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SDM特別講義 2011年度 春学期

講義日程 講師・演題
第1回
2011年4月8日

モデレータ教員:
前野
慶應義塾大学理工学部情報工学科教授・同大学院理工学研究科開放環境科学専攻教授
慶應義塾学事顧問
安西祐一郎
【演題】 How Does One Design and Manage Systems? -人はいかにシステムをデザインし、マネージするか?-
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)計画停電の場合、非常灯下で開講
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1974年慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程管理工学専攻修了、工学博士。慶應義塾大学工学部管理工学科助手、北海道大学文学部行動科学科助教授、慶應義塾大学理工学部電気工学科教授、同情報工学科教授、慶應義塾大学理工学部長・大学院理工学研究科委員長(1993~2001年)、慶應義塾長(2001~09年)を経て現職。カーネギーメロン大学客員助教授、マギル大学客員教授、社団法人日本私立大学連盟会長、環太平洋大学協会会長、社団法人情報処理学会会長、内閣府教育再生懇談会座長等を歴任。現在、日本学術会議会員、文部科学省参与、中央教育審議会大学分科会長、日中韓大学間交流・連携推進会議共同議長、学校教育の情報化懇談会座長、今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会座長、外務省インド工科大学ハイデラバードコンソーシアム顧問、内閣府高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部員、宇宙開発戦略専門調査会構成員等。専攻は認知科学、情報科学。1970年代初めからシステム工学の研究、1970年代半ばから30年以上にわたり思考と学習の情報処理過程の研究、1990年代の初めから人間とロボットのインタラクションの研究に従事。主な著書に、Pattern Recognition and Machine Learning (Academic Press)、Symbiosis of Human and Artifact(共編) (Elsevier Science)、Concepts and Characteristics of Knowledge-based Systems(共編)(Elsevier Science)、『問題解決の心理学 ― 人間の時代への発想』(中央公論社)、『認識と学習』(岩波書店)、『知識と表象』(産業図書)、『認知科学ハンドブック』(共編)(共立出版)、『岩波講座 認知科学』全9巻(共編)(岩波書店)、『認知科学の新展開』全4巻(共編)(岩波書店)、『未来を先導する大学-慶應義塾長 世界の学長と語る』(慶應義塾大学出版会)、『教育が日本をひらく-グローバル世紀への提言』(慶應義塾大学出版会)、『「デジタル脳」が日本を救う-21世紀の開国論』(講談社)ほか。

講義概要

システムデザインとマネジメントはともに人間が行う活動であり、人がどのようにしてシステムをデザインしマネージするかという問い(A)は、システムデザイン・マネジメントとは何かという問い(B)でもある。講義では、いくつかの例を引きながら、二つの問い(A)と(B)についての考え方を提示し、学生の皆さんが研鑽を積んでいくための一助としたい。
第2回
2011年4月15日
モデレータ教員:

キャスター・慶應義塾大学大学院SDM研究科特任教授
林美香子 
【演題】 農都共生のススメ
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
※計画停電を回避するため、三田キャンパスで開催予定でしたが、
 計画停電の実施が見送られたため、通常通り日吉キャンパスで開講します。

■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

札幌生まれ。北海道大学農学部卒業後、札幌テレビ放送株式会社にアナウンサーとして入社。退社後、フリーに。現在は、エフエム北海道「ミカコマガジン」出演の他、執筆活動も。「食」「農業」「環境」「地域づくり」などのフォーラムにパネリスト・コーディネーターとしても参加。「農村と都市の共生による地域再生」の研究で北海道大学大学院にて、博士(工学)・Ph.Dを取得。2008年4月から慶應義塾大学大学院SDM研究科特任教授。著書に「農村へ出かけよう」(寿郎社)など多数。札幌在住。  

講義概要

地域再生が急務と言われる現代の日本。地域再生を実現するひとつの方策として「農都共生=農村と都市の共生」をテーマにし、農都共生の考え方、国内、海外の先進的事例などを紹介する。農都共生ラボやアグリゼミの活動、防災グリーンツーリズムなどについても紹介する。
第3回
2011年4月24日

モデレータ教員:
前野
慶應義塾福澤研究センター専任講師
都倉武之 
【演題】 福澤諭吉のコミュニケーション力
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:9:00-10:00(入学合宿内)

講師プロフィール

1979年生まれ。2002年慶應義塾大学法学部政治学科卒。2004年同大学院法学研究科政治学専攻修了、武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部助手。2007年同専任講師を経て現職。専門は近代日本政治史、政治思想史。

講義概要

福澤諭吉は高尚な学術分野に業績を残した思想家、教育家と考えられがちだが、現実社会の有様を冷静に観察し、改めていくべき部分を改めていくために、具体的、戦略的なアプローチを重視した点においても、非凡な人物であった。教育、演説などを通じて、あるいは著述や新聞を通じてのコミュニケーションには、画期的な試みが少なくない。福澤が理想とした「文明」への模索を「コミュニケーション」という観点から考えてみたい。
第4回
2011年5月6日

モデレータ教員:
谷口
東海旅客鉄道株式会社顧問
田中宏昌
【演題】 リニアの実用化と高速鉄道の海外戦略
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1963年 東京大学工学部卒。同年日本国有鉄道入社、1984年国連ESCAP鉄道課長、1990年より東海旅客鉄道取締役関連事業本部長、常務取締役新幹線鉄道事業本部長、代表取締役副社長を経て2002年より顧問。1998年より台湾高速鉄道の受注競争から開業まで日本チームを技術指導。工学博士。

講義概要

エネルギーや地球温暖化が世界共通の課題となり、世界中で高速鉄道計画が花盛りである。その中で日本はフランス、ドイツ等先発国に韓国、中国等新興国が加わった受注競争に勝ち抜けるだろうか。日本は、何故韓国新幹線でフランスに敗れ、台湾では独仏連合軍を破ったか。革新を続ける日本の新幹線技術とその延長線上にあるリニア(超電導磁気浮上鉄道)の現状と今後を解説する。
第5回
2011年5月20日

モデレータ教員:
小木
Stanford University, Consulting Professor
福田収一
【演題】感情工学-サッカーに学ぶこれからの工学
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

学歴、職歴:1967年東京大学産業機械工学科卒業、1969年同修士(機械工学専攻)、1972年同博士課程修了(工学博士)、東京大学助手(精密機械工学科)、1978年大阪大学助教授(溶接工学科)、1989年東大助教授(客員)(生産技術研究所)、1991年東京都立科学技術大学生産情報システム工学科教授、学長補佐、工学部長、図書館長、産学公連携推進準備室長(東京都大学管理本部、併任)等を勤め2007年定年退職(東京都立科学技術大学名誉教授、首都大学東京名誉教授)。この間、West Virginia University、Stanford University, 大阪大学の客員教授を勤める。2007年から現職。同時に放送大学、Cranfield University, UKの客員教授を勤めている。日本学術会議連携会員(製品設計の科学分科会委員長)。
学会活動:
ASME Computers and Information in Engineering Division現部門長、(同学会 Fellow) ISPE(International Society for Productivity Enhancement)現会長(同学会 Fellow, Concurrent Engineeringの国際会議を毎年各国回り持ちで開催)。IEEE Reliability Society元副会長。日本機械学会設計工学システム部門元部門長(同学会 フェロー)。電子情報通信学会信頼性研究専門委員会元委員長(同学会フェロー)。日本工学アカデミー会員。
著書、編書:
"Emotional Engineering", Springer;「良い製品=良い商品か?」、工業調査会;
「感覚・感情とロボット」、工業調査会(責任編修);「ものづくり大論」、丸善;
「価値創造学」、丸善;「HCD人間中心設計」、丸善(責任編修)等
個人的プロファイル:
昔サッカーをやっていました。これからの工学ではサッカー的思考、リベロ的アプローチが重要だと思っています。また、もともと機械屋で、電子系、情報系にも関係していましたが、溶接分野で働いたために、土木、造船などの他分野の先生の下で働き、工学と一口に行ってもまったく考え方が違うことを実感しています。こうした体験を講義で伝えられればと願っています。

講義概要

これまでは「考えてから歩く時代」であった。地図を見て、行き方を知り、目的地を目指した。しかし、激動の現代は「歩きながら考える時代」である。目的地は分かっているが、交通手段も、周囲環境も日々変化する状況ではその場、その場で考えなければならない。すなわち、決まったモデルが有効ではなく、試行錯誤で適切なモデルをつねに探索しながら歩を進める必要がある。そのためには広く周囲を見回し状況を理解する必要がある。すなわち、これからは知識だけではなく、状況判断力が、そして問題解決よりも、むしろ問題はなにかと考える問題設定が重要となる。感情はこれまで非合理的だとして工学では排斥されてきた。しかし、数値データがない、既存のモデルがない状況での判断、行動においては大きな役割を果たす。実際、脳科学でも、理性と感情は不可分の関係にあることが次第に明らかとなってきている。これからは、世界はますます拡大し、状況も大きく変動するであろう。こうしたOpen Worldにおいて感情がいかに工学において重要な役割を果たすかを考えてみたい。
第6回
2011年5月27日

モデレータ教員:
神武
宇宙飛行士(宇宙航空研究開発機構および東京大学超小型衛星戦略センター所属)
山崎直子
【演題】宇宙機におけるシステム設計
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1970年 千葉県松戸市、生まれ
1989年 3月 お茶の水女子大学附属高等学校卒業
1993年 3月 東京大学工学部航空学科卒業
1994年-1995年 ロータリー国際親善奨学生として米国メリーランド大学留学
1996年 3月 東京大学大学院航空宇宙工学専攻 修士課程修了
1996年 4月 旧・宇宙開発事業団、現・宇宙航空研究開発機構(JAXA)に入社
1999年 2月10日 国際宇宙ステーション搭乗宇宙飛行士候補者として選定
2001年 9月26日 国際宇宙ステーション搭乗宇宙飛行士として認定
2004年 5月 ソユーズ宇宙船フライトエンジニア(運航技術者)の資格を取得
2006年 2月 スペースシャトル搭乗運用技術者(MS)資格を取得
2010年 4月 フライトエンジニアとしてスペースシャトル「ディスカバリー号」に搭乗しSTS-131(19A)国際宇宙ステーション組み立てミッションに参加
2010年7月2日 千葉県松戸市名誉市民の称号授与
2010年7月6日 千葉県民栄誉賞授与
2010年7月30日 文部科学省参与就任(任期一年間)
2010年8月23日 ロレアル・ユネスコ女性科学者 日本奨励賞特別賞 受賞
2010年10月1日 金沢市キゴ山天体観察センター名誉館長就任
2010年11月29日 千葉県千葉市科学アドバイザー就任(任期二年間)
2010年12月1日 東京大学超小型衛星戦略センター・学術支援専門職員
2011年4月1日 東京大学超小型衛星戦略センター・研究生
日本宇宙少年団(YAC)副団長就任中。
中学・高等学校教員免許(数学)所有。
著書:「何とかなるさ」(サンマーク出版)
   「瑠璃色の星」(世界文化社) 「夢をつなぐ」(角川書店)

講義概要

国際宇宙ステーション(ISS)のユーザーとしての視点から見たシステム設計について議論していく。
第7回[公開講座]
2011年6月3日

モデレータ教員:
前野
株式会社村上憲郎事務所代表取締役
村上憲郎
【演題】スマートグリッドが切り開く新生スマート日本
会場が変更になりました
■会場:日吉キャンパス独立館地下2階DB201
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

2003年4月、Google Inc. 副社長兼 Google Japan 代表取締役社長として Google に入社以来、日本における Google の全業務の責任者を務めて来ましたが、2009年1月名誉会長に就任、2011年1月1日付けで退任し、村上憲郎事務所を開設しました。Google 入社以前には、2001年に Docent の日本法人である Docent Japan を設立し、同社の社長としてe-ラーニング業界でリーダーシップを発揮しました。1997年から1999年の間は、Northern Telecom Japan の社長兼最高経営責任者を務め、Northern Telecomに買収された Bay Networks の子会社である Bay Networks Japanとの合併を成功に導きました。後にNortel Networks Japanと改名された同社において、2001年中旬まで社長兼最高経営責任者を務めました。日立電子株式会社のミニコンピュータシステムのエンジニアとしてキャリアをスタートした後、Digital Equipment Corporation(DEC)Japanのマーケティング担当取締役などを歴任し、マサチューセッツの DEC 本社にも5年勤務しました。京都大学で工学士号を取得しています。慶應義塾大学特別招聘教授。会津大学参与。著書:(1)「知識ベースシステム入門」インフォメイションサイエンス社 1986年刊(2) 「村上式シンプル英語勉強法」ダイヤモンド社 2008年刊(3) 「村上式シンプル仕事術」ダイヤモンド社 2009年刊

講義概要

地震・津波・原発事故によって、これまでの国づくりの抜本的見直しを迫られている日本。なかでも電力インフラの作り直しの中でスマートグリッドの果たす役割が決定的となると思われる。講義では、スマートグリッドとは何かを概説すると共に、それが切り開く新しい日本社会=スマートコミュニティを展望する。
第8回
2011年6月10日

モデレータ教員:
西村
プロジェクトコンサルタント・ IEEE フェロー
河井研介
【演題】 発電プラントに学ぶ−自動化のデザインとプロジェクトの安全管理−
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

現在:プロジェクトコンサルタント、電気通信大学情報システム学研究科非常勤講師
経歴: 1972年 慶應義塾大学 計測工学科卒業、1974年 同左修士課程修了 1974年 東京芝浦電気 入社 府中工場に配属 発電用監視制御システムの開発・設計に従事 国内外向け計算機・シミュレータ・管理用システム他を担当 発電用計算機システム設計課長、発電制御システム設計部長  1995年 東芝本社 火力システム技術部長 1998年 東芝コーポレート 経営変革推進室グループ長 全社変革運動【MI2001】企画・推進 (東芝版シックスシグマ活動) 2002年 電力システム社 火力・水力技師長 2004年 電力システム社 技監 中東地域むけ発電・造水用コンバインドサイクルプロジェクト(EPC)のProject Director(複数の海外企業とのコンソーシアム) 2007年 東芝 退職 2007年〜2010年 東芝システムテクノロジー(株) 代表取締役 社長 2010年〜 同上 顧問 2009年〜2011年 組込みシステム技術協会(JASA) 理事(国際委員会委員長) 資格他:IEEE Fellow、Stanford大(MML)Fellow、シックスシグマMBB、 IFAC Control Engineering Practice誌の編集委員(10年)とIFAC Human Machine Systems技術委員会(委員長3年)を歴任 実用英語検定1級

講義概要

発電プラントを対象としたシステムのデザインとマネジメントに長年関わってきた経験を踏まえ、大規模・高信頼のインフラむけシステムに関する自動化のデザインとプロジェクトの安全管理を紹介する。具体的には、システムのデザイン事例として発電所の自動化システムを取り上げ、そのニーズ、知識表現、ヒューマン・マシン・インタラクション、プラットフォーム化などを紹介。また、マネジメント事例として発電所の建設プロジェクトを取り上げ、プロジェクトで経験した安全上の問題点や第3者機関による事故原因の特定等について解説。なお、身近な安全問題、システム事故の定義、安全と技術者の倫理など安全管理に関する一般的な話題についても触れる。最後に、今後のシステムデザイ論、システムマネジメント論に対する期待を述べる。
第9回
2011年6月17日

モデレータ教員:
前野
三菱商事株式会社国際戦略研究所副所長
秋元諭宏
【演題】 多国籍企業にとってのグローバルな情報収集・分析の重要性 : ワシントンDCにおけるインテリジェンス活動
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

三菱商事国際戦略研究所にてグローバル・インテリジェンスの機能強化タスクフォース・チームリーダーを務める。2002年から2010年までワシントン事務所長として、戦略的情報収集・分析に携わる。経済産業省21世紀通商・投資の研究会委員、国土交通省ビジネスジェット推進委員会委員。ハーバード大学社会学博士・東アジア学修士、露レニングラド大(現セントペテルスブルグ大)外国人学科サーティフィケート、英ロンドン大ロシア・スラブ学部留学、慶應義塾大法学部卒。

講義概要

政治経済を取り巻く国際環境は激変を続けており、多国籍企業にとって戦略的な判断を下す上での情報収集・分析の重要性は増す一方である。短期的には企業のニーズやシーズに添った情報収集及び分析を行い企業運営を行う必要があり、中長期的には企業の将来像を国際社会の潮流に添った形で変化させる必要がある。グローバルな情報収集・分析の思想について、世界の情報の集積地であるワシントンDCでのインテリジェンス活動に触れながら多国籍企業の視点から考えることを主眼とする。
第10回[公開講座]
2011年7月1日

モデレータ教員:
白坂
経済産業省産業技術環境局基準認証政策課基準認証調査官
江藤学
【演題】事業戦略における標準化の活用 ~自社の知財を生かすために~
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1960年山口県生れ。1983年大阪大学基礎工学部生物工学科卒業。1985年大阪大学大学院基礎工学研究科博士前期課程修了。同年通商産業省に技術系行政官として入省し、コンピュータ産業振興、ODA、化学兵器対策、産業技術政策、コンテンツ産業振興などに従事。この間、米国ニューメキシコ大学客員研究員、筑波大学社会科学系講師なども歴任。2000年よりパリのOECD日本政府代表部に勤務後、2004年より経済産業省産業技術環境局基準認証ユニットで標準化関連の業務に従事。標準化関連業務として、産業技術総合研究所標準部長、経済産業省基準認証調査室長、管理システム標準
化推進室長、MRA室長、認証課長などを歴任。2008年に東北大学大学院工学研究科博士後期課程を修了し博士(工学)。2008年より一橋大学イノベーション研究センター教授。2011年4月より現職。金沢工業大学虎ノ門大学客員教授、早稲田大学・日本大学・東洋大学非常勤講師、経済産業研究所コンサルティングフェロー。著書に『コンセンサス標準戦略』(新宅純二郎氏と共編著:日本経済新聞出版社)『標準化ビジネス』(藤野仁三氏と共編著:白桃社)など。

講義概要

標準化の重要性が彼方此方で指摘されているが、標準化がビジネスに及ぼす影響がビジネスマンに正しく理解されているとは言い難い。標準化によって企業競争力が失われることもあれば、他社の知財が安価に利用できるようなることもある。自らの事業戦略に適した標準化を適したタイミングで実現していけば、標準化は事業活動の強
力な戦力となるが、安易な標準化は「儲からない事業」を作りだすだけだ。自らの持つ知的財産の価値を生かし、事業として大きく育てるうえで、標準化をどのように活用すればよいか、様々な事例から、そのヒントを提供する。
第11回
2011年7月8日

モデレータ教員:
西村
中部大学教授/慶應義塾大学名誉教授
前田富士男
【演題】アート・アーカイヴとは何か─新しい知のオーダーにむけて
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1944年生。神奈川県出身。慶應義塾大学工学部管理工学科卒業後、同大学文学部美学美術史学専攻に学士入学。1974年同大学院文学研究科美学美術史学専攻博士課程単位取得退学。神奈川県立近代美術館学芸課に勤務後、1975年ドイツ政府学術交流会(DAAD)奨学生としてドイツ・ボン大学美術史研究所に留学。1978年より北里大学教養部講師・助教授。1985年慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻助教授、1991年同教授。慶應義塾大学アート・センター所長を兼務。慶應義塾大学を退職後、2010年より中部大学人文学部コミュニケーション学科に勤務。中部大学国際人間学研究所所長を兼務。 社会活動(現職):日本学術会議第一部会員。文部科学省独立行政法人評価委員会(美術館部会長)。大学評価・学位授与機構運営委員。宇宙航空研究開発機構(JAXA)有人宇宙環境利用ミッション本部宇宙環境利用センター(文化・人文社会科学利用パイロットミッション選定委員会委員)。DNP文化振興財団評議員、ほか。 専門領域:西洋近代美術史・芸術学・アートマネジメント。 主要研究業績:『ゲーテ・色彩論(完訳版)』(共訳、工作舎、1999)。『伝統と象徴──美術史のマトリックス』(編著、沖積舎、2003)。『パウル・クレー/絵画のたくらみ』(共著、新潮社、2007)ほか。

講義概要

グローバル化を歩む現代社会は、文化の多元性・多様性にともなうさまざまな課題に直面している。相互理解を確立するためには、自文化中心主義を克服しなくてはならないが、こうした脱構築への努力は、相互の対話を可能にする共通言語問題ひとつを考えても、自己の特権的位置の空白化を、言い換えれば、「自己植民地化」とでも呼びうる局面を生みだす。こうしたアポリアは、まず人文・社会科学的な知、すなわち価値と規範をめぐる知の領域に現れるけれども、じつは現代における科学技術の領域でも看過しえない課題となっていよう。というのも、原子力発電所の安全性・事故対策方法ひとつをみても、「科学に問うことはできるが、科学のみによっては回答不能な領域」(トランス・サイエンス問題)が逼迫した問いをわれわれに突きつけているからである。現代における知のシステムは、再検討を急がざるをえないのだ。とすれば、いささか唐突に響くかもしれないが、「アート・アーカイヴ」という観点を導入してみよう。なぜなら、普遍主義や還元主義にもとづく一元的価値ではなく、多様な価値水準を定立しうる理念と実践がアート・アーカイヴ活動では実現可能だからである。ここでは、システムではなく、オーダーという概念が要請されることになる。オーダーという観点から、実験室・図書館・博物館・アーカイヴ(LLMA)の機能を吟味し、あらためて文化的感性・人文知の役割を検証したい。
第12回
2011年7月15日

モデレータ教員:
西村
日立製作所国際事業戦略本部リスクマネジメント&海外プロジェクト支援室副室長
中川幸雄
【演題】 あるビジネスマンの見た企業国際化の最前線
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

日立製作所において 原子力 火力などの電力事業に従事。2002年より日立グローバルストレージテクノロジー米国本社( カリフォルニア州 サンノゼ)にてSenior Director Strategy and Planning。投資計画 拠点の統廃合 新拠点設立計画などの責任者。帰国後バブコック日立株式会社において 常務取締役。特に欧米 東南アジアの火力発電所建設事業,米国における裁判陣頭指揮など国際化指導。同社監査役就任後 2009年4月日立製作所に復帰。海外プラント建設事業強化本部副本部長。大型海外案件および日立Gr企業国際化支援。2011年4月 組織名変更により現職。

講義概要

多くの「国際企業」が海外の主として社会インフラに関する大型プロジェクトで莫大な損失を計上している。特に日本企業の場合は「太平洋戦争突入における意思決定」の不透明性を引用するまでもなく「国際性」への適合遅れが指摘されている。その原因は「英語の文化」「責任の不明確さ」「意思決定の遅れ」等々 巷にその種の解説書があふれている。それは大事なことであるがでは毎日現場で何が起こっているかとなるととたんに情報が少なくなる。講演者が海外で毎日見てきた「実態」である。
第13回
2011年7月22日

モデレータ教員:
前野

航空自衛隊幹部学校戦略教官 1等空佐、慶應義塾大学SDM研究所研究員
大谷康雄

航空自衛隊幹部学校戦略教官 2等空佐
千川一司

【演題】日本の国家安全保障の体系

■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

大谷康雄
1989年防衛大学校卒業
1994年防衛大学校理工学研究科修了、防衛省技術研究本部、航空自衛隊飛行開発実験団においてF-2支援戦闘機の開発に従事。その後、防衛省航空幕僚監部防衛部、技術部等に勤務。
2008年から内閣官房宇宙開発戦略本部事務局にて宇宙基本計画策定に従事。
2011年より現職。

千川一司
1976年防衛大学校卒業
1980年防衛大学校理工学研究科修了
青山学院大学修士(国際政治学)、航空自衛隊警戒航空隊検査隊長、航空支援集団装備部整備班長等を歴任。
2004年から防衛大学校防衛学教育学群准教授として国防論を担当。
2007年より現職。

講義概要

今年3月に発生した東日本大震災という未曾有の災害とそれに伴う原発事故は、国民の安全に対して多くの課題を突き付けました。しかし国民の安全に対する課題は災害ばかりではありません。例えば天然資源や食糧の確保、先端技術の獲得競争、あるいは国家間の領土を巡る争いや弾道ミサイル等の軍事的手段による威嚇行為など、国家レベルの安全に関わる問題は数多く存在し、これらの問題の解決に向けて「安全保障」という言葉が大きくクローズアップされています。そこで本講義は、「安全保障」という外交・軍事・経済・文化など多分野にまたがる概念について体系的に整理して解説します。特に、軍事的視点から最近の我が国を取り巻く安全保障環境を概観して、日本の防衛戦略を考察します。
第14回[公開講座]
2011年7月29日

モデレータ教員:
白坂
tha ltd. /ウェブデザイナー/インターフェースデザイナー/映像ディレクター
中村勇吾
【演題】 インタラクティブデザインの実際
会場が変更になりました
■会場:日吉キャンパス独立館2階205教室
■時間:19:00-20:30(6時限)

講師プロフィール

1970年奈良県生まれ。ウェブデザイナー/インターフェースデザイナー/映像ディレクター。東京大学大学院工学部卒業。多摩美術大学客員教授。1998年よりインタラクティブデザインの分野に携わる。2004年にデザインスタジオ「tha ltd.」を設立。以後、数多くのウェブサイトや映像のアートディレクション・デザイン・プログラミングの分野で横断/縦断的に活動を続けている。主な受賞に、カンヌ国際広告賞グランプリ、東京インタラクティブアワードグランプリ、TDC賞グランプリ、毎日デザイン賞など。

講義概要

インタラクティブデザインの基本的な考え方、およびその応用について、実際的な作例を見ながら、紹介していきます。