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SDM特別講義 2013年度 秋学期

講義日程講師・演題
第1回
2013年9月27日

モデレータ教員:
西村
文部科学省 中央教育審議会大学分科会大学院部会 委員
文部科学省 科学技術・学術審議会 委員
日本経済団体連合会 産学官連携推進部会 部会長
株式会社 旭リサーチセンター 相談役
遼寧中旭智業有限公司 董事長
永里 善彦 氏
【演題】20~30年後のグローバル社会へ向けて私たちのできること 
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1965年 3月慶応義塾大学経済学部卒業。1999年 3月京都大学大学院エネルギー科学研究科後期博士課程修了(エネルギー科学博士)。1965年4月旭化成工業(現・旭化成)入社。入社後は、情報システム部門、エンジニアリング部門、イオン交換膜事業部門、電子事業(半導体)部門に勤務し、1987年11月旭リサーチセンターに出向。2003年1月旭リサーチセンターと中国遼寧省政府のシンクタンクである発展研究センターとの合弁「遼寧中旭智業有限公司」董事長(現職)。同年6月旭リサーチセンター代表取締役社長2005年7月平安女学院大学客員教授(現職)。2006年11月京都大学同窓会 評議員(現職)。2011年1月日本経済団体連合会 産業技術委員会 産学官連携推進部会・部会長(現職)。2011年1月文部科学省 科学技術・学術審議会産業連携・地域支援部会 産学官連携推進委員会委員(現職)。2012年4月旭リサーチセンター相談役(現職)。2013年2月内閣官房 行政改革推進本部独立行政法人改革に関する有識者懇談会委員(現職)。2013年3月文部科学省 科学技術・学術審議会 臨時委員 産業連携・地域支援部会 委員(現職)。2013年4月文部科学省 中央教育審議会大学分科会大学院部会 委員(現職)。2013年4月京都大学大学院エネルギー科学研究科 外部評価委員(現職)。

講義概要

20~30年後の世界はどのような世界で、何が求められているのか?経団連の産学官連携の考え方と、産業界の求める大学院生の像と大学改革の必要性、地域における産業界と大学との連携の重要性、イノベーションを起こすような開発はどのようにして生まれるか、世界を相手にしてのモノの考え方、情報収集、そして言語と文化について考察し、これから、私たち日本人は何をしていくべきなのかを講義する。
第2回
2013年10月4日

モデレータ教員:
当麻
慶應義塾大学政策・メディア研究科 教授
金子 郁容 氏
【演題】気候変動と地域の健康・医療・エネルギー
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

慶應義塾大学工学部卒 スタンフォード大学にてPh.D.を取得
ウィスコンシン大学准教授、一橋大学教授などを経て94年より現職。99年から2002年まで、慶應義塾幼稚舎長兼任。専門は情報組織論・ネットワーク論・コミュニティ論。 『ボランティア もうひとつの情報社会』『ボランタリー経済の誕生』『新版 コミュニィ・ソリューション』(共著)ほか著書多数。近著に『日本で「一番いい」学校 -地域連携のイノベーション-』

講義概要

長期的な気候変動によって人々の生活は大きく変わる可能性がある。近年では、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を削減して地球温暖化の進行を留める「緩和策」だけでは限界があるという認識から、気候の変動に伴う気温上昇・降雨量の変動などに対して市民生活や社会・経済の仕組みを変えることで影響を軽減しようという「適応策」が重要であるとされている。慶應大学では、SFC、理工学部、医学部など5つの学部と4つの研究科の研究者が集まって「グリーン社会ICTライフインフラ」を開発し、家庭のエネルギー消費を最適化するとともに、健康・医療や農業などの気候変動に対する地域の脆弱性に対応する具体的な方策を構想するプロジェクトが進んでいる。本講演では、そのうち、主に住民の健康・医療について、また、コミュニティのソーシャルキャピタルについてお話しする。
第3回
2013年10月11日

モデレータ教員:
西村
横河電機株式会社 イノベーション本部 産学官連携・標準化戦略室 室長
高木 真人 氏
【演題】産学官の連携から融合へ ~社会システム構築と国際標準化~ 
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1984年横河北辰電機(株)(現横河電機)入社.研究開発部にて高速LSIの研究開発に従事.2000年-2002年マサチューセッツ工科大学 客員研究員、2002年-技術開発本部ITS(高度道路交通システム)研究室 室長、2004年-2007年経済産業省 産業技術環境局(国家公務員任官)、日本工業標準調査会(審議会) 専門委員、国立大学法人 東京農工大学 客員教授を経て現職。
現在、一般社団法人 日本経済団体連合会 産学官連携推進部会 委員、同 国際標準化戦略部会 委員、公益社団法人 計測自動制御学会 常務理事、一般財団法人 日本規格協会IEC活動推進会議 監事、国立大学法人 東京農工大学、トヨタ学園 豊田工業大学 非常勤講師等。 著書:『新規事業創出戦略』生産性出版 (部分執筆), 2000年。『研究開発技術者の能力開発&組織マネジメント 実務マニュアル』アーバンプロデュース(部分執筆),1997年。
主な受賞歴:一般社団法人 科学技術と経済の会 創立35周年記念特別表彰「調査研究・経営研究に関する貢献に対する表彰」2001年。

講義概要

産学官連携はイノベーションの源泉として、その重要性が議論されて久しい。この講義では、典型的な社会システムビジネスであるITS(高度道路交通システム)と国際標準化について、講師がそれぞれ産学官の3つの立場で関与した経験を基に、イノベーション事業創出と産学官連携のあるべき姿を探る。事業戦略としてもたらすべきイノベーションを論じるとともに、学術会議により提唱された「新モデル研究」の考え方に、標準化戦略を包含させたイノベーション・モデルにより、事業創出への応用を試みる。あわせて、国際標準化の重要性を再確認する。
第4回
2013年10月18日

モデレータ教員:
日比谷
一般社団法人 半導体産業研究所  代表理事所長
福間 雅夫 氏
【演題】スマート社会と半導体産業
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1972年慶應義塾大学工学部計測工学科卒、1974年慶應義塾大学工学研究科計測工学修士修了。同年日本電気株式会社に入社。同中央研究所にて、微細MOS、TCAD、CMOS論理LSIなどの研究に従事したあと、シリコンシステム研究所長を経て支配人。2005年にNECエレクトロニクス株式会社に異動、基盤技術開発本部長を経て、2006年より執行役員。2010年より半導体産業研究所代表理事所長、現在に至る。 VLSIシンポジウム委員長、同論文委員長、IEEE Trans. Electron Devices 編集長、IEEE ED AdCom委員、IMEC科学アドバイザー、東京大学VDEC客員教授、STARC/SELETE取締などを歴任。工学博士

講義概要

近年、半導体産業は大いなる発展を遂げたが、同時にIT産業をはじめとする多くの他産業の発展にも影響を与えてきた。一方、半導体がこれだけ広くかつ深く我々の社会に浸透してくると、これまでとは違った役割・価値を持つようになってきたと捉える必要がある。本講演では過去の半導体産業の発展を振り返った上で、これからのスマート社会時代に向けて、半導体産業が新たに発展するための方向性について議論する。
第5回 公開講座
2013年10月23日
公開講座
モデレータ教員:
前野
株式会社umari代表
古田 秘馬 氏
【演題】新しい世界のコンセプトを創造する!~インフォメーションテクノロジーからインスピレーションテクノロジーの時代へ 
■会場:日吉キャンパス独立館地下2階DB203
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

プロジェクト・デザイナー
東京都生まれ。慶應義塾大学中退。山梨県・八ヶ岳南麓「日本一の朝プロジェクト」、東京・丸の内「丸の内朝大学」などの数多くの地域プロデュース・企業ブランディングなどを手がける。2009年、農業実験レストラン「六本木農園」を開店。2013年6月、日本の食文化を次世代に継承する"三世代で学べる"レストラン「むかしみらいごはん」を開店。日本中の美味しいものを探して1年の半分は旅をしている。株式会社umari代表。

講義概要

新しい時代の価値観が生まれるとき、それはいつも社会の外側からやってきます。幕末の時代に黒船がきたように、震災以降、予測不可能な世の中だからこそ、既存の枠組みではなく、新しい時代の価値観で世の中を見ていかなければいけません。丸の内朝大学や、六本木農園などの新しい仕組みづくりをつくるプロジェクトデザイナーの古田秘馬が今、注目される面白いプロジェクトデザインを紹介いたします。
第6回
2013年10月25日

モデレータ教員:
当麻
Vice Provost for Entrepreneurship, Center for Entrepreneurship;
Rudolf and Hilda Kingslake Professor of Optical Engineering, The Institute
of Optics, University of Rochester
Professor Duncan T. Moore
【演題】 Entrepreneurship for Scientists and Engineers 
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

Duncan Moore was appointed Vice Provost for Entrepreneurship at the University in 2007. In this role, he oversees the Center for Entrepreneurship and managed the Kauffman Campus Initiative ($10.6M over 5 years). Dr. Moore is also the Rudolf and Hilda Kingslake Professor of Optical Engineering, Professor of Biomedical Engineering, and Professor of Business Administration at the University of Rochester. From 2002 until 2004, he served as the President and Chief Executive Officer of the Infotonics Technology Center. From 1995 to 1997, Dr. Moore was Dean of Engineering and Applied Sciences at the University. From 1997 until 2000 he served as Associate Director for Technology, White House Office of Science and Technology Policy, ExecutiveOffice of the President.
Dr. Moore holds a Master and Ph.D. Degree in Optics from the University of Rochester, and a Bachelor Degree in Physics from the University of Maine. Dr. Moore was elected to the National Academy of Engineering in February 1998, and in 2006 Dr. Moore received the Gold Medal of The International Society for Optical Engineering (SPIE). Dr.Moore was the recipient of the 2009 Edwin H. Land Medal presented by the Society for Imaging Science and Technology and the Optical Society of America. He is a fellow of the Optical Society of America, IEEE, SPIE and AAAS.

講義概要

At the University of Rochester, we understand entrepreneurship to mean the transformation of an idea into an enterprise that creates value--economic, social, cultural, or intellectual. More than a discrete set of business skills or practices, entrepreneurship is a calling that can be pursued in many realms of experience and achievement. Entrepreneurship is a way of thinking, an approach to problems, an attribute of mind, and even a trait of character. It is a science and an art; entrepreneurship is a primary way in which a free society grows and improves not only its economy, but its cultural and social life as well. Professor Moore will discuss the role entrepreneurship plays in engineering education and a new degree program entitled Technical Entrepreneurship in Management.
第7回
2013年11月1日

モデレータ教員:
高野
(株)地球快適化インスティテュート 取締役副所長
 田中 栄司 氏
【演題】地球快適化インスティテュートが目指すもの
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

昭和47年 3月  東京大学 工学部 工業化学科 卒業 
昭和49年 3月  東京大学大学院 工学系研究科 合成化学専攻修士課程 修了
昭和49年 4月  三菱化成株式会社(現三菱化学株式会社)入社
平成10年10月  三菱化学株式会社 横浜総合研究所 理化研究所長
平成11年 6月  三菱化学株式会社  横浜総合研究所 理化研究所長 兼横浜総合研究所 生物化学センター長
平成12年 4月  北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科 客員教授(2年間)
平成13年 5月  三菱化学株式会社  機能化学品カンパニー 機能化学品研究センター センター長
平成14年 6月  三菱化学株式会社  科学技術研究センター 理事 センター長
平成15年 7月  株式会社三菱化学科学技術研究センター 取締役副社長 兼 R&TD事業部門 事業部門長 兼 横浜エリア エリア長
平成16年 4月  三菱化学株式会社 執行役員 科学技術戦略室室長 
平成18年 3月  日本学術会議連携会員(2.5年)
平成18年 5月  高分子学会副会長(2年間)
平成19年 4月  高分子同友会副代表幹事(2年間)
平成19年 4月  三菱化学株式会社/三菱ケミカルホールディングス株式会社   執行役員研究開発・知財担当 
平成21年 4月  株式会社地球快適化インスティテュート取締役副所長

講義概要

(株)地球快適化インスティテュート(TKI)は2009年4月に、日本最大の化学会社グループである三菱ケミカルホールディングス(MCHC)の子会社のシンクタンク兼先端研究所として発足した会社です。 TKIは発足以来、20年から50年先の未来の動向を調べて、未来の課題を見出し、その課題を解決するビジネスを提案し、技術を育てるという活動をしています。 そしてその活動の目指すところは、'KAITEKI'な社会の実現です。KAITEKIとは元々、日本語の快適が語源ですが、持続可能で、健康的で快適な状態を表す造語として世界に広めようと考えています 今回の講義では、'KAITEKI'とは何か、TKIの設立の背景、KAITEKIな社会の実現を目指したTKIの活動について説明致します。ご参加の皆様には、是非、このKAITEKIと言う言葉を覚えてお帰り頂ければ大変ありがたく思います。
第8回 公開講座
2013年11月8日
公開講座
モデレータ教員:
前野
greenz.jp編集長
兼松 佳宏 氏
【演題】 空海とソーシャルデザイン 
■会場:日吉キャンパス独立館DB203
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1979年秋田生まれ。greenz.jp編集長/NPO法人グリーンズ理事。新卒のウェブデザイナーとして制作プロダクションに所属しながら、NPOのウェブサイト構築にプロボノで関わる。CSRコンサルティング企業に転職後、2006年フリーランスのクリエイティブディレクターとして独立。ウェブマガジン「greenz.jp」の立ち上げに関わる。2010年12月より編集長。著書に『ソーシャルデザイン社会をつくるグッドアイデア集』(グリーンズ編)、『日本をソーシャルデザインする』(同)など。2013年鹿児島に移住、一児の父。

講義概要

文明をアップデートするための重要なキーワードである「ソーシャルデザイン」。その本質は決して新しいものではなく、日本人が本来兼ね備えている古きよき世界観と共通するところが多い。今回の講義では「ソーシャルデザイン」を成功に導くためのあり方を、日本人の思想に根深い影響を与えた弘法大師・空海の言葉から紐解いていく。
第9回
2013年11月15日

モデレータ教員:
前野
元株式会社日立製作所 事業部長
大島 啓二 氏
【演題】『社会インフラシステムとソフトウェア』 
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1973年、日立製作所入社。以降、大みか工場(現在のインフラシステム社)、本社情報システム事業部、(株)日立情報制御ソリューションズにおいて、以下の業務を担当してきた。

(1)大規模システム開発
  - 社会インフラのコンピュータ制御システム
  - エンタープライズ系情報システム
  - 組込み製品・大規模システムの組込みソフト
(2)ソフトウェアエンジニアリングツールの開発と適用
(3)日立グループ全社の情報システムとりまとめ

 これらの活動を通し、さまざまなシステム開発に関わる技術やプロジェクト管理技術を体得すると共に、コンピュータを活用したシステムが社会にもたらす意味や価値について考察してきた。  最近では、これからの日本にとって非常に大切な「ソフトウェア人材の育成」というテーマに取り組んでいる。

講義概要

安全でおいしい水が飲める、安定した電力が利用できる、便利な交通手段が使えるなど、社会インフラは人々の暮らしにとってなくてはならないものである。
 時代とともにユーザの価値観が多様化し、インターネットを含めて技術が著しく進展する中、生活の基盤となる社会インフラを安定的に維持し、成長させていくことはきわめて重要な課題と言ってよい。その中でもソフトウェアの果たすべき役割は大きい。  この講演では、社会インフラシステムの代表とも言える「大規模な鉄道輸送管理システム」を例にとり、開発における様々な課題と解決策について述べる。併せて、ソフトウェア開発の難しさとおもしろさにも言及する。
 なお、社会インフラシステムは、日本が世界に提案しつつある「スマートコミュニティ」の基本となるべきものでもある。  時間が許せば、皆さんとともに、「すりあわせ」、「チームワーク」といった日本の技術の優位性や、「日本ならではの価値の再認識」といったテーマについても議論したい。
第10回
2013年11月22日

モデレータ教員:
西村
株式会社東芝 電力システム社 京浜事業所 副所長 兼 シニア経営変革エキスパート
奈良部 厚 氏
【演題】非公開
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1984年慶應義塾大学大学院工学研究科機械工学専攻修士課程終了。株式会社東芝に入社後、京浜事業所でガスタービンや蒸気タービンの制御機器の開発や設計業務に従事し、特に国内の新設原子力タービン制御機器や改良保全設計業務に長年関与した。その後、タービンの生産管理、製造技術業務およびフィールドサービス部門責任者を経て現職に至る。

講義概要

非公開
第11回 公開講座
2013年11月29日
公開講座
モデレータ教員:
前野
国際NGO世界連邦運動協議会 常務理事
木戸 寛孝 氏
【演題】「新たな時代の新たな物語」
エコロジー(宇宙船地球号、ガイア)を超えて...。
コスモロジー社会とはいかなる世界なのか...。  
■会場:日吉キャンパス独立館地下2階DB203
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1969年9月22日生まれ。慶應大学法学部政治学科卒業。1992年に(株)電通に入社。4年半勤めた後、退社して、数年放浪した後に、千葉県香取郡で農業に従事。(1998〜2002)東京に戻り、国際NGO世界連邦運動協会の事務局次長に就任し、日本国政府が国際刑事裁判所に加盟するためのロビー活動を行う。また株式会社umariのコンセプターとして、地域活性やコミュニティ・デザインのプロジェクトに参画。丸の内朝大学では、日本の神話や幕末の歴史を紹介するクラスの講師を務める。長州藩のリーダー的存在で、維新の三傑のひとりとされる木戸孝允の直系6代目。

講義概要

震災と原発事故から復興を遂げていくにあたり、そこで壁として立ちはだかってくるのが現代社会の基盤となっている明治維新の際に取り入れられた「近代化」と称される様々な社会の仕組みや制度であり、その限界を乗り越えて新たな社会を生み出していくためには、どのような世界観や方向性が求められているのかを参加者の皆さんと一緒に考えてみたいと思います。 また、人間の基本的な思考の枠組みは、世界(宇宙)における人類のポジショニング(立ち位置)が大きく変わる時に、あらゆる領域において同時多発的に意識変革のインフレーションが起こる可能性があるのではないかとの仮説に基づき、17世紀初頭のイギリスで生じた近代化の背景にあった「天動説から地動説」を見ていくところからはじめ、現代において主流となったエコロジーという思想が1960年代後半に生まれた背景に「人類の月面着陸」という出来事があったことを見ていきます。そして、21世紀に生きる私たちが新たに遭遇するかもしれない「異次元」という世界との出会いが、これまでとは違ったどのような斬新な世界観や思想をもたらすのかを考えてみたいと思います。
第12回
2013年12月6日

モデレータ教員:
当麻
インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢 設立準備財団 理事
河野宏子 氏
【演題】「『教育』から変わる、日本のグローバル化」~ISAKと既存校教育関係者の挑戦~
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

早稲田大学第一文学部卒業。三菱商事宇宙航空機部に勤務後、アメリカの独立系資産運用会社キャピタルグループに転職。2003年より2011年まで同社でアナリストとしてアジア株を調査運用。計8年間の米国勤務を経て、2008年に日本へ帰国する。ビジネスパーソンとして、また高校生2児の母親としてISAKの理念に共鳴。2011年11月よりISAKにフルタイムで関わる。

講義概要

1)なぜ、日本でグローバル人材教育が必要なのか?
2)グローバル化にむけて動き出した教育
3)インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)が目指すもの

実業界で顕著になっているグローバル人材、リーダーシップ育成の必要性に対し、その不可逆的流れに対応しようとする教育界の変化についてマクロの視点から解説。そして2014年 9月開校予定のISAKが目指すもの、学校立ち上げにまつわる経験などを講義したいと思います。 "
第13回 公開講座
2013年12月13日

モデレータ教員:
前野
チームラボ代表
猪子 寿之 氏
【演題】テクノロジーとデザインとアートの境界線がなく、産業区分もなく、プロではなくユーザーが中心で、質量があるとダサく、言語化できないことがほとんどで、すべてのビジネスはアートとなる時代の話  
■会場:日吉キャンパス独立館地下2階DB203
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1977年、徳島市出身。2001年東京大学工学部計数工学科卒業と同時にチームラボ創業。チームラボは、プログラマ・エンジニア(プログラマ、UIエンジニア、DBエンジニア、ネットワークエンジニア、ロボットエンジニア、コンピュータビジョンエンジニア、ソフトウェアアーキテクト)、数学者、建築家、CGアニメーター、Webデザイナー、グラフィックデザイナー、絵師、編集者など、情報社会のさまざまなものづくりのスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。サイエンス・テクノロジー・アート・デザインの境界線を曖昧にしながら、WEBからインスタレーション、ビデオアート、ロボットなど、メディアを超えて活動中。
主な実績として、産経デジタルのニュース・ブログポータルサイト「iza」。「百年海図巻」と「teamLabHanger」が文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品(2011)に選出。国立台湾美術館にてチームラボ「We are the Future」展を開催。「メディアブロックチェア」が経済産業省の「Innovative technology」に採択(2012)。香港の国際アートフェア「アートバーゼル香港」にて、新作「世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う」を発表(2013)、大阪の「堂島リバービエンナーレ2013」にて、新作「憑依する滝」を発表(2013)など。タッチパネル式の次世代受付システム「FaceTouch」と成田国際空港に常設展示中の「世界はこんなにもやさしく、うつくしい」(紫舟+チームラボ)が デジタルサイネージアワード2013を受賞。
HP: http://www.team-lab.net/
facebook: http://www.facebook.com/TEAMLAB.inc
twitter: @teamlab_news

講義概要

21世紀です。21世紀は20世紀の延長ではないのです。なぜなら、情報革命が起こったから。
農業革命も産業革命も、革命の前と後で、ライフスタイルも仕事内容も価値観も全く変わっています。
チームラボの活動を通して、新しい時代とはどんな時代になっていくか、そういうことを考えるきっかけになったらと思っています。
第14回
2013年12月20日

モデレータ教員:
前野
東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻教授、i.school エグゼクティブ・ディレクター
堀井 秀之 氏
【演題】ミドルクラス人材のイノベーション・スキル
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻教授。i.schoolエグゼクティブ・ディレクターとして、i.school設立・運営の総指揮をとる。東京大学知の構造化センターではセンター長として、知の構造化技術の活用により新しい価値を創造する活動・研究開発を推進。著書に「問題解決のための『社会技術』」(中公新書)、「社会技術論:問題解決のデザイン」(東京大学出版会)他。

講義概要

若手を対象としたイノベーション・ワークショップ(以下、i.WS)については、各所で実績も積み重ねられており、方法論も構築されつつある。i.WSを企画・立案・実施し、その成果を新規事業や新規商品に結びつけるのはミドルクラス人材の役割である。本講義では、i.WSの実績を踏まえ、ミドルクラス人材が身に付けるべきスキルと使いこなせるようになるべきツールについて論じる。また、デザイン研究の歴史と成果を踏まえ、イノベーション研究のあり方についても論ずる。
第15回
2014年1月17日

モデレータ教員:
当麻
学校法人 金城学院 学院長
大阪大学名誉教授
淀川キリスト教病院名誉ホスピス長
日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団理事長
柏木 哲夫 氏
【演題】死を背負って生きる 
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1965年大阪大学医学部卒業。同大学精神神経科に3年間勤務し、主に心身医学の臨床と研究に従事。その後3年間、ワシントン大学に留学し、アメリカ精神医学の研修を積む。 1972年帰国し、淀川キリスト教病院に精神神経科を開設。翌年日本で初めてのホスピスプログラムをスタート。その後、同病院にて内科医としての研修を受け、1984年にホスピス開設。副院長、ホスピス長を経て、1993年大阪大学人間科学部教授就任(人間行動学講座)。淀川キリスト教病院名誉ホスピス長。大阪大学定年退官後2004年4月より金城学院大学学長。2012年4月より金城学院学院長。1994年日米医学功労賞、1998年朝日社会福祉賞,2004年保健文化賞受賞。 <主な著書> 心をいやす55のメッセージ(いのちのことば社)、癒しのユーモア(三輪書店)、ベッドサイドのユーモア学(メディカ出版)、定本ホスピス・緩和ケア(青海社)、いのちに寄り添う。(KKベストセラーズ)、「死にざま」こそ人生」(朝日新書)、「生きること、寄りそうこと」(いのちのことば社)など 

講義概要

サマセット・モームが残した有名な言葉があります。「この世には多くの統計があり、その中には数字のまやかしも存在する。しかし、絶対に間違いがない統計がある。それは人間の死亡率は100%であるという統計だ」というのです。確かに人間の死亡率は100%、この世に生を受けた人は一人の例外もなく、死を迎えます。 しかし、私たちは日常生活で、自分の死について余り考えないのではないでしょうか。特に若い時は、やがて死ぬということは観念的にはわかっていても、死は遠くにあるもの、すなわち生の延長上に死があると思っているのではないでしょうか。老人になって初めて死を身近に自覚するようになるのかもしれません。それも年齢によって差があるようです。哲学者、堀秀彦の文章を紹介します。「70代までは、年毎に私は死に近づいて行きつつあると思っていた。だから、死ぬのも生き続けるのも私自身の選択できる事柄のように思われた。ところが82歳の今、死は私の向こう側から一歩一歩、有無を言わせず、私に迫って来つつあるように思われる。私が毎年毎日死に近づいているのではなく、死が私に近づいてくるのだ」。死が自分に近づいてくるという感覚はやはり老人特有のものなのでしょう。 どのような状況におかれるかによっても死の感覚は違ったものになります。安政の大獄により30歳で刑死した吉田松陰は「死が追いかけてくる」と書いています。 私はこれまでにホスピスという場で約2500名のがん患者さんを看取りました。その経験から感じることは「人間は死を背負って生きている」ということです。「定年後、夫婦揃ってゆっくりと温泉へでも行きたいと思っていた矢先に夫が癌で倒れました」と、ある中年のご婦人が言われました。「子どもたちが皆独立して、夫婦揃ってゆっくりと温泉へでも行きたいと思っていた矢先に妻が癌で倒れました」と、ある中年の男性が言われました。私はこれらの現象に「矢先症候群」という名前を付けました。生の延長上に死があると思っていたのに、実は死を背負って生きていたことがわかる訳です。 生と死は一枚の紙のようなものだと思います。生が紙の表だとすると、紙の裏には死が裏打ちされているのです。風によって紙が簡単に裏返るように、死が簡単にやって来ることがあります。震災や交通事故によって、多数の人が予期しない死を迎えることもあります。 人間の生死を支配しておられる神様にすべてを委ねて、いつ死がやって来てもいいと思える日々を歩みたいものだと思います。