスタートアップ支援に加え、自らも事業創造を行うMistletoe株式会社を創業。21世紀の課題を解決し、世の中に大きなインパクトを与えるようなイノベーションを起こす活動を国内外で本格的に開始、ベンチャーの活躍が、豊かな社会創造につながることを目指している。
講義概要
AI・ロボット時代に必要な「ナナメウエのアイデア」を生む「Out-of-the-box Thinking」の考え方と、それを体現しているスタートアップの事例を紹介しながら新たなデザイン思考について論じます。
2017年6月9日
モデレータ教員:
春山
パトリック・ニュウエル 氏
【演題】Be exponential. 未来に必要なクリエイティブなアイデアとマインドセット
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
1995年に設立された教育・学習の各方面においてモデルスクールとされる東京インターナショナルスクール、2006年に活動を開始した日本の児童養護施設に通う子供たちの生活をより豊かなものにするためのNPOリビング・ドリームズの共同設立者。
2008年には、日本国内外より思想家・実践者・イノベイターなどを集めてアイデアを共有することを目的としたTEDxTokyoを始動させた。
2009年には、21世紀の学習者および主要教育者である保護者の役割と21世紀型学習法を提携させる短編ドキュメンタリー映画「21:21」を制作。
全年齢層を対象とした「未来の学習方法=フューチャーラーニング」に取組む一般社団法人21 Foundationの運営にも携わり、多くの大手企業・カンファレンスおよびプロジェクトをサポートしている。
講義概要
今、テクノロジーのあらゆる分野において、飛躍的、指数関数的な変化(exponential change)が起こっています。
その変化を理解し、変化に対応できるマインドセットを持つことが、これからの未来を生き抜く上では重要になっていきます。
パトリック・ニュウエルは、自身で学校を設立してから今日まで、21世紀を生き抜く上で必要となるスキルやマインドセットを学習者が身につけられるような「未来のラーニングモデル」について考えてきました。 また、現在世界中で行われているTEDxイベントを本場米国外で初めて開催し、TEDxTokyoでの取り組みを通して、日本が持つ「価値あるアイデア」を世界に広げるためのムーブメントやコミュニティをつくり上げてきました。
今パトリックにとっての新しい教育分野での挑戦は、米国NASAリサーチパークを本拠地とする教育機関「シンギュラリティ大学」のコミュニティを、日本に広げる活動です。世界規模の課題を、テクノロジーを使って解決するためのクリエイティブなアイデアを集め、日本の未来をコミュニティと共に形づくることを目指しています。
今回の特別講義では、パトリックとのこれまでの日本での取り組みと今後のビジョンをご紹介します。
そして、今年9月に日本で初めて開催される「シンギュラリティ大学ジャパンサミット」での経験を、参加者にとってより豊かなものとしていただくためのイベントのアイデア、まったく新しいクリエイティブなシステムを作るためのアイデアを、生徒のみなさんに提案していただきたいと思います。
生徒みなさんののアイデアを、1分間の動画でビデオで提出していただき、面白いアイデアを出していただいた方には、サミットにご参加いただく予定です。
2017年6月16日
モデレータ教員:
神武
竹下 隆一郎 氏
【演題】女性のカラダをメディアで語ること 〜そもそも日本は「社会のテーマ選び」が下手である〜
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
慶應義塾大法学部卒。2002年朝日新聞社入社。経済部記者や新規事業開発を担う「メディアラボ」を経て、2014年〜2015年スタンフォード大学客員研究員。2016年5月から現職。「会話が生まれる」メディアをめざす。英語表記は Ryan Takeshita
講義概要
ハフポストは2月、女性が生理、ピル、体型などカラダのことを話す「Ladies Be Open」 というキャンペーンを始めた。女性のライフスタイルには欠かせない話題のはずなのに、なぜか口に出しづらい。「女性として生きていく」ためには必要な情報なのに、学校では学べない、友達から聞いただけ、雑誌で読んだだけ、知らないまま、話せないままになってしまっている。そんな大切な話を発信し、同時に読者からの寄稿をお願いする。企画は大きな反響を呼び、ハフポストに掲載された「普通の個人」の声がネット上に拡散し、感動を呼んだ。
既存のメディアはニュースを「政治」「経済」「生活」「科学」とジャンル分けし、新聞の構成もそれに準じている。しかし、複雑な時代を生きる私たち読者や視聴者にとって、そうしたジャンル分けは意味がない。たとえば人工知能。それは一義的には「科学ニュース」だが、法律の規制も必要なので政治ニュースになり得るし、雇用を奪う(あるいは産む)可能性を考えれば経済や生活ニュースになる。あるいは、AIが人間の想像力に与える影響を考えればそれはアートなど文化ニュースになるだろう。
私たちはニュースのジャンルを「名詞」ではなく、「メッセージ」で分けるべきだと考え、Ladies Be Openというジャンルを考案した。ニュースがより多様で複雑であるべきだという問題意識だが、そもそもメディア業界に限らず、日本社会はテーマ選び(アジェンダ設定)が不得意なのではないか、という問いをみなさんと議論させてください。
2017年6月23日
モデレータ教員:
白坂
榊原 彰 氏
【演題】デジタルトランスフォーメーションを加速するマイクロソフトのテクノロジー
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
1986年日本アイ・ビー・エム株式会社入社。SEとして多数のシステム開発プロジェクトに参画。専門はアーキテクチャ設計技術。2005年に同社技術職のグローバル最高職位であるIBMディスティングイッシュト・エンジニアに任命される。2006年から同社東京基礎研究所にてサービス・ソフトウェア・エンジニアリングの研究に従事した後,グローバル・ビジネス・サービス事業CTO、スマーター・シティ事業CTOを経て2015年末に同社を退職。
2016年1月より日本マイクロソフト株式会社にて執行役員 最高技術責任者(CTO)。
ACM, IEEE Computer Society, 情報処理学会,プロジェクトマネジメント学会の各正会員。NPO法人ソフトウェアテスト技術振興協会理事。
講義概要
IT関係者のみならず企業の経営層にもビッグデータが注目されるようになって久しいが,昨今ではSNSの隆盛、IoTの普及や音声家電の登場に伴い加速度的にビッグデータ解析の重要性が増している.IoT基盤としてのクラウド・プラットフォームもさまざまな領域での適用が進み,ビッグデータを活用するための機械学習,深層学習等AI系技術の適用も日々発展し新しいニュースが報道されている.本講義では、今後もますます数多くの領域でIoTとクラウド、AIの連携が適用されて行く中、今後社会はどのように変わっていくのか、またITシステムを構築する際にどのような変化が起きていくのか、マイクロソフト社の最新技術の紹介を通して今後の社会変革の展望について論ずる.
2017年6月30日
モデレータ教員:
谷口(尚)
櫨 浩一 氏
【演題】内外経済の現状と展望
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
東京大学大学院理学系研究科修士、ハワイ大学大学院経済学修士、経済企画庁入庁後、国民生活白書、経済見通し、貿易摩擦等を担当。1992年以降ニッセイ基礎研究所で経済予測、政策提言に従事。東京工業大学大学院、横浜国立大学大学院等で授業を担当。
講義概要
我々が直面している問題を、①世界経済の不安定化、②先進国経済の停滞、③高齢化・人口減少の影響と対応、という3つの観点から考えたいと思います。
まず世界経済の安定化のために世界第三位の経済大国である日本がするべきこと、するべきでないことを考えます。次に、先進諸国経済の混乱・停滞とその原因を考察します。これらを前提に、日本が直面している高齢化・人口問題が引き起こす問題とそれにどう対応すべきか皆さんと考えたいと思います。
2017年7月7日
モデレータ教員:
白坂
中須賀 真一 氏
【演題】超小型衛星による新しい宇宙開発利用・宇宙ビジネスへの挑戦
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
1983年東京大学工学部卒、1988年東京大学博士課程修了、工学博士。同年、日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所入社。1990年より東京大学講師、助教授、アメリカ・メリーランド大学およびスタンフォード大学客員研究員を経て2004年より航空宇宙工学専攻教授。超小型人工衛星の設計・製作・運用、宇宙システムの知能化・自律化、革新的宇宙システム、宇宙機の航法誘導制御等に関する研究・教育に従事。超小型衛星7機の開発・打ち上げに成功し、2010-2014には内閣府Firstプログラムによる「通称ほどよし超小型衛星プロジェクト」リーダー。日本航空宇宙学会、SICE、IAA,等会員, IFAC航空宇宙部会委員長およびUNISEC-GLOBAL委員長。2012年より内閣府宇宙政策委員会委員。
講義概要
100kgくらいまでの超小型衛星は、大学での教育・研究目的から始まったが、技術発展により現在では高度な宇宙科学・探査、地球観測やベンチャーによる宇宙ビジネスにも使われるまでになった。その魅力は普通の衛星に比べて100分の1程度の超低コストと1,2年で開発できる即効性である。東京大学は世界初の1kg衛星の打ち上げ成功(2003年)を皮切りに、深宇宙探査機を含む9機の衛星を開発し、そのうち7機はすでに打ち上げて運用に成功している。本講義では、超小型衛星の意義から始まり、東京大学での開発の歴史、重要な技術、そして将来像、特にビジネス面での展開の可能性を紹介する。
2017年7月14日
モデレータ教員:
谷口(智)
トーケル パターソン 氏
【演題】UNDERSTANDING HSR PROJECT SCHEMES AND THEIR BENEFIT FOR JAPAN
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
昭和63年 8月 米国防総省国防長官室日本上級部長
平成 3年 4月 米大統領府国家安全保障会議日韓部長
6年11月 戦略国際問題研究所 パシフィック・フォーラム シニア・アソシエイト、同 パシフィック・グループ会長
10年 4月 Raytheon Japan 社社長
13年 2月 米大統領特別補佐官(アジア担当)
14年10月 米駐日大使上級顧問
16年 4月 米国務省南アジア次官補代理
17年 4月 Raytheon International 社社長、 Raytheon 社副社長
21年10月 U.S.-Japan MAGLEV 社社長
22年 3月 The Northeast MAGLEV 社社長
25年 1月 東海旅客鉄道㈱嘱託
27年 5月 The Northeast MAGLEV 社取締役(現職)
27年 6月 東海旅客鉄道㈱取締役(現職)
講義概要
KEY WORDS:
'SAFETY STANDARDS', 'DEDICATED LINE', 'INTEROPERABILITY', 'VIABLE CITY PAIR', 'VALUE CAPTURE', 'TRANSIT ORIENTED DEVELOPMENT', 'PPP'.
COUNTRY EXAMPLES:
JAPAN, TAIWAN, AUSTRALIA, INDIA, SINGAPORE/MALAYSIA, USA.
MAIN THEMES:
ENSURING JAPAN'S PLACE IN H.S.R. WORLD ORDER; TRANSFORMATION OR TRANSPORTATION?; SELLING TRAINS OR SOMETHING MORE?
2017年7月21日
モデレータ教員:
当麻
海老原 育子 氏
【演題】リーダーシップ開発とシステム・プロセス思考
■時間:19:00-20:30(6時限)
講師プロフィール
1990年東京大学理学部大学院修士課程終了。住友スリーエム(現スリーエムジャパングループ)に技術職として入社。99年米本社に転籍。インターナショナルディレクターとして、約60カ国にわたるグローバル戦略とその展開を担当。2013年ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社に入社。2016年同社ビジョンケアカンパニー代表取締役プレジデントに就任。
ミネソタ大学にてMBA取得。
講義概要
市場が成熟するにつれ、ビジネスを成長させ続けるために、マネージメントは自ら築き上げてきたビジネスを壊すぐらいの勢いで、イノベーションを起こしていく必要があります。その時に、カリスマ的なリーダーが不在でも組織として一丸となり、素早くビジネスを転換していくには、キーとなるメンバーのリーダーシップ開発を早急に行う必要があります。そのキータレントのリーダーシップ開発を早急に行う鍵になるのが、システム思考とビジネスプロセスを利用することだと考えます。現職および前職の実例を通じて、成長を持続させることのできる組織の作り方についてディスカッションを深めたいと思います。
2017年8月4日