教員


財宝が転がっているとても魅力的な場所

白坂 成功 准教授

元・三菱電機株式会社。専門分野:システムズエンジニアリング、宇宙システム工学、システム安全/機能安全。
「こうのとり」(HTV: H-II Transfer Vehicle)の開発では、アビオニクスアーキテクチャ設計、システム安全設計をはじめ、全体インテグレーションを行う。フライトコントローラとして運用終了まで実施。「こうのとり」開発では多くの賞を受賞。

SDMに就いた経緯や動機

三菱電機で宇宙開発の仕事をしていたときに、“知っていること”の重要性を痛感しました。もちろん知っているだけではなかなか簡単には実務には使えないのですが、知らないと考えるきっかけさえも掴むことが難しくなってしまいます。「こうのとり(HTV)」の開発中にシステムエンジニアリングの考え方を知らなかったために苦労した経験から、システムエンジニアリングを教えることを始めました。自分の15年の開発経験をベースに、システムエンジニアリングの標準的な言葉を使って本質的な考え方を教えたいと思い、SDMで働き始めました。
SDMでは、主にコア科目と言われる必修科目を中心に担当しています。コア科目は、SDMで行われる他の科目や研究のベースとなる科目ですので、じっくりと演習に取り組みながら学生のみなさんがSDMの基礎となる考え方を十分に理解できるように気を付けています。

システム開発の方法論

SDMではシステム開発の方法論について研究をしています。方法論は、その適用分野によらない一般的な研究と、適用分野向けにそれをテーラリングしたものの2種類があります。私のバックグラウンドが宇宙システムですので、研究の一つとして、東京大学等外部の大学と共同で超小型衛星の開発プロジェクトを進めています。これは50Kg以下くらいの超小型衛星といわれるものを、通常の衛星よりも2桁安いコストで開発し、その利用を促進するというプロジェクトです。その中で主にシステムの開発方法論を担当しています。この中では、大規模開発で使われる欧米的な方法論ではなく、より日本の文化にあった日本らしい方法論の構築を目指しています。
また、方法論自体はいろいろな分野のシステムに適用が可能ですので、他の先生方と共同で研究を進めています。前野教授とは、“モノ”ではなく、“人”を中心にしたシステムの開発についての研究などを進めています。
更に、私が「こうのとり」でシステムの安全性設計を行っていたため、システム安全についての研究も一つの中心となっています。例えば、スマートグリッドへ機能安全という国際標準をどのように適用するかについての研究なども行っています。

SDMが社会で果たすべき役割

SDMでは、技術システムだけでなく、政治・法律・人間社会・環境のようなものも含めたシステムを統一的に扱う方法論を研究・教育することを目指しています。今後、継続的に人類が生活を続けていくためには、こういった考え方を身に付けたリーダが、各分野の専門家の協力を得ながら、大きなビジョンを構築し、更にそれを実現していくことが必要だと感じています。SDMは広くシステムを扱うホリスティックな考え方(SDM学)を構築し、その教育を提供することで、継続的にSDM学を理解した人材を世の中に輩出することが求められていると考えています。

財宝が転がっているとても魅力的な場所

何か1つでいいので、自分として自信が持てる分野を持ちながら、それには満足できないで、自分を超えることを目指し続けるような学生に来てもらいたいと思っています。SDMは財宝がごろごろと転がっているとても魅力的な場所です。でも財宝を手に入れるためにはそれなりの努力が必要です。SDMでは、努力をすればそれに見合った宝を手に入れることが出来るところです。自分のため、そして社会のために努力を惜しまない人であれば、努力以上に得られるものも多いと信じています。