SDM e-Learning システム

慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科
2015年度春学期 授業シラバス
KEIO UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL OF SYSTEM DESIGN AND MANAGEMENT
Syllabus for Spring semester 2015


国際政治経済システム論 / INTERNATIONAL POLITICAL ECONOMY: DISCUSSIONS ON ITS SYSTEMS

担当教員
Instructor
谷口 智彦、谷口 尚子
開講日程
Date and Slot
水曜日6時限 Wednesday 6th


前提科目・関連科目
Prerequisite or Related Course
    内外近現代史の知識は多いほどよい。しかしまるでなくても参加できる。その際は不足を痛感するだろうが、講師が示唆する文献に当たるなどして自ら欠を埋めてほしい。それができるのは学生身分の時くらいである。 
履修条件
Course Requirements
    特になし。ただし、知ることの喜びを自ら求める人を歓迎。
開講場所
Class Room
    C3N14
授業形態
Type of Class
    講義主体。ただし、読んでくるものは多い。時々グループワークを課す。
キーワード
Keyword
    戦後史、戦後日本政治経済史、国際システム論、海洋、地政学、同盟マネジメント
学生が利用する予定機材・ソフト等
Machinery and materials / Software
    特になし
授業に関する連絡先
Contact Address for Inquiry Regarding the Course
    taniguchi@sdm.keio.ac.jp
授業URL
Class URL
    開設しない
科目概要(詳細)
Course Description
    【初めに注意!】本講義は例年Chatham Houseルールで実施しています。聞いた中身を余所で紹介することは構わないが、誰が話したか、その出所について厳秘とするルールです。facebook、twitterなど、ソーシャルメディア含め「拡散」することを認めません。
      最初の2回は、谷口尚子特別招聘准教授(日本政治システム、計量分析の専門家。no relation here)とのコラボになります。
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      これからの政治経済システムをつくり運営しようとする若い人たちに決定的に欠けているのは、歴史に関する知識だ。「歴史」と聞くと「大化の改新」や「ローマ帝国」を思い出すようだから、いけない。そんな人間しか育ててこなかった学校歴史教育に問題がある。今を生き、未来をつくる「建設者」が引照すべき歴史とは、現存体制を今あるこのような形にした発展の歴史であって、それは何よりも近現代史、特に戦後史のことだ。
      内容は例年と大略同じ。ただし本年は戦後70周年で、政権内外がそれを意識せざるを得ないことを踏まえ、思想史、外交史にやや力を入れる。かつての講義が一冊になって刊行(『明日を拓く現代史』ウェッジ社刊)されている。履修者は必ず読むこと。講義では同書内容を議論の材料とする。







主題と目標/授業の手法など
Objective and Method of the Course
     社会経済システムが、すべからく歴史の所産だと学ぶ。その歴史とは、諸勢力の力関係においてできることを知り、政治社会を能動的に変えていく「やる気」を養う。毎回異なる物語を講師が示し、それへの反応を問う形で進める。
教材・参考文献
Textbooks and References
     必読文献は谷口智彦『明日を拓く現代史』(ウェッジ)と同『通貨燃ゆ―円、元、ドル、ユーロの同時代史』(文庫、日本経済新聞出版社)
提出課題・試験・成績評価の方法など
Assignment, Exam and Grading Details
    【重要・要注意】 成績は各グレードに満遍なく分布させる。「親心」を発揮しAとA+ばかりという点の付け方はしない。   期末レポートは、必須に非ず、任意提出とする。提出の際は、「●●政策」と称される何か(ex. 社会保障政策、安全保障政策、教育政策、外交政策、農業政策、産業政策、国土開発政策 など)を一つ選んだうえ、まずは1970年時点における同政策の様態を描写しつつ、それがいかなる要求のもと、どんなデザインによってつくられたもので、その効果は果たしてvalidだったか、最低4000字(本文のみ。註を含まず)で述べてもらう。なおこの課題は、木曜7限「行政・経済システム論」と全く同じ。両方を受講する者で、期末レポートを出そうとする者は、これ1本で、双方への課題を満たすと考えてよい。同レポートのネット経由提出期限は、7月21日火曜日午前零時。   これとは別に、各回出席を取る。e-learningは保秘を考え実施しない。社会人にとってはやや開始時間が早いかもしれないが、20分程度遅刻しても構わないから来てほしい。講義への貢献度を評価の柱とするから、3回以上欠席したものに、高得点はやれない。   併せて、各回、出席票代わりに感想を記してもらう。講義内容の理解、想像力、創造性などをここで見て、期末評価の参考とする。
履修上の注意
Notification for the Students
     かかる評価の形式からして、参加者個々の顔、名前を、インストラクターが完全に一致させたうえ、把握しておく必要がある。下記連絡先に、なるべくなら大きなサイズの写真を、氏名や自己アピールとともに、必ず送付すること。
e-learning開講の有無
Availability on e-learning System
    e-learningを開講しない
授業計画
Course Schedule

    No.1 2015/04/08 オリエンテーション 「実務家教員(以下「実教」・この場合谷口智彦・以下同)」 (By 谷口、谷口尚子)
    政治経済システムについて、2人の教員が対談しつつ、学生をエンゲージする。狙いは、政治経済システムに対する関心の惹起。

    No.2 2015/04/15 政策トレンドの国際比較分析 (By 谷口、谷口尚子)
    この回は谷口尚子氏が主として担当。1990年代以降各国で社会契約の書き換えをも射程に入れた改革が進んだ。いま、日本はどこに位置するか、タテヨコでパースペクティブを得る。

    No.3 2015/04/22 1956年の夢 「実教」 (By 谷口)
    制度の濫觴を見る第一回(←ランショウと読む。始まり、の意)。今年は国連発足70周年。来年は、日本が加盟して60周年。日本の国連加盟は、いかなる道のりを辿って実現したのか。当時の熱気とは、どのようなものだったか。

    No.4 2015/05/13 1955年の哀楽 「実教」「双方向」 (By 谷口)
    この年、バンドン会議なるものがあった。それは一体どんなものだったか。仔細に調べて来る者を募る。個人発表でも、団体発表でもよい。早い者順。それからちょうど60年。日本はいったい、何を寿いだか(←コトホいだか、と読む)。

    No.5 2015/05/20 1957年、丘の上 「実教」「双方向」 (By 谷口)
    この年、米アイゼンハワー大統領と会談に臨む岸信介は、議会下院で演説した。和英双方の録音を聞いてきた者に、発表を促す。これも、1名ないしは1グループのみで先着順。いったい当時の日本は、どんな状態にあり、何を訴えたのか。

    No.6 2015/05/27 2015年、再び丘の上 「実教」「双方向」 (By 谷口)
    Fast Forward to 2015。詳細は追って説明する。

    No.7 2015/06/03 1965年6月22日の大団円 「実教」「双方向」 (By 谷口)
    日韓基本条約ができるまでの大騒動について、レポートする者求める。1名ないしは1グループ。これが韓国に与えた影響につき、議論する。

    No.8 2015/06/10 1966年武道館 「実教」「双方向」 (By 谷口)
    The Beatles来日は、どのような現象を巻き起こしたか。大宅文庫を博捜し、当時の新聞をマイクロフィッシュで読んでくる者1名ないし1グループ募る。当時の日本経済と、アジア経済の差につき、議論する。

    No.9 2015/06/17 70年目のコトバ 「実教」「双方向」 (By 谷口)
    ある言葉を考えてきてもらわないといけない。内容は追って詳しく示す。

    No.10 2015/06/24 自衛隊が辿った戦後史 「実教」「双方向」 (By 谷口)
    東日本大震災時に救難指揮を執った元海自横須賀地方総監、高嶋博視氏をゲストに、自衛隊が経てきた閲歴、今後の役割について議論する。

    No.11 2015/07/01 日本外交をデザイン、マネジメントする(1) 「実教」 (By 谷口)
    もしも日本外交をひとつのシステムと見做し、そのデザイン、マネジメントをするとしたら、何から手をつけるか議論する。国力の評価、国益の定義をどのように共通理解の下へ持ち出すかが工夫のしどころ。

    No.12 2015/07/08 日本外交をデザイン、マネジメントする(2) 「実教」 (By 谷口)
    前回の議論を踏まえ、Vモデルを用いて日本外交をデザイン、マネジする案につき、2グループの発表を募る。後半はそれを受けての議論。

    No.13 2015/07/15 日本外交の近過去、近未来 「実教」 (By 谷口)
    ほぼ2005年ごろからの10年、日本外交がいかなる変遷を辿ったか。この先どうなるか議論する。今回、発表は募らない。

    No.14 2015/07/22 外交の語り方 「実教」 (By 谷口)
    今までの回で、何本かの演説、スピーチを見たことになる。講師は言葉の端々に、スピーチとは何か、いかにしてつくられるか話しているだろう。これを参考に、国連常任理事国入りを強く訴えるスピーチ15分モノをつくって発表する者、2名ないし2グループのみ募る。後半はラップアップ。

    No.15 2015/07/29 まとめと展望 「実教」 (By 谷口)
    本講義を受講し、行政・経済システム論を選択していない者のうち、期末レポートを提出した者から優秀なものを選んで紹介し、取り上げられた論点につき議論するとともに、全体を総括する。



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