MENU
専任教員からのメッセージ
2012年の最後は学者も政治家も走る月になりました
(ヒジノ ケン・ビクター・レオナード准教授)
師走に入り、日本で政治を研究している人間にとって数年に一度起こる大イベントが到来しました。総選挙です。
開票10日前の現在、ワールド・カップとクリスマスとオリンピックを一緒にしたような興奮を感じています。今回はめまぐるしい新党の誕生、記録的な立候補者数、また3.11以降初めて行う、重大争点目白押しの選挙となります。SDMの講義でも、学生とともに各政党の次期選挙マニフェストの定量的な比較検証や特定選挙区での候補者たちの選挙戦略シミュレーションを演習しました。
当然ながら、このような政治に対する学問的「ワクワク」感は巷の有権者にはあまり共有されていないでしょう。逆に「政党が多くて選びにくい」、「政策が曖昧で分かりにくい」と言われ、離散集合する政治家や日替わりに変わる公約への不信も強いようです。我々政治学者は政党制度がなぜ不安定になり、公約が実現されないのか、問題の構造とその解決案を提示する責任があると思います。今回の選挙もそのような政治システムを理解する上でのデータの宝庫になるでしょう。政治の機能不全をシステム設計の構造と作用の問題として捉え、SDMの皆様と一緒に日本の統治機構をリ・デザインするための知見を深めるよう頑張ってまいりたいと思います。
本年度もSDMへのご支援とご厚意、誠にありがとうございました、来年もよろしくお願い申し上げます。よいお年を。
ラボ紹介
12月号のラボ紹介は、お休みします。
TOPICS
1. 集中講義「モデル駆動型システム開発の基礎」
2. 国際宇宙ステーション長期滞在中の星出宇宙飛行士とリアルタイム交信を実施
3. マネジメントデザインセンター設立記念シンポジウムを開催
4. プロジェクト・マネジャー能力強化研修が無事終了
5. フジサンケイビジネスアイ 記事掲載
6. 公開講座「デザインと経営の未来」vol.2
7. ヒジノ・ケン准教授講演会、SDM研究科説明会を開催
8. 社会イノベーションのノウハウ~実例に学ぶポートフォリオ・プログラムマネジメントセミナー
9. 慶應SDM公開講座 "Space Applications" 「宇宙の利用法」 Stoewer氏講演
10. 『ダイアログとデザインの未来Vol.6 ~ソーシャルデザインの未来~』を開催
11. 2012年度デザインプロジェクトが無事終了
12. ダンカン・ムーア教授のテクニカル・アントレプレナーシップ開催
13. Hiyoshi Research PortfolioおよびHiyoshi 3.0開催報告
14. 連続宇宙公開講座第5回「宇宙を使う:宇宙イノベーションによる未来デザイン」
専任教員からのメッセージ
SDM研究科のニーズ志向とシーズ志向
(春山真一郎教授)
SDM研究科では、システム思考、デザイン思考、マネジメント思考の教育、研究を行っています。
とくに必修科目であるデザインプロジェクトでは、デザイン思考とシステム思考を組み合わせた授業を行っています。つまり、デザイン思考でユーザーの行動観察をしたり、プロトタイプを作ってトライアルアンドエラーを行ったりすることで新しいニーズを発掘した後、新しいコンセプトを打ち立て、それをシステム思考の方法を用いて、システムとしての構築、検証を行っています。ニーズ志向の重要性は以前から叫ばれていて、SDM研究科のこのようなニーズ志向の活動はその流れに沿っているものですが、新しいコンセプトを実現するには、リソースやシーズも必要になります。SDM研究科のもうひとつの大きな特徴は、そのようなリソースやシーズも持ち合わせているという点です。それはSDM教員の専門知識だけでなく、学生の半数以上を占める社会人学生の様々な専門知識、経験、新卒学生も含めた人的ネットワークがあるという点です。SDM研究科ではこれらの資源を今後さらに活用して新しいマーケットのデザインをしていきたいと考えています。
ラボ紹介
グローバルこと・ものづくり研究ラボ

中野 冠 教授

TOPICS
1. 起業デザインラボ特別企画「慶應SDM 学生・OBに起業・経営体験を聞く」開催報告
2. 『ダイアログとデザインの未来Vol.5 ~地域と物語の未来~』を開催
3. 第2回慶應イノベーティブデザインスクール開催報告
4. 公開講座「ITで変貌する社会と日本企業の未来」開催
5. 『モノ・コトづくり産業でのイノベーティブシステムデザイン最前線』セミナー
6. 札幌で開催された「ふるさとの入り口」展の報告
専任教員からのメッセージ
人と、システムと、境界。
(西村秀和教授)
システムは何かしらの構造を持ち、そして何かしらの要求や制約に基づく振る舞いをします。ほとんどの場合、そこには、人が介在します。
"システム"というと、何か冷たいイメージを持たれる方がいるかも知れませんし、確かに旧来の考え方では、そう感じるのも無理はありません。しかながら、システムは私たち"人"と関わりを持ちます。ですから、システムのデザインに際しては、人が介在することを前提にする必要があります。
人の考えや振る舞いを考慮することは極めて難しいのですが、私たちはシステムには必ず人が介在することを肝に銘じて、システムのデザインとマネジメントに取り組まなければなりません。このためには、システムがどのように使われるかを考えることが最も重要です。そして、それは一人の専門家が考えるよりも、他のさまざまな領域のプロと一緒に考えるのが良いでしょう。
そこでは、プロがお互いに"境界"を越えようとしなければなりませんし、考えていることを頭から取り出して、図的に示してみることも重要です。慶應SDMでは、そうしたことを実践できる場を提供しています。
ラボ紹介
10月号のラボ紹介は、お休みします。
TOPICS
1. 平成24年度大学院9月学位授与式、および平成24年度9月入学式の報告
2. 2012年秋学期集中講義「医療・医薬研究開発システム論3」ワシントン研修報告
3. 連続宇宙公開講座第4回「宇宙に投資する:宇宙ビジネスのシステムデザイン」
4. 春山教授らの視覚障がい者向けの音声案内サービスの研究紹介が日経産業新聞に掲載
5. 中島君(博士課程3年)らの講演論文が日本機械学会技術と社会部門優秀講演論文賞に選出
6. 公開講座「デザインと経営の未来」
7. 日本機械学会 機械力学・計測制御部門主催 講演会「Dynamic & Design Conference 2012」
8. 慶應イノベーティブデザインスクールワークショップ「Value Identification & Modeling」開催
9. 「女性の生き方を考えるワークショップ」開催報告
10. 慶應SDMのポストデザイン思考・ポストシステム思考のワークショップ
専任教員からのメッセージ
持続的な社会の構築と国際リーダーの育成
(中野冠教授)
少子高齢化、国家財政、エネルギー政策の再構築などの問題を解決し持続的な社会を構築するため、我が国の経済・社会システムに変革が求められています。
しかし、我が国の政治家は国民の合意を取り迅速に実行することが不得手であるように見えます。また、我が国のものづくり業界では、国際競争力に陰りが見られます。円高の理由が大きいですが、過去の成功体験から抜け出て変革スピードを高めることのできる、国際的感覚を持つリーダーを必要としていると思われます。SDM研究科では、社会・技術・経営のシステムにおいて、関係者が問題を体系的に整理・共有し、解決施策を評価して意思決定するための数多くの手法を包括的・体系的に教えています。また、フルタイム学生の約3分の1が欧米の有名校に留学し、その倍の数の留学生が世界中から入学または交換留学生として来ており、国際的環境を提供しています。慶應SDMから持続的な社会を構築する国際的なリーダーが数多く育つことを願っています。
ラボ紹介
戦略システムデザイン・ラボ

神武 直彦 准教授

TOPICS
1. SDM公開講座「現代ソフトウエアエンジニアリングの俯瞰図」終了
2. 2012年度デザインプロジェクト
3. SDM研究科説明会の開催
4. SDM研究科主催 慶應SDM イノベーティブ・デザイン・ワークショップ 開催 ~SHIBUYA3.0:未来の渋谷の使い方~
5. 林美香子特任教授が代表をつとめる「アグリゼミ」が十勝視察
専任教員からのメッセージ
日本らしいチーム協働と利他精神で世界に貢献を
(当麻哲哉准教授)
残暑お見舞い申し上げます。暑い日が続いたこの夏も終わりに近づいてまいりました。私たち慶應SDMでは、この夏も暑さにめげずに様々な活動を精力的に行ってまいりました。
ここにその成果をご報告できることをうれしく思います。
ビジネスでは、日本は国際競争力を失ってきていると言われておりますが、ロンドン五輪では、日本らしいチームワークでの大活躍を見せてくれました。短期的な収益を追求するビジネスと異なり、スポーツの世界は教育や研究と同様に、長期的視野で成長を見ていくものであります。そして自分たちの利益よりも、国や社会の「利他」を求めています。もともと利他精神がベースにある日本人は、日本らしいチーム協働と組み合わせることで、ビジネスの世界にも新しい生きる道があるように思います。
昨年の東日本大震災の際に海外から多くの支援をいただいたのも、日本が戦後長年にわたって行ってきた国際援助などの利他行為が長期的な信頼を得てきたことの表れでもあります。これからの日本が日本らしく発展を遂げ、世界に貢献していく日を夢見て、慶應SDMは日々努力を惜しまず前進してまいります。
ラボ紹介
8月号のラボ紹介は、お休みします。
TOPICS
1. Rashmi Jain准教授による集中講義実施
2. 星出宇宙飛行士リアルタイム交信イベントに向けた連続宇宙公開講座開催
3. PMI日本フォーラム2012にブースを出展
4. 住友スリーエム株式会社見学会とリーダー育成ワークショップの開催
5. フューチャーセッション『ダイアログとデザインの未来』を開催
6. SDM公開講座「編集のシステム的思考とは」開催報告
7. アグリゼミ 埼玉県須賀農園で自然農法の聞き取り調査
8. 「PMP(Project Management Professional)®受験対策講座」開催
9. 医学教育学会特別セッションにCDF教室を施設提供
10. 慶應SDM公開講座「顕在化する日本型システムの未来 -クール ジャパン戦略のパラダイムシフト」開催
11. 修論審査会 報告
専任教員からのメッセージ
福沢諭吉の学塾、いま新らた
(手嶋龍一教授)
人生には予期せぬ出来事が起きる―慶應SDMとの出遭いがまさにそうでした。
NHKワシントン支局長の激務からようやく解き放たれ、さあ、これから著作に打ち込もうと思っていた時、慶應義塾に新たに創設された大学院にと打診が舞い込みました。最初はお断りしたのですが、大学院の構想を聞くとその魅力には抗しがたいものがありました。150年後のいま、福沢諭吉先生が新しい学塾を創るとすればSDMだったろうと思います。去年の春、フクシマ原発事故が起き、大組織のリーダーたちが果断な決断を下せないまま、迷走する様を目の当たりにしました。文理融合の知見を総動員して現代の巨大システムに挑む大学院の大切さをさらに実感しました。外交・安全保障が私の担当分野なのですが、インテリジェンスという視点から現代社会に生起する多様な問題に挑んでいます。現代ニッポンの抱える課題に新たな解を見出そうとSDMに集った人たちと新たな挑戦を続けています。
ラボ紹介
地方分権・道州制ラボ

ヒジノ ケン・ビクター・レオナード 准教授

西村秀和 教授

TOPICS
1. SEセンター主催「モデルベースシステムズエンジニアリングシンポジウム」および特別講義「Model-Based Systems Engineering Methodology」開催報告
2. Location Business Japan 2012開催
3. CESUN 2012国際シンポジウム参加報告
4. 日本経済新聞社寄附講座環境シンポジウム「地熱エネルギーのポテンシャルを考える」開催報告
5. 西村教授の3D EXPERIENCE Forumにおける講演内容が日経ものづくりのスペシャルサイト「価値創造の羅針盤」に記事掲載
6. 菅家君らの活動が「東北復興新聞」に掲載
専任教員からのメッセージ
パラダイムシフトと慶應SDMの役割
(高野研一教授)
震災前後で世の中の景色が随分変わってしまったと感じる人は多いと思う。
時代の大きな流れのコンテキストは一貫性を保っているように見えても、2011.3.11の震災はまさに多くの人々の価値観を変え、世の中全体にパラダイムシフトが起こっているように見える。そのような情勢の中であっても混沌を楽しむ余裕はないのが現状である。グローバルな視点で経済情勢を見てもリーマンショックの後遺症がやっと癒えたころに今度は欧州不安が一向に解消されない。世界中の人々が内向き志向に陥り、自己保身に走れば、どのような事態が訪れるかは想像に難くない。慶應SDMはこのような不透明・不安定な情勢においても確かな未来をデザインしていく人材を育成していくことが求められている。逆にこのような情勢はピンチであると同時に、先を見通す能力とマインドを身につけていさえすれば逆にチャンスとも言える。日本企業の安全文化の浸透を目指して内外の企業の組織風土・文化の評価を長年行ってきたが、特筆すべき我が国の風土・文化の長所は、共働・協生が自然にできることである。企業ばかりでなく、社会全体においても、共働・協生は必要である。お互いに共有できる価値を確認し、賛同者を徐々に広げていくこと、受動的であっても受け入れられる価値の範囲を広げ、信頼と合意の土台を構築していくことである。慶應SDMでは企業内および社会全体における合意形成を図るための方法論についても取り組みを行っていく。
ラボ紹介
システムズエンジニアリングセンター

西村秀和 教授

TOPICS
1. APCOSE報告
2. オープンSDM 開催報告
3. 第1回オープンKiDS(慶應イノベーティブデザインスクール)を開催
4. アオーレ長岡で次世代コンテンツ利用イベント
5. 5月7日 JICA主催CIO育成コースでSDMのマネジメント教育を紹介
6. 5月14日 当麻研究室で富士通研究所を見学
7. 5月21日 小木研究室と当麻研究室で金環日食を撮影
8. 日経エレクトロニクスセミナーにて神武直彦准教授、中島円君がセミナーを実施
9. 次世代スマートシティのシステムデザイン・マネジメントをテーマとした研究会を開始
10. 書籍「クリエィティブ・コミュニティ・デザイン」への寄稿
専任教員からのメッセージ
真の全体統合型学問体系を目指して
(白坂成功准教授)
SDM研究科は設立当初から技術システムから社会システムに至るまで統一的に扱える学問体系の構築を目指してきました。
このような学問体系はこれまで存在していないため、これをシステムデザイン・マネジメント(SDM)学と呼んでいます。私も自分の技術システム開発を通じて身に着けたことを基礎として、2008年からSDMのいろいろな授業で新たな知見を得るとともに、SDM学の確立を目指してきました。それはSDM設立当初から可能性としては感じていましたが、簡単には到達できない目標のように思っていました。しかし、昨年度のいろいろな活動を通じて、SDM学の実現を強く感じることができました。そして、今年度は、このSDM学を使った実践の年にしたいと思っています。昨年度までで形の見えてきたSDM学を、今年度はどんどん実際の問題に適用し、成果を出していきたいと思っています。そのためにも、引き続きSDMの教職員のみなさん、研究員のみなさん、学生のみなさん、修了生のみなさん、そしてSDMの理念に賛同してくださる方々のご支援をよろしくお願いいたします。
ラボ紹介
宇宙システムラボ

神武直彦 准教授

白坂成功 准教授

TOPICS
1. 2012年度入学ガイダンスおよび入学合宿
2. SDMポスター交流会報告
3. 留学成果報告会、交換留学説明会 開催報告
4. スイス連邦工科大学Fredrik Hacklin博士特別講義 報告
5. 手嶋龍一教授講演会 開催報告
6. SDM研究所システムズエンジニアリングセンター設立記念シンポジウム
7. SDM公開講座「現代ソフトウエアエンジニアリングの俯瞰図」開催
8. 医学部に高精細大画面高速光伝送システムを導入
専任教員からのメッセージ
安全について思う
(佐々木正一教授)
今年の桜は例年より幾分遅く開花した。昨年の今頃はいつ桜が咲いたのか思い出せないほど大きな衝撃が我々を襲っていた。
1000年に一度の大震災とそれに続く津波、福島第一原子力発電所の事故が我々に問いかけたものは何だったか、今一度、振り返りをする必要があるように思う。

わたくしの勤めていた会社では、自動車製造業ということもあり、安全は耳にタコができるほど聞かされていたと同時に実践的な教育も存在した。その中で印象に残っているものはKYTもしくはACTと呼称される「危険予知テスト」であった。内容は、1)危険となる状態の予想、推察、2)その重大性と発生の頻度の評価、3)対策内容の自己評価である。
新たな実験を始める(電源を本格的に投入する)前に、この検討結果を提出しなければならないというものであって、一刻も早くデータを取りたい私のようなものには仕事の邪魔としか思えないような制度であったが、今から振り返ると複数の関係者が安全に試験をするためにはこういうステップを踏むことが必要であったと今では理解できる。ただ、会社の中での危険予知とは異なり、SDMで扱う社会の危険予知においては、その規模や対策の影響がまことに大きくなっている。
昨年の災害を見てみると、予想する危険な状態の想像力、その発生頻度の予想があまりにも貧弱であったと言わざるを得ない。地震の規模と発生頻度は概ね指数分布を示すといわれているが、このような分布では何万年後になろうともいつかは必ず想定する以上の地震が発生する。ということは避けたい災害は絶対に発生しないではなく、何万年後には必ず発生するという認識が必要ということになる。そしてその原状復帰に10万年を必要とするならその時間を考慮したシステム設計が必要になる。1000年に一度くらいの地震でその後10万年も使えないという設計は土地のアベイラビリティを考えると実用にならない設計である。

普段の生活において起こりうる最悪な事態を想定して行動を決めるというのは、実行が非常に困難であるがそれなくして生きつづけられるのは運に頼ることとほぼ同義であろう。さらに厄介なのは、人間の記憶の時定数が地球の時定数とは違ってはるかに短いことであろう。30年も災害がないと、昔は被災地であったことも忘れてしまい、未来永劫、災害が発生しないと思い込んだり、根拠のない慢心が人の心を支配するようになる。
安全はゆっくりと流れる川を船で川上に上るようなもので、こぐ手を休めると船はどんどん川下に流されてしまうので常にこぎ続ける覚悟が求められる類の性質を持っていることを今一度、自身の肝に銘じるとともに、1000年後の若者に呪われることの無きようにしたい。
ラボ紹介
イノベーティブ
デザインセンター

前野隆司 教授

TOPICS
1. 公開講座 "Dialogue for Design Thinkers" 開催
2. 当麻准教授が「静岡がん会議2011」で特別講演
3. 農都共生ラボ活動報告書「AGRILAB REPORT 2011-2012」が完成
4. テレイマージョン技術研究会の開催
5. インタラクション2012においてインタラクティブ観客賞を受賞
6. The First Japan Symposium for Promotion of Academic Exchanges参加報告
7. シンガポール国立大学およびアデレード大学との国際連携調整報告
8. SICE SI部門講演会において優秀講演賞を受賞
9. 学位授与数および博士論文タイトル
専任教員からのメッセージ
NO RE-DESIGN WITHOUT SDM
(神武直彦准教授)
東日本大震災から1年が経とうとしています。災害からの復興は、まさに大規模・複雑システムをデザインし、マネジメントすることであり、SDMの真価が問われる1年だったと感じています。
SDMは社会の期待に応える成果を出すことができたでしょうか?震災の翌日から様々な学生や修了生、教職員が現地に駆けつけました。「震災危機を超えるエネルギーシステムデザインの未来」や、「震災のここから・これから」、「福島未来ミーティング」などのイベントや「停電回避プロジェクト」などのプロジェクトなど、多様な取組みがSDMから始まりました。また、多くの学生や修了生が企業や国の組織、NPOなどに所属し、SDMで得たスキルや知識を生かして復興のために活躍しています。しかし、災害を経て、SDMが未来の世界をリ・デザインできたかというと、まだ十分ではありません。イノベーティブなソリューションを導き出し、それをシステムとして実現することがSDMの使命であり、存在価値だと考えています。この春、そのチャレンジを可能にするデザインプロジェクトや、国際プログラムなど、SDMの力を発揮する活動が、新たにスタートします。それらの活動を通して、社会の期待以上の成果を出すSDMの価値向上に寄与できればと考えています。 震災当時、修士課程1年生であった学生を中心に58名の学生が、この春、修了を迎えます。各学年100名にも満たないSDMでは、その規模にも関わらず、多種多様なシステムに関する活動が推進されています。数年で修了する学生と共に社会に役立つ活動を継続的にマネジメントしていくことは大変難しいと痛感しています。しかし、SDMが、設立以降様々な成果を出し続けられているのは、より良い未来を実現するためのシステムやシステムデザイン・マネジメント手法を創り出していこうとする学生の情熱によるものだと思っています。教員も学生も互いに学び、教え合うという慶應義塾の「半学半教」の精神を具現化したSDMの伝統を一緒に築いてくれた今年の修了生に感謝するとともに、これからの社会での活躍を期待しています。
ラボ紹介
システムデザイン
メソドロジーラボ

白坂成功 准教授

TOPICS
1. ワークショップ「世界初量産型電気自動車『日産LEAF』の商品企画を知る」
2. 2011年度海外交換留学派遣生について(半期留学者)
3. SDM研究科公開講座「自分の本を出したい人のための出版講座」 報告
4. 屋内混雑度共有アプリaitetterをAndroid用に提供開始~空いているところがすぐわかる~
5. SDM研究科主催ワークショップ 「暮らしをまもる 宇宙をまもる - 交通・エネルギー・宇宙の未来を考える -」
6. 「百姓が地球を救う」に慶應SDMの自然栽培研究が掲載
専任教員からのメッセージ
手で考えるシステムデザインの実践
(小木哲朗教授)
「木を見て森を見る」は、SDM研究科設立時からの教育と研究における理念の一つですが、実際のシステムデザインの場で、これを実践していくことの難しさは常に感じます。
木を詳細に見るには手を動かすことが必要ですが、森を見るにも頭だけではなく手を動かすことは重要です。「手は第2の脳である」は哲学者カントの言葉ですが、手を動かしてデータを集める、手を動かして図を描く、手を動かしてプロトタイプを作る行為は、自分の思考を外化し、客観的に物事を考えることにつながります。この第2の脳は、科学の進歩によってさまざまな道具を手に入れ、機能を大きく拡張してきました。人間はコンパスや定規を手にすることによって幾何学を作り上げ、プログラミングやITのスキルを学ぶことによって計算機を脳の一部として利用することを可能にしました。現在でもスマートフォン、タブレット端末等、我々の手の機能は拡張し続けています。システムデザインの実践論もまた常に進化しています。
ラボ紹介
比較政治制度システム論ラボ

ヒジノ ケン・ビクター・レオナード 准教授

TOPICS
1. デルフト工科大学からの留学生による報告会
2. 2011年度交換留学派遣生について(短期留学者)
3. 博士学位請求論文審査公聴会報告 および 遺稿論文
4. 修論審査会 実施報告
5. VSEセンター主催プロセス改善セミナー開催
6. アグリゼミ ゼミ生提案の「若者を鍛えるツアー」実現~山形県最上町
7. SDM研究所共催「吉原と浮世絵に関する国際シンポジウム」開催報告
研究委員長からのメッセージ
SDM飛躍の年
(前野隆司委員長)
明けましておめでとうございます。本年も、ご指導、ご鞭撻のほど、どうぞ宜しくお願いいたします。
昨年は、日本における大震災、電力危機から、世界の金融危機、通貨安競争、争乱、格差拡大まで、世界中のあらゆるシステムが大規模・複雑化し、相互に関連しあい、容易には全体最適の問題解決策を見出し得ないことを痛感させられた年でした。
個人的には、尊敬するイノベータ、スティーブ・ジョブス氏を失ったことに大きなショックを受けた年でもありました。まさに、あらゆる事象をシステムとして捉え、イノベーティブなシステムをデザインしていく、SDMの必要性が高まっていると言えるでしょう。このため、今年のSDMは、これまで以上にコンセプトを明確に打ち出し、多様な教員、学生、研究員の連携のもと、世の中のニーズに即した国際的研究成果と人材育成成果を世に問うていきたいと思っています。
これまでのSDM NEWSでは研究科委員長が巻頭言を述べていましたが、今年は趣向を変え、12名の専任教員が月替わりで巻頭言に登場し、それぞれのSDMにかける思いを語る場にしたいと思います。また、それに先駆け、1月号では、12名の専任教員の抱負を掲載いたします。多様性を生かし、社会に貢献するSDMにご期待ください。
ラボ紹介
1月号のラボ紹介は、お休みします。
TOPICS
SDM専任教員 「2012年の抱負」
1. 北京大学における留学フェアにSDMが参加
2. 経営・財務戦略論の学外活動でアニメ産業を企業見学
3. ダンカン・ムーア教授による「アントレプレナーシップ」集中講義開催
4. プロジェクトマネジメントでミニプロジェクト実施
5. Rashmi Jain准教授による集中講義開催
6. 留学報告会 開催報告
7. 日本科学未来館で科学教育ドームアニメの上映
8. ビジュアルメディアEXPO等で「デジタル3D浮世絵」が展示
9. イベント報告:2011.12.11 福島復興イベント「ふくしま未来ミーティング」開催
10. 視覚障がい者向けの音声ナビゲーションシステム
11. 高野教授が出席した座談会の記事がエンジニアリング協会の広報誌に掲載
お知らせ:受賞報告