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2015.11.13

「Model-Based Systems Engineering (MBSE)シンンポジウム」開催報告

2015年11月7日(土)、慶應義塾大学 日吉キャンパスにてINCOSE日本支部(JCOSE)と慶應義塾大学SDM研究所システムズエンジニアリングセンター(代表:西村秀和教授)との共催で「Model-Based Systems Engineering (MBSE)シンンポジウム」を開催いたしました。シンポジウムには、自動車関連企業、電機関連企業、技術コンサルティング企業、省庁、大学、など様々な企業や組織体からマネジメントやエンジニアの方々など、総勢100名を越える参加がありました。
 冒頭、西村秀和教授の挨拶ではじまり、INCOSE CAB (Corporate Advisory Board)メンバーであり米国を中心にDoD(米国国防総省)やNASA(米国航空宇宙局)などのMBSE活動の推進に大きく貢献する米国NoMagic社 Chief Technical Officer, Enrique Krajmalnik氏の講演がありました。MBSEの基本的な考え方から入り、それらが欧州の巨大天体望遠鏡開発プロジェクト「E-ELT」や、NASA JPL(ジェット推進研究所)の木星探査機、衛星エウロパ「Europa Clipper」開発プロジェクトなどで実際の開発に寄与した具体的な事例が提示されました。また、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 石橋金徳特任助教からは、日本国内におけるシステムズエンジニアリング、MBSEへの取り組みから得られた知見について紹介があり、よくある誤解やよくある間違いなどを交えて講演されました。
 質疑応答では、システムズエンジニアリング、MBSEを実際に自社・組織のエンジニアリングの一部としていくための工夫や、システムモデルの構築、活用に関して、会場から質問が数多くあり、Krajmalnik氏をはじめとするNoMagic社メンバー、西村教授、石橋特任助教が事例や経験を踏まえながら対話形式で回答し、会場の皆さんと活発なやりとりを行いました。シンポジウム終了後にも多くの参加者がKrajmalnik氏らに直接質問などをする様子が見られ、各企業・組織における関心の高さ、積極性を垣間見ることができました。  高いレベルでのシステムズエンジニアリング、現場におけるMBSEの実際について直接声を聞く機会は、日本ではまだまだ少ないですが、大変貴重で、有意義なシンポジウムとなりました。

米国NoMagic社 Chief Technical Officer, Enrique Krajmalnik氏

MBSEのモチベーションを語る石橋特任助教

シンポジウムには企業や組織体から大勢のマネジメントやエンジニアの方々が参加