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2010年は、国内外で巨大複雑システムに関わる事件が多発した年と言っても過言ではないでしょう。
新年早々からUAEへの原子力発電所売込みを韓国に出し抜かれ、近々ではTPP、FTA参加をめぐる迷走、露大統領の北方領土訪問、東シナ海における漁船衝突事件、朝鮮半島における砲撃事件、そして、WikiLeaksによる米国公文書公表事件など、グローバル化によって直面せざるを得ない状況が顕在化した歴史に残る年になると思われます。一方、国内に目を向けると、若年層の就職問題や活力の全般的な低下が目立ち始め、2050年にはエマージング諸国に抜き去られるという予測すら生まれています(ロンドンのエコノミスト誌が11月20日号に掲載)。SDM研究科が主張する、グローバルな観点からシステムのライフサイクル全般にわたって、デザインしマネジメントするという基本的なアプローチが今こそ求められています。本研究科は、多くの海外の大学との連携を強化し、国際化に対応しうる人材の育成に力を入れておりますので、来年も、より一層のご支援を賜りますよう、教員一同心よりお願い申し上げます。
ラボ紹介
12月号のラボ紹介は、お休みします。
TOPICS
1. フジサンケイ ビジネスアイに手嶋教授の特別講座の記事が掲載
2. グローバルCOEプログラム「環境共生・安全システムデザインの先導拠点」の記事が新聞に掲載
3. 茂木特別研究教授 特別講義
4. 事業継続計画(BCP)に関する先端研究所の見学会を実施
5. 保井俊之教授の寄稿が日本経済新聞に掲載
6. Movie in the Dark @ Campus 6 Theatre 2010 報告
7. 全国生涯学習フォーラム高知大会(まなびピア高知7 2010)地域再生フォーラム研究発表報告
8. 経営・財務戦略論で企業訪問ツアー
9. カーディフ大学 Dr. R. Setchiによる特別講演
10. ALPS Workshop5 開催報告
11. 第2回プロジェクト・マネジャー能力強化研修 開催報告
12. 保井教授のインタビューが雑誌「経済界」に掲載
13. 米国機械工学会(ASME)年次総会 参加報告
14. 戦略的社会教育システムラボが経済産業省主催社会人基礎力グランプリに出場
身近なシステムデザインの問題として、自転車道の整備を取り上げてみます。10月開催のCOP10出席のために来日された、デンマーク環境相カーレン・エルマーさんが東京都内を自転車で走り、「自転車専用道の整備と子供への交通教育が必要」された報道がありました。
このニュースと前後して、国土交通省研究所の主任研究官が主要な幹線道路を調べた結果、6000キロ以上にわたって、幅1.5メートルの自転車専用レーンを設けることが可能というニュースもあった一方、モデル専用道300キロ整備事業は関係者との調整に手間取り目標達成困難との報道もありました。これらの報道は、環境共生・エコ奨励・健康増進という社会的な動向を受けてサイクリストが激増しているにもかかわらず、これに対応するインフラストラクチャ整備がほとんどなされていない行政・社会問題を象徴しています。歩行者を含む交通弱者の安全性・利便性という要素を加えると、道路に関与する省庁の数は極めて多く、むしろ関係のない省庁を抜き出すほうが早いくらいです。この問題は、SDM研究科の重要研究課題の一つであり、巻頭言で記述するには紙面不十分ですが、デンマーク環境相が与えた教訓を2つ取り上げます:第一は、利用者の立場を最優先にしていること、第二は現場主義であることです。責任ある担当組織は、この大原則に立ち戻ることを真剣に考えるべきでしょう。
ラボ紹介
エアロスペース・インテリジェントシステムズ・ラボ

神武 直彦 准教授

湊 宣明 助教

Sun Kim 助教

TOPICS
1. スイス連邦工科大学(ETH)特別講義
2. ルノー・ポリテクニック・アッシュウセによる「多文化社会における企業経営」講座
3. APCOSE2010にGCOE/SDMの展示ブースを出展
4. 慶應システム・マネジメント講座」特別講演
5. Duncan Moore教授特別講義
6. 宇宙航空研究開発機構( JAXA)向けセミナー システムズエンジニアリング(中級A)教育研修報告
7. 宇宙航空研究開発機構( JAXA)向けセミナー システムズエンジニアリング(中級B)教育研修報告
8. Niels Malotaux氏特別講義
9. 国際プラスチック光ファイバー学会POF2010およびKPRI国際シンポジウム開催報告
10. 中国・上海留学説明会報告
お知らせ:SDM研究科日本語ホームページを更新しました
当研究科では、去る9月14日に行なわれた学位授与式におきまして、博士1名、修士9名の学生に学位が与えられ、2008年入学の第1期生としては3月修了生と併せて合計博士4名、修士58名を送り出したことになります。
ここで学んだことを生かし、技術・社会システムを創造するリーダーとなって活躍してくれることを期待しています。こうして無事に第1期生を送り出すことが出来ましたのも、皆様による格別のご理解とご支援があればこそとの思いを強くし、ここに改めて御礼申し上げる次第です。 先日目にしたJST((独)科学技術振興機構)によるシステム科学技術に関する報告書によれば、文科省COEプログラムにおける採択拠点のうち、システム科学技術関連のものはわずか3拠点(うち2拠点、慶應義塾)であるものの、全国の大学組織においては量的発展傾向にあるとされ、その重要性が謡われる現在、当研究科としても今後益々の教育・研究活動の発展が求められていると身の引き締まる思いです。
ラボ紹介
農都共生ラボ

前野 隆司 教授

林 美香子 特別研究教授

TOPICS
1. 第2回「SysMLフォーラム」
2. 成川輝真助教、日本機械学会 機械力学・計測制御部門から表彰
3. 保井俊之教授、日本CI学会2010年度論文賞を受賞
4. 平成22年度大学院9月学位授与式
5. 平成22年度9月入学式
6. ALPS Workshop4 開催
7. G空間エキスポにてSDM研究科での研究成果を発表
8. 岩澤ありあ君(修士1年)が第61回国際宇宙会議プレナリーセッション"Next Generation Visions For Space Operations"にアジア人として初めて選抜
9. 柿倉圭吾君(修士2年)が第8回日中韓微小重力科学シンポジウムでExcellent 9 Poster Awardを受賞
10. 村瀬博昭君(博士2年)らの「CSAによる地域活性化に関する研究」が地域活性学会で優秀論文に選出
日本社会の活力を取り戻すためにも海外への展開が重要視される昨今、SDMにおいても国際化が様々な形で進んでいます。
前号でご報告した国際会議GLOGIFT2010では、この会議の中核であるインド工業大学と当研究科との交流の端緒を開くことができ、またシンガポール国立大学でシステムズエンジニアリングの中心として活躍するThong Ngee Goh教授、および株式会社インターネット総合研究所所長藤原洋博士による基調講演では、国境を超えた起業家精神を訴えるなど、重要な示唆に富んでいました。
当研究科においては、昨年から連携を実施しているオランダ・デルフト工科大学との交換留学生枠が従来の3名から6名(本年度5名実績)に増え、スイス連邦工科大学、イタリア・ミラノ工科大学、フランス・INSAトゥルーズ校とも交流協定が整いました。留学を積極的に希望する学生も多く、当研究科の目指す国際化が加速されています。
研究室紹介
ヒューマンシステムデザイン
研究室

前野 隆司 教授

TOPICS
1. 藤崎一郎駐米大使特別講演会
2. 東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所 視察
3. ALPS Workshopおよび懇親会
4. SDM研究科説明会
5. プロジェクトマネジメント教育を推進する米国の大学との連携を探る
お知らせ:第2回プロジェクト・マネジャー能力強化研修
最近の宇宙プロジェクトは、明るいニュースが多い。とりわけ、小惑星「イトカワ」より無事に地球への帰還を果たした「はやぶさ」の快挙には、多くの日本人が沸いた。遠く離れた数百メートルほどの小さな物体にランデブし、写真を地上に送り返すことでさえ現在の技術では一大快挙である。
さらにカプセルを無事に地球に戻すことに成功したことによって、誘導制御技術、回収技術のレベルの高さを世界に証明した。 往復7年、約60億キロを旅したカプセルが一般公開されたJAXA相模原の宇宙科学研究所や筑波宇宙センターを訪れる人の数は、記録破りとなり、数時間待ちの行列が出来ているとの報道である。「ロマンがいっぱい詰まっている実物を見て感動した」という見学者のコメントが人気の理由を物語っている。 この大宇宙旅行を成功に導いた要素技術の一つに「イオンエンジン」がある。本件によって、性能と信頼性が実際の宇宙空間で実証されたのを契機に、開発メーカであるNECが世界市場に打って出るというニュースも見逃せないであろう。ほとんど全ての静止通信衛星に搭載されているキーコンポーネントであるので、かなりの需要が見込まれると考えられる。同社は、通信衛星用の地球赤外を利用した姿勢センサをほぼ独占的に販売した実績もあるので、さらなる成功を期待したい。また、個人的には「はやぶさ」イオンエンジンの開発担当者国中教授(JAXA)による専門書の編集に携わったこともあり、この分野に対し特に若手研究者の注目が集まることを大いに期待している。
研究室紹介
科学技術システム研究室

日比谷 孟俊 教授

TOPICS
1. 宇宙航空研究開発機構 (JAXA)向けセミナー(PM初級)報告
2. 保井教授の研究会の政策提言がJBプレスに連載
3. メガバンクのディーリング・ルーム見学会を実施
4. INCOSE 国際シンポジウム 2010参加報告
5. ISSS 2010国際会議参加報告
6. 「慶應システム・マネジメント講座」究極の速読法―リーディングハニー6つのステップ
7. GLOGIFT2010開催報告
メキシコ湾で操業を続けているBP社の海底油田のパイプライン破損とその結果生じた大量のオイル流失は、最近発生した最も重大で広範な影響を及ぼす大規模システム事故と言えます。
2010年7月初旬現在において、その流出量は2億バレルを超えており、今後も垂れ流しを続けることは疑いないでしょう。今回は、この問題をシステムエンジニアリングの三つの側面から考えてみたいと思います。
第1は、石油業界に君臨するBP社が一方ではこの種の不祥事をここ数年にわたって続けていることです。今回も、敷設時の手抜き、事故発生後の初期アクションにおける見通しの甘さが指摘されています。第2に、数年前からBP社は米国MITにBPスクールの開設を依頼し、多くの幹部要員やエンジニアを育成しています。このような教育の効果はどうなのでしょうか。第3にBP社の問題というよりも、エンジニアリング技術で生きる企業やエンジニアの問題として、海底1500メートルにおけるロボット作業が大変低いレベルにあることを暴露したことです。深海におけるロボット作業が困難を伴うことは事前に分かっていることであり、突発事故も十分予想できたことです。むしろこのような事故を想定していなかったとしたら、システムズエンジニアリングの観点からは、落第でしょう。
それにしても、今回の遠隔作業ロボット技術の未成熟さは、多くの人々に失望を与えています。十数年前に小笠原沖3000メートルの海底からH-IIロケットのメインエンジンを玉がけして拾い上げた高度な遠隔ロボット技術と今回の要求との間には、大きな技術バリアがあるのでしょうか。SDM研究科の掲げる「木を見て森も見る」「森を見て木も見る」ことの意義を強調しすぎることはないでしょう。
研究室紹介
ユビキタス通信研究室

春山 真一郎 教授

TOPICS
1. 高野教授の記事が「SELF BRAND 2011」に掲載
2. 佐々木教授の2010 Daniel E. Noble Award受賞記事電子版が発行
3. 狼委員長の寄稿記事が日本機械学会誌に掲載
4. 国際連携事業報告 ― 交換留学制度の拡張
5. 集中講義報告「信頼できる組み込みシステム」
6. 宇宙航空研究開発機構(JAXA)向けセミナー(SE初級)報告
7. 宇宙三田会とSDM研究科の連携行事報告
8. ALPS#2実施報告
お知らせ:SDM簡易版パンフレット改訂
5月の連休以降、SDM研究科では教育研究活動がますます活発に行われています。
第1に、デザインプロジェクト科目ALPS(Active Learning Project Sequence)では、「安全・安心」をトップコンセプトとして、長期的な視点からとらえた魅力的なテーマが第1回ワークショップにおいて数多く発表され、修士1年の学生を中心とする各チームが検討を開始しました。開講に際しては多くの企業からのテーマをご提案いただき、またチームに参加していただいたことに深く感謝します。
第2に、国際連携の動きに一層拍車がかかり、多くの交流が実現しました。スタンフォード大学Leifer教授による「Dancing with Ambiguity(あいまいさと遊ぶ)」という同大ならではの特別講義、スタンフォード大学Beiter博士・MITde Weck教授などによる前述のALPSワークショップ、イスタンブール工科大学との包括協定締結、デルフト工科大学における第2回TPM/SDMワークショップの開催、などが挙げられます。
授業および研究活動が波に乗って本格化する時期でもあり、教員一同気を引き締めて取り組みますので、一層のご支援をお願いします。
研究室紹介
制御システムデザイン&ダイナミクス研究室

西村 秀和 教授

TOPICS
1. ALPSキックオフミーティングおよびALPS#1実施報告
2. Stanford Center for Design Research (CDR) / d.school ワークショップ
3. 研究科説明会報告
4. James Martin氏集中講義報告
5. Duncan Moore教授特別講義(アントレプレナーシップ授業)
6. イスタンブール工科大学と包括協定締結
7. TU Delft TPMとの第2回ジョイントワークショップ・第13回インフラ経済国際会合への出席
8. 「慶應システム・マネジメント講座」開設 記念特別講演
9. 障がい者支援施設「横浜らいず」見学会を実施
システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科はこの4月、修士課程57名、博士課程19名の新入生を迎え、また新たな一歩を踏み出しました。恒例のSDM入学合宿には、教員と新入生がほぼ全員参加し、4月23日から2泊3日の交流を行いました。
これは米国などの大学で行われているブートキャンプに匹敵するもので、さまざまな職種の社会人学生および新卒の学生が集まる当研究科にとって非常に重要なイベントと言えます。
初日は職員も交えての懇親会、そして二日目、まずは白坂成功准教授のロジカルシンキングの講義と討論で始まり、その後グループを編成して各グループにより提案されたシステムに関するテーマを数時間でまとめるシステムディスカッションへと続きます。その後に行なわれたプレゼンでは、素晴らしいコンセプトをまとめ、発表をするチームも出てくるなど、熱気あふれるものとなりました。夜は懇親会で盛り上がり、まずは学生間および学生・教員間の顔合わせが十分にできました。合宿の結びには、こちらも恒例の福澤研究センターの西澤直子教授による福澤学の講義で福澤精神や慶應義塾の歴史を学び、新入生には大変充実した合宿となったと思います。
当研究科では留学生の受け入れが盛んになってきています。また、4月初旬にスイス連邦工科大学のPaul Shoensleben教授らにより実施されたビジネスゲームを皮切りに、MIT、スタンフォード大学、デルフト工科大学の教員も参加する国際連携プロジェクトALPSも始まりました。海外の大学との連携もますます多くなり、英語を駆使する機会がさらに増えてきました。学生には英語特訓クラスなどを受講して、積極的に英語に習熟する機会を多く持って欲しいと思います。
研究室紹介
ビジネスエンジニアリング研究室

中野 冠 教授

TOPICS
1. CESUN年次総会参加報告
2. 「システム管理技術演習」集中講義
3. 入学合宿開催
4. 半学半教による英語特訓クラス開講
5. 英語カリキュラムの開始
最近の学事関連のご報告と国際関連の状況をお伝えいたします。
去る3月29日、日吉キャンパスで行なわれた学位授与式におきまして、博士2名、修士49名の学生に学位が与えられました。
また、新卒修士の学生17名のほぼ全員が希望する企業に就職し、社会に羽ばたいてまいりました。
こうして無事に修士課程第1期生を送り出すことが出来ましたのも、皆様の格別のご理解とご支援があればこそとの思いを強くし、この場を借りて厚く御礼申し上げる次第です。また、4月7日の入学式におきましては、新入生として修士課程に57名、博士課程に19名を迎えました。教員一同、気持ちを一層引き締めて、教育・研究に臨む気持ちです。
当研究科の国際連携については、複雑システムをデザインしてマネジメントするための統合的なアプローチをとり、国際性豊かなグローバルな人材育成を目指しております。そのため設立当初から国際連携と英語によるコミュニケーションを重視し、米国MIT、スタンフォード大学、オランダデルフト工科大学などとの連携を深めてまいりました。今年度からは、文部科学省グローバル30プログラムの助成により、英語による授業を大幅に増強し、日本語が理解できない学生も必要単位を取得することが可能になりました。英語をネイティブ言語とする教員の採用、欧米大学からの教員による集中講義などを設置し、従来から英語で行ってきたデザインプロジェクトALPS(Active Learning Project Sequence)の陣容も強化し、外国人留学生の本格的受け入れに向けて態勢が整いました。
また5月以降、デルフト工科大学との共催によるワークショップ、再生可能エネルギー国際会議における理工学研究科との共催によるワークショップ、米国スティーブンス工科大学、インドIITムンバイ他とのフレキシブル・マネジメントに関する国際会議の共催など、各国大学との協力のもと積極的な活動をして参ります。このような海外との交流は、学生の国際感覚を磨き、コミュニケーションの重要さ・難しさを理解するために絶好の機会となると判断し、国際化・グローバル化に立ち向かう人材の育成のため、大いに推進していく所存です。今後も皆様のなお一層のご協力の程よろしくお願い申し上げます。
研究室紹介
コミュニケーション・デザインラボ

当麻 哲哉 准教授

TOPICS
1. 「要求工学」集中講義
2. PMI- GAC (Global Accreditation Center) アカデミック・ワークショップ参加報告
3. 高野教授・狼教授 週刊東洋経済にインタービュー記事掲載
4. 「OPMとそのシステムズエンジニアリングへの応用」特別講義
5. 平成21年度大学院学位授与式
6. SDM研究所研究員北村憲康君 読売新聞に記事掲載
7. 農都共生ラボ活動報告書が完成
8. 小木教授・西村教授 研究開発記事がnikkeiBPnet等に掲載
9. SDM研究所研究員安岡寛道君 講談社MOOK「セオリー 2010 vol.2」に記事掲載
10. 春山教授の可視光通信デモがYouTubeで公開
お知らせ:SDM研究科英語ウェブサイトリニューアル
2月10日および11日に、システムデザイン・マネジメント研究科第一期生の修士論文の発表会と審査会が行われました。
真の文理融合を掲げ、様々な試みを行ってきた当研究科としては、論文の内容やまとめ方について不安と期待が入り混じっていましたが、審査会に臨んだ学生諸君は、森も見て木も見るという見識に裏付けされ、仮説設定・検証というアプローチをよく理解した研究結果をしっかりとプレゼンテーションしていました。外部評価委員からも非常に高い評価をいただきました。当研究科の第一期生の熱気も感じられましたことを誇りに思うと同時に、このエネルギーとチャレンジ精神をもってさらに前進することを期待しております。
研究室紹介
社会中枢システムラボ

手嶋 龍一 教授

TOPICS
1. 第一期生の修士論文審査会
2. 「全体論的な思考」集中講義
3. 「プロジェクトの予測」集中講義
4. 学生プロジェクトが学生起業家選手権決勝大会で優秀賞を受賞
5. 2009年度海外留学派遣生について
6. 学位授与数および博士論文タイトル
7. INCOSE International Workshop 2010 出席
8. 狼委員長 INCOSE よりESEP に認定~アジア初の快挙
9. 「低炭素社会におけるエネルギーマネジメント」刊行
10. 瀬戸寿之君が平成21 年電気学会新エネルギー・環境技術研究会「若手優秀発表賞」受賞
お知らせ:ALPS2010 プロジェクトテーマ募集
SDM NEWS1月号で、アラブ首長国連邦(UAE)の原子力発電の国際入札において日本企業が韓国に敗れたことを報告しましたが、2月初旬、ベトナムの原子力発電所建設の国際入札において日本企業グループがロシアに敗れるというニュースが報じられました。
再度の敗北に政府も対応策の策定に乗り出したようです。このような状況を打開するには、国際舞台で活躍できる人材の育成が急務であり、これがSDM研究科の掲げる大きな柱の一つです。専門分野に精通しているばかりではなく、交渉力を始めとする総合力の他に、仲間つくりや情報収集ネットワークの構築など長年にわたる蓄積が不可欠です。SDM研究科は、2008年4月の設立以来、米国MITおよびスタンフォード大学との連携で進めているアクティブ学習プログラム(ALPS)を始めとして、オランダのデルフト工科大学やスイス連邦工科大学(ETH)などとの連携を深め、海外で活躍する人材を育成して行く方針です。SDM研究科をご支援くださる企業・事業体の皆様からのアドバイス・ご指導をお願い申し上げます。
研究室紹介
環境共生システムデザインラボ

佐々木 正一 教授

TOPICS
1. デルフト工科大学の交換留学生による最終成果報告会
2. 学生プロジェクトがキャンパスベンチャーグランプリで関東経済産業局長賞を受賞
3. 神武准教授 IT Media エグゼクティブにマンスリー記事掲載中
4. 1月30日にテーマ発表会行われる
5. 佐々木教授 2010 IEEE Daniel E. Noble Award を受賞
6. 辻英美子(修士2年)君が平成21年電気学会優秀論文発表A賞受賞
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 新年早々、衝撃的なニュースが走りました。アラブ首長国連邦(UAE)の原子力発電の国際入札において韓国が勝利をおさめたことです。
日本企業2社は、技術の高さを強調したのに対して、フランスと韓国は国が一丸となり、買手側の立場に立ってプレゼンテーションを行ったとのことです。この決定的な違いに対して、相手側のトップから日本のトップへアドバイスがあったと言われています。韓国がかなり前からシステムズエンジニアリングの重要性を認識し、官民挙げてシステムアプローチに取り組んできたことを思い起こします。この敗北の危機感を皆さんと共有したいと強く思う次第です。
システムデザイン・マネジメント研究科が目指すところは、局所に眼を奪われ全体を見失う日本人の弱点を認識し、大局的な最適なシステムをデザインする人材の育成です。2008年設立以来、システムズエンジニアリング国際協議会の拠点として活動を続けると同時に、多くの海外大学と連携を深めてきました、また、昨年は、国際的な大学組織であるエンジニアリングシステムズ大学協議会(CESUN: COUNCIL OF ENGINEERING SYSTEM UNIVERSITY)のメンバーになり、北米、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの40以上の大学とのグローバルな連携を開始しました。エンジニアリングシステムは、システムエンジニアリング、技術や政策、エンジニアリング、企業活動、オペレーティングリサーチ、製品開発などが含まれている学際的な分野です。この協議会では、エンジニアリングシステムの開発に関する議論や、教育教材の共有、国際会議開催などを行います。
今年の3月には、SDM修士課程の第1期生が社会に出て行きます。SDMへの期待と同時に、厳しい評価が下されることになります。研究科教員一同、気持ちを引き締めてチャレンジしていきますので、宜しくご指導・ご支援のほど、お願い申し上げます。
研究室紹介
ビジュアル・シミュレーション研究室

小木 哲朗 教授

TOPICS
1. SDM研究科説明会(12月12日(土)日吉および22日(火)三田)
2. 「システムアーキテクティングとデザイン」、「システムインテグレーション」講座
3. 手嶋教授 第二回『アイ・カレッジ』で講義
4. 狼委員長 日経BPnetにインタービュー記事掲載
5. KEIO TECHNO-MALLにてグローバルCOEプログラムの成果を発表
6. 当麻准教授 ハーバードビジネスレビューでSDMのリーダー育成への取り組みを紹介
7. 春山教授 電子情報通信学会通信ソサイエティ「電子情報通信学会フェロー称号」贈呈