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システムデザイン・マネジメント研究科の理念と特徴

未来世界をリ・デザインする、SDM学

理念 ―全体統合型学問体系により、未来世界の先導を担う

現代社会の大規模・複雑化した諸問題を解決するためには、従来の縦割り型学問分野のみでは不十分です。マクロな視点から問題を俯瞰的に捉え、全体統合型の解決策を提案(デザイン)するとともに、解決策をミクロまで確実に精緻化する、システムデザイン・マネジメント(SDM)学という全体統合型学問が不可欠です。このため、SDM学を身に付け、新しい時代を先導できる次世代リーダーを輩出するとともに、SDM学に基づく実践的研究成果を世に出すことによって、よりよい世界の構築に貢献することが、私達システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科の理念です。

なりたち ―世界随一の大学院

SDM研究科は、システムデザイン・マネジメント(SDM)学という新たな実践的学問体系の教育研究を行うために、慶應義塾創立150年にあたる2008年に設立された、国際的に例を見ない大学院です。すでに何らかの専門性を身につけた社会人学生や、システムという視点を身に付けたい新卒学生に対し、環境共生、社会協生、安心・安全、健康・福祉などの多様な価値の関係性も考慮してシステム全体を創造的にデザインするための知恵とスキルを教授することを目指して設立されました。自分を変え、世界を変えたいという高い志を持つ皆さん、一緒に新しい世界を創りませんか。

SDM学とは ―システム力、デザイン力、マネジメント力を身につける実践的学問体系

SDM学とは、システムズエンジニアリングやシステム思考、デザイン思考、プロジェクトマネジメント等をベースに構築された、文理融合型、学問分野横断型の学問体系です。環境共生、安心・安全、健康・福祉といった社会のニーズを徹底的に考慮しつつ、新たな技術システム・社会システムのデザインを行い、マネジメントしていくための方法論や手法から成り立っています。SDM学は、SDM研究科修士課程のコア科目(システムズエンジニアリングなどを通してシステムとしての見方の基本を習得)、デザインプロジェクト(チームで協働し、イノベーティブなソリューションを創造するデザイン思考の基本を習得)、SDM研究(実践的な研究を体験)、専門科目(各自の専門性に応じてSDM学の発展的内容を修得)を履修することによって、学ぶことができます。後期博士課程の場合は研究が中心になりますが、修士課程の必修科目を履修することを強く推奨しています。

SDM研究科の特徴 ―熱きメルティングポット

文系・理系の枠を超え、新卒・社会人の枠も超え、組織のセクショナリズムの枠も超え、これまでにない新たなシステムの構築を目指す、SDM研究科。教員は、国際経験、社会経験豊富です。学生も、新卒者からメーカー、サービス、シンクタンク、金融、建築、アート、マスコミ、コンサルタント、法曹、省庁、自治体、教育、経営者まで、あらゆる分野、あらゆる年齢層、様々な国籍の者が集まっています。高き志を持った者のメルティングポット(るつぼ)、熱きSDM研究科の雰囲気は、ひとことでいうと、これまでにない大学院。MBA/MOTよりもシステマティックで、理工系よりも価値的視座が広く、社会科学よりもアナリティカルで、哲学よりも実践的。国外のSDMよりもスコープが広く、専門職大学院と違って先端研究も行っています。どの学問分野とも違って、学問分野横断的に、環境にも人間にも優しい未来のシステムソリューションを創造します。

研究分野 ―あらゆる対象をシステムと捉え、デザイン&マネジメントする

では、SDM研究科ではどんな分野の研究を行っているのでしょうか? 答えは、あらゆる分野です。科学技術システム、地球環境問題、環境共生システム、安心と安全保障、ヒューマンインタフェース、情報・通信・メディア、モビリティー、都市空間と住空間、地域、組織、コミュニティー、医療・医薬、農林業、宇宙、海洋、外交、政治、経済、経営、マーケティング、コンサルティング、教育学、社会学、心理学、アート、体育学、文学、哲学。ただし、共通点があります。単なる専門研究は行わず、社会のニーズを徹底的に明らかにしてから詳細研究に移ること。単なる調査研究は行わず、必ず新しいシステムを提案(デザイン)し、検証(verification and validation)すること。つまり、全体統合型学問であるシステムズエンジニアリングやSDM学に則って、あらゆるシステムのデザイン&マネジメントを行うこと。この共通フレームワークのもと、あらゆる研究を行うことが可能です。

学びのための様々な工夫 ―講義時間帯の工夫、e-learningでの履修から英語科目まで

働きながら学ぶ社会人学生から新卒学生まで、国際的学生から日本人学生まで、様々な学生がともに学ぶことが、本研究科の特徴です。多様な学生のニーズに対応するために、様々な工夫をしています。一つは、講義の時間帯。フルタイム学生には、昼の授業を多数用意しています。一方、働きながら学ぶ学生のために、5限は17時15分から、6限は19時から開始。土曜も一日中授業を行います。また、働きながら学ぶ学生の講義履修や復習のために、e-learningも導入しています。e-learning開講している授業の場合、学生は、後日、インターネットを介して授業のビデオを視聴することが可能です。国際化への対応としては、春入学を日本語コース、秋入学を英語コースと位置づけ、日本語または英語だけでも学べるカリキュラムを構築しています。もちろん、日本語コースの学生も英語の授業を、英語コースの学生も日本語の授業を、それぞれ履修可能です。

Collaboration 協生とは?

慶應義塾では、「独立」と「協生」という二つの焦点を持つ楕円型の理念を掲げています。独立は、独立して考える力の陶冶。独立自尊。協生は、多様な人々と協力し、地球環境と共生し、生きること。協生館は、二つめの焦点を体現する施設として2008年にオープンしました。ここには、三つの大学院(システムデザイン・マネジメント研究科、経営管理研究科、メディアデザイン研究科)のほか、音楽ホール(藤原洋記念ホール)、インキュベーションセンター、研修施設、スポーツ施設、保育施設、飲食店などが入っており、社会との協生、地域との協生を実践しています。SDM研究科は、地球や社会の様々な問題を協力して解決していくためのシステムをデザインする研究科であり、まさに「協生」を体現する組織であると自負しています。