声
在学生

私にとってのSDMとは、キッチンです。
市川 愛(2011年春入学)
2007年3月 中央大学附属高等学校卒業
2011年3月 中央大学文学部人文社会学科社会学専攻卒業
SDMを選んだ理由
私がSDMへの入学を希望したのは、自分のやりたいことを最大限に実現できる場だと判断したからです。学部時代、留学をしたい気持ちがずっとありましたが、なかなか実現させることはできずにいました。だからこそ、受験する大学院を選ぶときには、自分の研究を通じて社会に貢献するという目標だけでなく、これまで成し遂げられなかった留学も実現させるという2つの軸から選択をしました。そして、辿り着いたのがSDMでした。
SDMでは交換留学をしながら、修士を2年間で修了することができます。一般的な大学院では、修士だと3年かかるか、もしくは博士でないと留学することが難しいと聞きました。そのような中で、このような大学院は非常に貴重で、まさしく私が求めていたものでした。グローバル化が当たり前になった今日で、社会のリーダーとなる人物を育てようとするSDMの教育方針が、よく表れている制度だと思います。
もちろん、入学の決め手となったのは留学だけではありません。SDMでは研究だけではなく、授業やプロジェクトを通して新たな知識を身につけられると思ったからです。学部時代に社会学を専攻していた私にとって、「システムデザイン・マネジメント」という分野は未知なもので、一つの挑戦でしたが、今まで全く触れたことのなかった学問に触れてみたいという好奇心が、その不安に勝りました。また、学生の割合として、学部新卒者だけでなく社会人の方も多く研究科にいらっしゃるので、プレゼンの仕方やグループワークへの取り組み方など、そういった先輩方から汲み取れる知識もあるのではないかという期待もありました。
さらに、全く異なった研究分野の者同士が一つの研究科に集まっているということもSDMの大きな特徴と言えます。研究分野は多岐にわたり、宇宙やロボット、映像、アート、音楽など様々です。自分の研究の専門の研究科に行けば、それなりの知識を得ることができるでしょうが、それだけではつまらないと感じました。自分で研究を行っていればその分野に関しては自然と詳しくなることができますし、右も左も自分と同じことを知っている人間が集まっている空間では、与えられることも、与えることも少ないのではないかと思いました。一度、その分野から足を離してしまうと、急に下を向いてしまうような状態ではなく、自分の研究以外の分野についても、顔を上げて話せるようになる研究科だと思います。
グループワークを通じてのかけがえのない経験
恵まれた環境の中で刺激を受ける毎日ですが、中でもやはりプロジェクト科目ALPSというデザインプロジェクトが最も印象に残っています。これは、マサチューセッツ工科大学やスタンフォード大学、デルフト工科大学の先生からシステム設計のためのツールを習い、プロポーザー企業のニーズに応えるシステムをデザインする、というプロジェクトです。授業は全て英語で行われ、自分たちのチーム発表のプレゼンも英語で行います。そのため、語学の必要性を痛感させられます。しかし、それ以上に、グループワークを通して複数の人間が集まって何かを成し遂げようとする困難さとやりがい、企業のニーズにしっかりと応えられるようにシステムを設計する難しさなど、普通だったら社会に出ていないと経験できないようなことを学生のうちに経験することができました。この経験は、間違いなく社会に出てからも役立つものだと感じています。
私はこのような中で、現在、日本の支援型農業(CSA)をフランスのAMAPという農業モデルに倣って普及させるモデルについて研究しています。研究対象がフランスであるため、SDMの交換留学制度を利用してフランスへ留学をしました。現地で、修士の農業の専門の授業を受け知識を蓄えると共に、英語とフランス語の能力も高めることができました。また、与えられた課題のみをこなすのではなく、自分の研究の調査を現地のフランスで行うことができました。
そんな私にとってのSDMとは、キッチンです。研究科が与えてくれているチャンスをどう料理するかは自分次第で、美味しくも不味くもなります。誰が料理するかによっても、その味は変わってきます。また、必ずその料理風景を影で見守ってくれている人たちがおり、美味しくなるようにアドバイスを与え、サポートしてくれます。それは先生であったり先輩であったり、時には、切磋琢磨し合う同級生であったりと、様々です。失敗しないように最大限の努力をしつつも、とりあえず何事にもチャレンジさせてくれる、そんな場所だと思います。
