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SDM特別講義 2016年度 春学期

第1回
2016年4月9日
(入学合宿)

モデレータ教員:
神武
慶應義塾福澤研究センター教授
西澤 直子 氏
【演題】福澤諭吉と新しい時代
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1983年慶應義塾大学文学部卒業。1986年慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程を修了。2010年より福澤研究センター教授。福澤研究センター副所長。
研究テーマは主に福澤諭吉の女性論、家族論。著書に『福澤諭吉とフリーラヴ』(慶應義塾大学出版会、2014年)、『福澤諭吉と女性』(慶應義塾大学出版会、2011年)、共著に『近代日本と経済学 慶應義塾の経済学者たち』(慶應義塾大学出版会、2015年)、『講座明治維新9 明治維新と女性』(有志舎、2015年)、『近代日本と福澤諭吉』(慶應義塾大学出版会、2013年)。

講義概要

福澤諭吉が明治維新の激動のなかで何を考え、どのような新しい時代を築きたいと考えていたのか。そしてそのなかで慶應義塾はどのような役割を果たしたのか。中津との関係や蘭学を学んでいた適塾時代、海外体験、現代でも読まれる『学問のすゝめ』『文明論之概略』『福翁自伝』といった著作に現れる思想、女性論や人間交際論などを取り上げながら、考えていきたいと思います。


第2回
2016年4月15日

モデレータ教員:
都丸
NPO法人社会保障経済研究所 代表
石川 和男 氏
【演題】少子高齢社会でエネルギー自由化政策 どう機能するか? ~ “電力システム改革”で覚悟しておくべきこと 〜
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1984〜1989年 東京大学工学部
1989〜2007年 通商産業省・経済産業省
2008〜2009年 内閣官房
(この間、内閣府規制改革委員会WG委員、内閣府行政刷新会議WG委員、政 策研究大学院大学客員教授、専修大学客員教授、東京女子医大特任教授、東 京財団上席研究員など歴任)
2011年〜 NPO法人社会保障経済研究所代表

講義概要

(1)今の日本における最大の課題 〜 今後当面 「少子高齢社会」をどう凌いでいくか?

  1. 親世代を支えるのは誰か?子孫世代の役割か?
  2. 親世代の『長生きリスク』にどう向き合っていくか?
  3. 高齢化の進展で財政支出増を容認し続けるか?
  4. 「社会保障財源・消費税」以外の生活コストは極力抑えるべきではないのか?

(2)消費税や公共料金など「日銭」の負担増をいかに抑制するか?

  1. 電気・ガス料金政策面での最近の動向は消費者負担増を軽視。
  2. 電気・ガス自由化法は大きな反対意見なく成立という怪・・・。
  3. 電力小売全面自由化のメリットは一瞬だけ・・・。
  4. 再エネFITによる“太陽光バブル”は、まじめな再エネ事業者や消費者には痛手。今国会でFIT改革法案の審議。
  5. “2020年の発送電分離・料金規制撤廃”への覚悟と対策を!

第3回
2016年5月6日
【農林中金寄附講座】

モデレータ教員:
当麻
キャスター / 慶應義塾大学大学院システムデザインマネジメント研究科特任教授 / 北海道大学大学院農学研究院客員教授
林 美香子 氏
【演題】農都共生(農村と都市の共生)による地域づくり
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

札幌生まれ。北海道大学農学部卒業後、札幌テレビ放送株式会社にアナウンサーとして入社。退社後、フリーに。現在は、エフエム北海道「ミカコマガジン」出演の他、執筆活動も。「食」「農業」「環境」「地域づくり」などのフォーラムにパネリスト・コーディネーターとしても参加。「農村と都市の共生による地域再生」の研究で北海道大学大学院にて、博士(工学)・Ph.Dを取得。2008年4月から慶應義塾大学大学院SDM研究科特任教授。北洋銀行社外取締役。著書に「農村へ出かけよう」(寿郎社)など多数。札幌在住。

講義概要

農村と都市の地域政策を個別に考えることが多かった日本だが、地域再生のためには、農村と都市をトータルに捉える「農都共生=農村と都市の共生」が大切と考えている。都会の人が、農家民宿・農家レストラン・農業体験などで、農業・農村の持つ癒しなどの多面的機能を楽しみ、農家が都会で直売所を運営するなどの活動を通して、交流や連携を重ね、農村と都市の相互理解を深めていくことが、農都共生の推進に繋がり、農村と都市双方の地域づくりに力を発揮する。
疲弊する地方に経済が循環する仕組みのひとつとして、グリーンツーリズム(農村地帯で過ごす休暇)など農都共生の活動をすすめたい。「経済の循環」と同時に、「情報の循環」、「人材の循環」が起こり、農村・都市の双方に活力をもたらし、地方創生や地域の持続可能性に大きな力となる筈だ。


第4回
2016年5月13日

モデレータ教員:
株式会社かます東京 代表取締役社長
小林 照弘氏 
【演題】『夢の受継ぎ方・伝え方』
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1978年愛知県出身東京育ち。大手出版社にて勤務し雑誌創刊や編集業務を経験した後プランニング代理店を開設。メジャーレーベルを含むエンターテイメント産業を大手流通とジョイントさせるなど異業種間を結ぶプランニングを得意とする。近年は、絵本作家としてNHK「みんなのうた」の『つもりやもり』を生み出し、全国の保育園に着ぐるみを連れて訪問している。主な関連事業は、雑誌LEON、a-nation×セブンアンドアイグループ、名古屋コレクション、Vivi night@名古屋、栄ランウェイなど。

講義概要

やりたいことを求められることに変えること、 巻き込み力のつくり方について話します。主な話題は、1)異業種の垣根はプランで飛び越える、2)“出会い”を現場で活かす方法、3)慶應義塾大学SDM・Keio ALPHAとの出会い〜ハイパーループにかける夢〜


第5回
2016年5月20日

モデレータ教員:
前野
書籍編集者/NHK出版 放送・学芸図書編集部編集長
松島 倫明氏
【演題】DIGITAL LOVE & PEACE〜テクノロジーと身体性を再接続せよ!
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

東京都出身、鎌倉在住。村上龍氏のメールマガジンJMMやその単行本化などを手がけたのち、現在は翻訳書の版権取得・編集・プロモーションなどを幅広く行う。手がけたタイトルに、デジタル社会のパラダイムシフトを捉えたベストセラー『FREE』『SHARE』『MAKERS』のほか、2015年ビジネス書大賞受賞の『ZERO to ONE』や近刊『限界費用ゼロ社会』がある一方、世界的ベストセラー『BORN TO RUN 走るために生まれた』の邦訳版を手がけてミニマリスト系ランナーとなり、今は地元の山をサンダルで走っている。『脳を鍛えるには運動しかない!』『EAT & RUN』『GO WILD 野生の体を取り戻せ!』『マインドフル・ワーク』など身体性に根ざした一連のタイトルで、新しいライフスタイルの可能性を提示している。最新刊はレイ・カーツワイル『シンギュラリティは近い[エッセンス版]』

講義概要

今、世界が注目するシンギュラリティ(技術的特異点)。つまり人工知能(AI)が人間の知能を上回り、2045年には、人類はついに生物としての脳や体を超越するとされている。テクノロジーは僕らから身体性を奪ってしまうのだろうか?

現在、デジタル化があらゆるモノを「フリー」にし、「シェア」可能とする〈シェアリングエコノミー〉が生まれつつある。情報のインターネットに続いて分散化した再生可能エネルギーと〈モノのインターネット〉が普及し、「限界費用ゼロ社会」が実現しようとしているのだ。そこでは、金融資本ではなく社会関係資本が人々を媒介する。つまり「つながり」や「共感」が駆動する協働型社会だ。

そこでは再び、人間の身体性が鍵となる。たとえばトレイルランニングは、商業化に絡め取られたランニングからの自然回帰、身体性を奪還するためのカウンターカルチャーだ。最新の科学がこれを後押しする。脳科学の進展は、走ることは身体だけでなくまず脳細胞を作るのだと教えてくれた。ヒトゲノム解析と進化人類学は、人類がそもそも走ることで進化したことを明らかにした。マイクロバイオームの発見は、脳と腸、つまり心と身体を再びつなげようとしてる。マインドフルネス瞑想は、身体を使って心に再接続するメソッドだし、その場合、自然の中を走ることは、マインドフルであることと同義なのだ。

何より大切なのは、身体がデジタル社会のインターフェースとなっていることだ。走ることも、瞑想することも、そして単純に自然の中に身をおくことだけでも、ストレスを減らし、創造性を高めるだけでなく、「思いやり」と「共感」の心を養うことを、最新科学は声高に語っている。だから「GO WILD」という21世紀の自然回帰のムーブメントは、そうした社会関係資本を媒介とする協働型社会を生きるための基本的態度だし、シリコンバレーがマインドフルネスに熱狂的なのも、こうしたマインドとテクノロジーの交差点に新たな社会の到来を見ているからだ。DIGITAL LOVE & PEACEはいま、僕たちの手の中にある。


第6回
2016年5月27日

モデレータ教員:
白坂
株式会社ABBALab 代表取締役 / さくらインターネット株式会社 フェロー
小笠原 治 氏
【演題】過去と未来から考える、イノベーションにスタートアップが必要とされる2つの原因
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

株式会社ABBALab株式会社nomad代表取締役、さくらインターネット フェロー、DMM.make エヴェンジェリスト、awabarオーナー、fabbitオーナー 1990年、京都市の建築設計事務所に入社。98年より、さくらインターネット株式会社の共同ファウンダーを経て、ネット系事業会社の代表を歴任。2011年、株式会社nomadを設立し「Open x Share x Join」をキーワードにシード投資とシェアスペースの運営などスタートアップ支援事業を軸に活動。13年、ハードウェア・スタートアップ向け投資プログラムを法人化し株式会社ABBALabとしてプロトタイピングに特化した投資事業を開始。同年、DMM.makeのプロデューサーとしてDMM.make 3Dプリントを立上げ、14年にはDMM.make AKIBAを設立。15年8月からエヴェンジェリスト。同年、さくらインターネットにフェローとして復帰。

講義概要

イノベーションが必要と日々何かしらのメディアで同じフレーズを目にする現代。イノベーションは必要か?そもそもイノベーションとは何なのだろうか?過去どんなイノベーションがあったのか?これからどんなイノベーションが起きようとしているのか?それらを一緒に考えるために「スタートアップ」というキーワードをテーマにシリコンバレーの発祥の歴史から現代日本の状況を共有したい。


第7回
2016年6月3日

モデレータ教員:
前野
株式会社チェンジウェーブ 代表
佐々木 裕子 氏
【演題】「変革の波」をつくるということ
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

東京大学法学部卒、日本銀行を経て、マッキンゼーアンドカンパニー入社。シカゴオフィス勤務の後、同社アソシエイトパートナー。 8年強の間、金融、小売、通信、公的機関など数多くの企業の経営変革プロジェクトに従事。 マッキンゼー退職後、企業の「変革」デザイナーとしての活動を開始。 2009年チェンジウェーブを創立し、変革実現のサポートや変革リーダー育成など、個人や組織、社会変革を担う

講義概要

人・組織・そして世の中に変革の波を起こす。それを「職業」として掲げる「変革屋」の仕事の本質とは何か。 ダイバーシティ推進。地方創生。経営変革。様々なフィールドで「変革」が必要とされている時代。複雑に絡み合う制約条件の中で、極めて短期間で目に見える「変化の波」を創造するとは、一体何をデザインすることなのか。 たとえば、着想後わずか4か月で実現した、塩尻市×ソフトバンク×リクルートが協働する地方創生協働リーダーシッププログラム。僅か2泊3日の合宿で画期的な施策が生まれ、翌年度予算編成に反映された背景にあったものとは、一体何だったか。 「変革屋」として活動している中で見えてきた、「変革」をデザインするときの本質について、具体的な事例などを共有しながらお話ししたいと思います。


第8回
2016年6月10日

モデレータ教員:
中野
国立環境研究所 地球環境研究センター 主席研究員
山形 与志樹氏
【演題】「パリ協定」達成に必要な温暖化対策
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1961年、神奈川県生まれ。東京大学教養学部広域科学科卒業(学術博士)。国立環境研究所において、主任研究員、総合研究官等を経て、現在、地球環境研究センター主席研究員として、地球温暖化リスク評価研究に取り組む。この間、東京大学・北海道大学・筑波大学・慶応大学等で非常勤講師、IPCC土地利用報告書主任執筆者、国際科学会議GCP科学推進委員、日本学術会議連携会員、文部科学省、経済産業省、環境省検討会委員、Climate Policy, Applied Energy誌編集委員等を務める。専門は、応用システム分析、リモートセンシング、都市・地域温暖化対策、国際レジーム分析など。今回の講義に関連して、Springer社から「Urban Resilience」を本年中に出版を予定。

講義概要

昨年2015年の12月に国際合意された「パリ協定」では、2100年までの世界の気温上昇を2℃未満にする目標が明記された。2℃目標を達成するためのシナリオのほとんどが、グローバルな正味の排出量を負にすることを前提としている。そこで本講義では、中長期的な温暖化対策技術として注目を集めつつあるネガティブ・エミッション技術についての解説する。IPCC第5次評価報告書では大規模に主にバイオマスエネルギーとCCS(炭素吸収隔離技術)を組み合わせて導入することでグローバルなネガティブ・エミッションを達成するシナリオが描かれている。このシナリオでは、現状の土地利用を変化させてバイオエネルギー作物を広域に栽培する必要があるが、現在地球上に存在する約15億ヘクタールの農地を2100年には約21億ヘクタールまで増やし、その増分をバイオエネルギー作物に利用することが想定されている。そこで、このようなネガティブエミッション技術の実施が水・生態系等に与える評価するために、持続可能性指標を用いてリスク間のトレードオフを分析する最新の研究について紹介する。


第9回
2016年6月17日

モデレータ教員:
当麻
株式会社リガク 取締役専務執行役員米州担当 Rigaku Americas Holding, Inc. President & COO
横溝 陽一 氏
【演題】日本企業のグローバル化最前線からみた「日本のグローバル化のための要諦」
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1979年慶應大学工学部機械工学科修士課程修了、同年三菱商事(株)入社、1984年米国MIT Sloan School of Management MBA修了、米国ベンチャーキャピタルEG&G出向を経て、1988年より三菱商事(株)情報産業グループで事業投資、CALS対応統合情報システムを米国ロッキードマーチン子会社Formtek社と組み日本で展開、日本プロジェクトマネジメントフォーラムをエンジニアリング振興協会の下で立上げ、その後Supply Chain Managementの最大手i2 Technologiesソフウェアを三菱商事のクラウドビジネスで立ち上げ、その後2001年から2002年まで社長直下の経営企画部IT戦略担当を経て、2002年にi2 Technologies日本子会社社長、2007年からローソン常務執行役員CIO、2010年慶應大学理工学部特任教授、2012年よりリガク入社

講義概要

これからの日本にとりグローバル化は大きなテーマであるが、講演者の経験からみて、日本ほどグローバル化が稚拙な国もない。還暦を迎えた2015年より、X線分析機器メーカー(株)リガクのグローバル展開のために、米国テキサス州ザ・ウッドランズで米国子会社社長として、日本の外から考える「日本のグローバル化にための要諦」について語る。


第10回
2016年6月24日

モデレータ教員:
谷口(智)
ジャーナリスト
治部 れんげ 氏
【演題】「本当の女性活躍推進と男性の役割」
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1997年一橋大学法学部卒、同年日経BP社入社。16年間、経済誌記者を務める。その間、2006~2007年ミシガン大学フルブライト客員研究員。専門職・管理職として働くアメリカの母親とその配偶者の家事育児分担について文献とインタビュー調査を行う。2013年より昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。2014年より豊島逸夫事務所副代表。2015年女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(WAW! 日本政府主催)国内アドバイザー、同年10月より再就職を目指す女性向けのオンライン教育を手掛ける、iShine Holdings株式会社設立に参画。著書『稼ぐ妻 育てる夫~夫婦の戦略的役割分担』(2009年、勁草書房)。「日経DUAL」「Yahoo!ニュース個人」「東洋経済オンライン」等に女性労働、子ども支援政策や男性の家庭参加に関する連載を執筆。小学生と幼稚園児の母。

講義概要

今年4月から施行の女性活躍推進法を受け、企業など雇用主は女性管理職を増やそうとまざまな取り組みを始めています。一方で「会社で管理職になることだけが活躍なのか?」と複雑な思いを抱く人は、男女ともに少なくありません。

本日の講義では「女性活躍」の意味をあらためて考えると共に「男性の役割」を問い直します。このテーマを考える上で必要な、国際社会から見た日本の現状と、先進国が共通して持つ課題を把握することで、ありがちな日本批判とはひと味違う視点、事例、データをご紹介します。

一方通行のレクチャーではなく、参加者のみなさまの職務経験、経営経験に基づくご発言の機会を多く設けたいと思います。女性活躍は建前やポリティカル・コレクトネスの問題ではありません。参加者ひとりひとりがその意味を考え、実践するきっかけになれば嬉しく思います。


第11回
2016年7月1日

モデレータ教員:
白坂
CEO, ASTROSCALE PTE. LTD.
岡田 光信 氏
【演題】"How Business is Taking the Innovation in Space to the Next Level"
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1973年生まれ。兵庫県出身。シンガポール在住。東京大学農学部卒業 。Purdue University MBA修了。宇宙ゴミ(スペース・デブリ)を除去することを目的とした宇宙ベンチャー、ASTROSCALE PTE. LTD. のCEO。大蔵省(現財務省)主計局に勤めたのち、マッキンゼー・アンド・カンパニーにて経営コンサルティングに従事。自身で経営を行いたいとの思いが募り、IT会社ターボリナックス社を皮切りに、SUGAO PTE. LTD. CEO等、IT業界で10年間、日本、中国、インド、シンガポール等に拠点を持ちグローバル経営者として活躍する。幼少より宇宙好きで高校1年生時にNASAで宇宙飛行士訓練の体験をして以来、宇宙産業への思いが強く、現在は宇宙産業でシンガポールを拠点として世界を飛び回っている。

講義概要

Space activities are approaching a new paradigm where participation from the private sector is increasing. Mr. Nobu Okada, the CEO of ASTROSCALE, will be explaining the possibilities for expanding space startups in Asia from the Japanese science and technology perspective.

In addition, he will be also explaining more on the space debris issue, which has become a growing threat for the future space development. As the need for government, commercial and legal communities involvement to develop a realistic long-term space management policy is critical, as a Singapore based company. Mr. Nobu will share on how ASTROSCALE is coping with this issue.


第12回
2016年7月8日

モデレータ教員:
高野
公益財団法人大原記念労働科学研究所 常務理事、所長
酒井 一博氏
【演題】バスの大事故がとまらない
―事業用自動車の安全確保に有効な運行管理・健康管理と技術支援―
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1973年3月 早稲田大学大学院理工学研究科博士課程2年修了、1973年4月 労働科学研究所入所研究員、1985年10月 主任研究員、1994年4月 研究部長、1997年4月副所長、2007年9月常務理事、所長 現在に至る

講義概要

バスの大事故が連発している。関越自動車道における明け方の居眠り事故は社会へ大きな衝撃を与えた。とりわけ交通安全に携わるバスの運行事業者、業界団体、旅行業者、行政、そして消費者団体や労働組合、大学教員や研究者たちにとってもバス(事業用自動車)の安全運行のあり方を根底から揺さぶられた。安全対策を多角的に、そして根本的な議論を行いながら、安全政策の総動員によって、このレベルの事故の再発防止を誓い合った。ところがその議論の舌の根もかわかないうちに本年1月15日に軽井沢で、深夜1時55分、スキーバスが高速状態で道路から墜落、関越自動車道の事故をはるかに上回る規模の事故が発生した。なぜだ。関越の事故後に英知を結集したはずの総合対策は何だったのか。生身の人間が大勢の客を乗せながら、深夜に、大型バスを安全に運転するにはどうすればよいのか。そもそもそんなことは可能なのか。関越と軽井沢の2つの大事故を取り上げながら、安全を見守る仕組み、運行管理と健康管理の現状と課題、安全支援技術の可能性などについて話し合ってみたい。


第13回
2016年7月11日

モデレータ教員:
当麻
独立行政法人日本学術振興会 理事長
安西 祐一郎 氏
【演題】「システム工学の研究者がいかにして認知科学者になったか」
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1974年慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程修了。カーネギーメロン大学コンピュータサイエンス学科兼心理学科博士研究員、同人文社会学部心理学科客員助教授、北海道大学文学部行動科学科助教授、慶應義塾大学理工学部電気工学科教授を経て、93~2001年同大学理工学部長、01~09年慶應義塾長。2011年独立行政法人日本学術振興会理事長に就任、現在に至る。文部科学省科学技術・学術審議会委員、全国大学体育連合会長等を務める。日本私立大学連盟会長、環太平洋大学協会会長、情報処理学会会長、日本認知科学会会長、内閣府知的財産戦略本部員、同IT戦略本部員、同教育再生懇談会座長、中央教育審議会会長、高大接続システム改革会議座長等を歴任。著書『心と脳』(岩波新書)、『「デジタル脳」が日本を救う』(講談社)、『教育が日本をひらく』(慶應義塾大学出版会)、『認識と学習』(岩波書店)、『問題解決の心理学』(中公新書)、共編著『講座 コミュニケーションの認知科学』全5巻(岩波書店)ほか多数。専攻は認知科学・情報科学。1970年代当初からシステム理論を学び、70年代半ばに人間の思考と学習に関する研究を開始、現在に至る。その一方で、自然言語対話を含むヒューマン・マシンインタラクション、人間とロボットのインタラクション、センサ・ネットワーク等の研究を行ってきた。

講義概要

演者は、大学院修士・博士課程でシステム工学を学んで博士号を取得し、さらに約10年にわたりシステム工学を教えた。その一方で、並行して心理学と神経科学を学び、その後システム工学自体からは離れて認知科学への道を歩むようになった。さらには、年月を経てシステムデザイン・マネジメント研究科の創設にも関与することになった。認知科学とは、「心のはたらきに関わる現象を、伝統的な学問分野や文系理系医系の区分にとらわれず、「情報」の概念をもとにして理解しようとする知的営み」(『心と脳』岩波新書より)である。システムデザイン・マネジメント研究科が対象とするシステムのデザインとマネジメントは人間の心のはたらきをもとにした活動にほかならず、しかも心は(コンピュータやロボットのような機械とは異なる)システムにほかならない。本講義では、演者が大学院修士課程当時から今日まで歩んできたシステム工学と認知科学の探究への道を紹介することを通して、人間活動としてのシステムのデザインとマネジメントの基本的な考え方について述べることにしたい。


第14回
2016年7月15日

モデレータ教員:
当麻
神庭PM研究所 所長
神庭 弘年氏
【演題】ビジョンを実現する力 -プロジェクトマネジメント-
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

神庭PM研究所所長、フリーランスのPM育成コンサルタント。
1973年 日本IBM入社、SIプロジェクトのPMを歴任。多業種の開発担当、特に製造業(Auto)での経験を積む
2002年 Asia Pasific PM Profession Leader就任、2003年 日本IBM 理事就任、2005年 日本IBM PM Profession Executive就任
2008年~2013年 PMI日本支部・会長就任、2009年 PM学会・功労賞受賞
2011年 日本IBM退職、神庭PM研究所設立
2016年 PMI Northeast Asia Region Mentor (日本、韓国、台湾、香港、モンゴル各支部のメンター)就任、PMI日本支部・監事就任
その他:PMP、慶應大学SDM, 筑波大学大学院、広島市立大学、広島修道大学など、非常勤講師情報処理推進機構・ソフトウェア工学研究推進委員。

講義概要

企業活動は市場動向に敏感でなければ競争優位を失うため、常に革新的な製品やサービスを指向している。施策として実施する事が決定されると、殆どがプロジェクトあるいはプログラムの形態で遂行される。プロジェクトは市場とともに変化するゴールを常に追求し続けている。ビジョンを実現する事がプロジェクトの使命であるため、最近のプロジェクト事情を俯瞰し、どのような対応がとられ、どのように進化しているのかを説明する。細部の技術論よりもプロジェクトマネジメント視点とでも言うべき、状況の俯瞰と踏み込むマインドの獲得についても述べたい。


第15回
2016年7月27日
公開講座

モデレータ教員:
白坂
早稲田大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)准教授
入山 章栄氏
【演題】世界の経営学からみた、日本企業イノベーション促進への視座
■会場:藤原洋記念ホール
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関へのコンサルティング業務に従事した後、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。2013年から現職。Strategic Management Journal, Journal of International Business Studiesなど国際的な主要経営学術誌に論文を発表している。2012年に刊行した「世界の経営学者はいま何を考えているか」(英治出版)、2015年に刊行した「ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学」(日経BP)はともにベストセラーとなっている。現在は『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』誌に「世界標準の経営理論」を長期連載するなど、メディアでも積極的に活動している。

講義概要

日本企業にイノベーションが足りないと言われて久しい。一方で、世界標準となっている経営学では、企業・組織のイノベーション創出に対して様々な知見が得られている。本講演では、世界の経営学におけるイノベーション創出の理論を解説しながら、日本企業への示唆を探る。