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専任教員からのメッセージ
新年の挨拶
(ヒジノ ケン・ビクター・レオナード准教授)
日吉キャンパスの銀杏の木が織りなす黄金アーケードも先日の暴風ですっかり枝が裸になってしまい、本格的な冬が到来していますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
これを読んでいる頃には新年かもしれません。あけましておめでとうございます。2014年も慶應SDMをよろしくお願いいたします。
2013年を振り返りますと、世界的に、日本的に、慶應SDM的にいろいろありました。
印象に残る世界的なニュースとして - スノーデン氏が暴露した米NSAのインターネット上の情報収集問題、米の連邦予算巡る与野党対立で米政府機能の一部停止、サッチャー元英首相とマンデラ元南ア大統領の死去、フィリピンでの大型台風災害、中国共産党の習近平総書記が国家主席に選出されたことなど。日本に関しては - アベノミックスの開始、TPP交渉参加表明、維新・橋下共同代表の「慰安婦」発言、参院選での自民、公明両党の圧勝、東京2020五輪決定、特定秘密保護法案の決定などなど思いつきます。
多くの事象が起こり、年が終わる前に多くの事象をもうすでに忘れている、と驚いています。これら2013の「出来事」はすべて世界の社会経済システムのなかで複雑、多様になんらかの形で影響し合っていることを考え出すと、めまいも感じますが、わくわくもします。
2013年は慶應SDMにとっても、多くのイベントやニュースがある年になりました。上の写真はその一つ、私が携わって印象が強かった日本政治.comの鈴木邦和社長の授業内講演後の模様です。若くて、問題意識が強く、野心的で、頭脳明晰なアプローチで解決策を考え、行動に移す鈴木氏の活動に私も多くの受講者も感動していました。
来年もこのような意識で挑み、複雑・膨大なシステムを良い方向に改善できる研究努力をしていきたいと思います。
ラボ紹介
科学技術システムラボ
TOPICS
1. 産総研「シンセシオロジー」に座談会記事掲載
2. 第5回プロジェクト・マネジャー能力強化研修を開催
3. 研究科説明会を日吉キャンパス協生館で実施
4. 「新たな時代の新たな物語 ―エコロジーからコスモロジー社会へ」
5. 幸せの白熱教室・白熱対談を開催

専任教員からのメッセージ
新しい時代のアーキテクトを目指して
(春山真一郎教授)
現在の日本は高度な技術力や製品開発力を持っていますが、これからの時代はそれだけでは不十分で世の中を変えるようなイノベーションを起こす力の方が重要だと言われています。
慶應SDMでは、このような時代の流れに対応して、高い視点に基づいて全体を俯瞰的に捉えるシステム思考と、コラボレーション・共感・プロトタイピングを重視するデザイン思考の両思考を兼ね備えた新しい時代のアーキテクトの養成に力を入れています。また、慶應SDM では講義や研究以外にも様々な活動を行っていますが、2013年9月号のSDMニュースで紹介されましたように、今年9月に開催されたETロボコン2013 東京地区大会において、我々、慶應SDMと株式会社富士通コンピュータテクノロジーズが産学連携チームを組織し、アーキテクト部門Bブロックで総合優勝しました。そこで特に評価されたことは、斬新なコンセプトを企画立案し実現する能力でした。楽しく競い合ったこのようなコンテストですら、新しいコンセプトを作れるアーキテクトが要望されていることを実感した次第です。これからも、このような教育、研究等の活動を通じて、慶應SDMから明るい未来を構築できるアーキテクトが多く輩出することを願っています。
ラボ紹介
アーキテクティングラボ
TOPICS
1. APCOSEC2013開催
2. イノベーション対話ツールの開発
3. 長岡市と多世代健康事業モデル研究会の設立
4. 慶應SDM公開講座 脳とビッグデータ
5. 慶應SDM公開講座「社会貢献」のデザイン・マネジメント -慶應義塾出身のNPO経営者と語る in 日吉- 開催
6. 慶應SDM公開講座 空き缶衛星から始まるイノベーション -高校生や大学生による衛星開発コンテストと宇宙サービス創造ワークショップ- 開催
7. 古田秘馬氏の公開講座を開催
8. 兼松佳宏氏の公開講座を開催
9. 修了生の麻生陽平講師が2012年度日本創造学会論文誌Vol.16における論文賞を受賞

専任教員からのメッセージ
システムを考えて革新に導く。
(西村秀和教授)
2013年9月6日に開催しました"超"モノづくりカンファレンス「モノづくり産業にとってイノベーションをもたらすモデルベース開発とは」(共催:日刊工業新聞社)には、多方面から大勢の方々にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。ここに厚く御礼申し上げます。
産業界をはじめとして多くの方々からモデルベースシステムズエンジニアリングが注目されていることを実感いたしました。慶應SDMではより一層モデルベースアプローチに力を入れて教育と研究を実践して行く必要があると考えます。
「システムを考える=Think Systems.」には、全体と部分の関係性を図的に表現(モデル化)することが重要です。そして、システムの振る舞いや構造を、抽象度を上げて考えることで革新に導くことができます。慶應SDMでは、人と社会と技術が複雑に絡み合うSystem of Systemsのデザインとマネジメントに、このアプローチで果敢に挑戦し続けています。
ラボ紹介
ビジネスエンジニアリングラボ
イノベーティブデザインセンター
TOPICS
1. シンポジウム「Sustainable Happinessへのアプローチ」 開催
2. SDM公開講座 「公共哲学×システムデザイン・マネジメント コミュニタリアニズムと協創」 開催
3. 環境都市デザインに関する国際シンポジウム~横浜と北欧の環境未来都市への取り組み~
4. 慶應SDM-スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)"Interactive Seminar 2013"を開催

専任教員からのメッセージ
日本型システムの大きな無駄
(中野冠教授)
日本製品の品質の高さやサービスのきめ細かさは国内外でよく知られています。そこには、たゆまなく努力して改善する日本人の気質があります。
トヨタ自動車の「無駄を排除する」生産システムコンセプトは海外からも注目されています。それでは、日本型システムは本当に効率がいいのでしょうか?日本のものづくり効率はこの30年間40%近く下がっています。日本の多くの大企業では社内資料や打ち合わせのために膨大な時間を無駄に費やしており、ブラック企業の長時間労働が問題になっています。膨大な投資で社内開発した技術を持ちながらビジネスで失敗する例が散見されます。最近スイスに長期間滞在しましたが、市電は歩くようなスピードで走っており、サラリーマンは帰宅時間が早く平日でもハイキングや音楽鑑賞など有意義に過ごしていました。しかし、都市システムがしっかりしており、経済は好調でとても豊かなように見えます。彼らは本質をじっくり見定め、正しい方向で効率よく仕事をしているように見えます。一方、東京では、電車が高速で駅のホームに入ってきます。交通の便がよく効率的に見えますが、本当はシステムをじっくり考える余裕がない状態になっていないでしょうか。国家財政、原子力政策、東北被災地復興など重要問題は、先送りや停滞が目立ちます。目の前の改善に拘った細かい努力はかえって大きな無駄を生んでいる可能性があります。日本の社会システムは、システム思考によって大きな無駄をなくして効率よいシステムに変えていくことが必要だと思います。
ラボ紹介
ユビキタス通信ラボ
TOPICS
1. 「農都共生ラボ(アグリゼミ)」が十勝視察
2. 慶應SDM公開講座~ 「メディア戦略と人間心理~個人でメディアを動かす方法」開催
3. 4th CanSat Leader Training Program(CLTP4) を慶應SDMで開催
4. 産学連携チームがETロボコン2013東京地区大会Bブロックでアーキテクト部門総合優勝
5. ビッグデータ・イノベーション人材育成プログラムが文部科学省事業に採択
6. 修士2年長沢安希子君が「2013年Googleアニタ ボルグ記念奨学金:アジア大西洋」を受賞

専任教員からのメッセージ
チャレンジを続ける大学院~慶應SDM
(当麻哲哉准教授)
猛暑日が続いたこの夏も、そろそろ秋の訪れを感じるようになってきました。私たち慶應SDMは、この夏も暑さにめげずに様々な活動を精力的に実施し、今月もここに成果をご報告できることをうれしく思います。いつも我々の活動を支えてくださっている皆様方に、心より感謝申し上げます。
さて、変化が激しく複雑化する現代社会にあって、日本は自然災害や少子高齢化、外交問題など、様々な問題に直面しています。しかしわが国は、世界に誇れる優れた技術力、高い信頼性、最高のサービスを提供できる基礎的な力を持っています。それらをグローバル社会に展開してためには、従来の考え方を改めて、「システム思考✕デザイン思考」の新しい思考能力と、「集合知」を活用したイノベーティブなリーダーシップスタイルの適用が必要です。
慶應SDMは、こうした時代の流れに対応して、日本の良さを生かした能力開発に挑戦すべく、研究・教育活動を進めてまいります。毎年秋の恒例企画となった「プロジェクト・マネジャー能力強化研修」もこの方針で開催するものです。皆様のご参加をお待ちしております。
ラボ紹介
ヒューマンシステムデザインラボ
ビジュアル・シミュレーション・ラボ
TOPICS
1. 慶應SDM研究科説明会を実施
2. 慶應SDM × iTiDコンサルティング 『社員がいきいきと成果を出す企業・組織デザイン』セミナー
3. 白熱対談「公共哲学×システムデザイン・マネジメント東西世界観の統合」
4. 連続講座「宙のがっこう」を開催
5. 博士1年杉本君がNEWS ZEROのZERO humanに登場

専任教員からのメッセージ
新しい構想の大学院にようこそ
(手嶋龍一教授)
慶應義塾大学大学院SDM研究科でインテリジェンス・システム論を担当している手嶋龍一です。私はNHKワシントン支局長を務めていた時から、ミッドターム・キャリアの大切さを熱心に説いてきました。
ジャーナリスト、商社マン、官僚の「ヤキハタ農業」という言葉があります。組織はいきがいいのを幸いに彼らを使いに使いまくり、その果てにくたびれてくると、新しく若者を雇い入れて使い潰す、という意味です。会社の側はいいのかもしれませんが、若者の側はたまったものではありません。かけがえのない人生です。時には立ちどまって、知的な養分を補給し、新たな方角に舵を切ることも必要です。海外ではごく普通のことなのですが、終身雇用制の軛から逃れられないニッポンでは、人生の半ばで知的な小休止をとることはいまだに稀です。SDMは、あなたのチャレンジを支える大学院です。社会のありようを変革したいという志を共にする若い方々を迎えて日々新たな挑戦に挑んでいます。
ラボ紹介
コミュニケーションデザインラボ
比較政治制度システム論ラボ
TOPICS
1. 慶應SDM特別講演会 生活の木の「これまで」と「これから」
2. インテリジェンスで読み解く北東アジア情勢 ―北朝鮮包囲網と米・中・日・ロ・韓の動向―
3. 日経BP社「日経ものづくり」連載完了
4. 白熱対談「公共哲学×SDM」を開催
5. 修士2年 保谷君が「放送文化基金賞 表彰」「日本民間放送連盟賞」「日本映画テレビ技術協会 技術開発賞」を受賞
6. Location Business Japan 2013(LBJ2013)開催
7. 農都共生ラボ・アグリゼミ研究員が商業施設「ちゃばら」に出店

専任教員からのメッセージ
21世紀の日本型経営
(高野研一教授)
昨今、日本経済が元気を取り戻しつつある。その一方で、非正規雇用者の割合は35%を超えて増え続けている。
正社員の席獲得は新卒といえども奪い合いの状況が続き、就職戦線も厳しい状況が継続している。最近、新刊「ブラック企業-日本を食いつぶす妖怪-」を一気に読んだ。日本型経営の良さを逆手に取り、長時間勤務をほぼ強制し、若者を使い捨てにして何ら恥じることのない企業群である。その内容や手口は恐るべきもので徹底した社内選抜やハラスメントが横行し、敗者を退社に追い込む驚くべき手口が紹介されている。かつて我が国ではこのような企業群とは対極的に、日本型経営として長期にわたって雇用を確保すると同時に社内では温情主義を基調とし、従業員の忠誠心やモラールを高め、高度成長時代を支えていた。低成長の時代に入り、まさにいつもそこにある危機の時代を迎え、日本型経営を継続することは国際競争を考えると難しいかもしれない。しかしながら、「モチベーション」「自己実現」「やりがい」「達成感」は賃金の高低だけで決定されるものではなく、企業としての理念やマネジメントの優劣により決まる部分が大きい。当「組織マネジメント研究室」では、企業構成員全体での価値共有の促進やリーダシップやチームワーク強化などのグループダイナミクスを導入した組織文化・風土の改革を目指した研究を実施している。ここで興味深い成果が得られたので紹介してきたい。4000名を超えるホワイトカラー従業員を対象にしたアンケートにより、「協調」「挑戦」「貢献」の3軸で表現される組織風土と「職務満足度」および「業績」の間に有意な相関関係が認められ、このような価値を高め、共有することにより、良好な企業風土を築くことができることが示唆された。これは、先に述べた「ブラック企業」の戦略とは異なり、国際競争力を維持しながら日本型経営の良さを継承するものだと考えている。
ラボ紹介
環境共生システムラボ
制御システムデザイン&ダイナミクスラボ
TOPICS
1. 研究科説明&授業見学・施設見学& ポスターセッションを開催
2. パデュー大学 訪問受入れ
3. デザインプロジェクト科目の途中経過報告
4. 福島でのワークショップ スーパーサイエンスハイスクールについて
5. 「こどもたちの笑顔と成長の好循環が溢れている社会の実現」というビジョンの実現に向けて
お知らせ:APCOSEC 2013のお知らせ

専任教員からのメッセージ
全ライフサイクルをカバーする統合的アプローチ
(白坂成功准教授)
慶應SDMは、その設立当初からシステムズエンジニアリングを基盤とするシステムズ・アプローチを中心としてきました。
2012年5月号のメッセージでは、システムズ・アプローチを基盤とした真の全体統合型学問として、技術システムから社会システムに至るまで統一的に扱うことができるSDM学の実現について述べました。これは、システムズ・アプローチを適用する範囲が面として広がっていることを意味します。実際、2013年1月からスタートした慶應システムズスクールには毎回多様な企業や大学、機関から多く人に参加していただいております。一方で、システムズ・アプローチの適用フェーズの拡大ついても実感しています。つまり、イノベーションの実現に向けてシステム思考とデザイン思考を組み合わせた独自の手法をライフサイクルのはじめから適用することでより確実にイノベーティブなソリューションを実現していくための方法論が確立してきました。今年度は、ぜひこの統合的なアプローチの適用成果をだしていきたいと考えております。
ラボ紹介
インテリジェンス・システム・ラボ
スマートシステムデザインラボ
TOPICS
1. 研究科公開講座および研究科説明会 開催報告
2. マネジメントデザインセンターが「PMP®資格受験対策講座」を開催
3. 2013年度入学式および入学合宿 報告
4. 第4回慶應システムズスクール システムアーキテクティングワークショップ ~あらゆるものをアーキテクチャで捉え、あらゆるもののアーキテクチャを創造する~
5. 元オランダ王国首相ヤン・ピーター・バルケネンデ教授 公開講演会
6. 「宙のがっこう」-星出宇宙飛行士による公開講座-
7. 「宇宙インフラ活用人材育成のための大学連携国際教育プログラム」第1回セミナー実施

専任教員からのメッセージ
1000年後の桜
(佐々木正一教授)
今年2013年の桜は、あっという間に満開になったかと思ったら、いつの間にやら散ってしまった。この季節になると毎年思い出す。2年前の福島第1原子力発電所の事故である。
事故そのものは、大量の放射性物質を近隣に放出し、その結果多くの住民が住む場所、働く場所から避難せざるを得ない状況となった。
避難の過程で本来ならもう少し命を永らえ得たはずの方々の人生の終焉を早めたようにも思われる。
事故の第一原因は、国の定めた安全基準を守っていれば事故は起こらないと考えた?また仮に事故になっても責任は安全基準を定めた国にあると主張できると考えた?にわかには判じ難いが、いずれにせよ東京電力の過去の経営者達の作為であると私は考えている。
もう一つの原因は原子力発電をリスクも含めて便益と比較評価をすることを怠ってきた私(達)にもあるのではないかとも考えている。
自分の身に危険が降りかからないと思われる程度に安全でかつ安いというなら、産業競争力の確保のためにも原子力発電を利用しない手はないという論がある一方で今回のような事故を起こす可能性のある原子力発電は、子孫のためにもなくして行くべきだとの論もある。
上記2つの主張においてリスクはいかほどか、便益はいかほどかを共通のデータに基づいて解き明かし、国の意思決定に反映させることを私(達)は選挙等を通して行動し続けることが必要と考えている。
最近政府からは「安全が確認できた原発は再稼働の検討に入る」との見解が発信されているが、「安全の確認」は前提となる地震や津波の大きさを推定した上での判断であるのでその推定以上の事態が起こらないことを証明できなければ一般論として「安全が確認」されたということはいえないはずである。私(達)は、前提条件にこそ注目する必要がある。
もう一つは隕石落下やテロに対するリスクとどう向き合うのかという問題もある。隕石落下に対して充分深い地下発電所とすることにより、対策を行うのか、隕石落下により日本が大きな被害を受けてもやむを得ないとするのか、杞憂として隕石落下そのものを考えないのかこれは私(達)自身が判断するべきことである。
テロに対しては、警察、自衛隊の力に依存することになるが、本当にテロが防げるのかは、例えば目標地点に連続して10発のミサイルを命中させる技術があれば10発以上の地対空防衛ミサイル設備を持つ必要が生じるが、問題はその設備の十分な数が分からないことにある。この種の問題も私(達)に突きつけられている。
最後にジョークであるが、原子力発電に伴って発生する放射性物質(いわゆる核のゴミ)の最終処分に関して、累積の電気使用量に比例してその核のゴミを各都道府県に分けて処分を任せる案は如何か。すくなくとも、どの程度の負担をしなければならないかの見える化はできる。将来の世代にその管理を付託するにしても、その管理の内容について充分に理解することは現在の私(達)の責務である。
1000年前の桜は平安京の貴族たちによって大いに愛でられた。1000年後の桜もまた、人々によって大いに愛でられたいと願っているに違いない。現在の私(達)の判断が1000年後を規定すると考えている。
ラボ紹介
マネジメントデザインセンター
システムデザインメソドロジーラボ
TOPICS
1. OPEN KiDS第4回公開ワークショップ「地域・コミュニティー活性化の為のデザインワークショップ」
2. 第5回環境共生・安全システムデザインシンポジウム「脳と心と幸福を考える」
3. 宇宙インフラ活用人材育成のための大学連携国際教育プログラムを開始
4. 第3回慶應システムズスクール 「システムを考える。~モデルベースシステムズエンジニアリング・ワークショップ~」
5. 公開講座『ダイアログとデザインの未来Vol.9 ~映画の未来~』を開催
6. SDM学生3名が RIS Design and Management株式会社を起業
7. 平成24年度学位授与式
8. 牧野特任講師らが、IEEE International Conference on Human-Robot Interaction 2013において、Honorable Mention Demonstration Awardを受賞

専任教員からのメッセージ
慶應SDMからKeioSDMへ
(神武直彦准教授)
東日本大震災から2年が経ちました。日本の課題のひとつはその震災からの復興であり、SDM研究科の学生や修了生、教職員も様々な形でその大規模・複雑な課題に取り組んでいます。
一方、東日本大震災の後にも世界各地で様々な自然災害が起きています。地震や津波、大雨、洪水、山火事などは地球が生きている証しでもあり、我々が地球上に住んでいる以上、避けることはできません。自然災害は国境を超えます。自然災害をはじめとする様々な課題に対峙する我々も国境を越える必要があります。そのために、我々がすべきことのひとつは様々な国との人と人との繋がりを更に増やし、相互理解を深めていくことではないかと思います。実際、SDM研究科が進めている幾つかの国際プロジェクトでは、日本や慶應義塾、SDM研究科と深い交流がある方が海外の連携機関のキーパーソンであることが少なくありません。SDM研究科の学生や教職員ひとりひとりが、日本を代表する心意気で様々な国や地域との交流を始め、相互理解を深め、それを継続する架け橋になれば、持続的かつグローバルなネットワークが形成され、様々な大規模・複雑な課題に効果的に取り組めるのではないかと思います。4月に創立5周年を迎えるSDM研究科は、ケンブリッジ大学、マサチューセッツ工科大学、アデレード大学との交換留学生プログラムを新たに開始致します。システムズ・アプローチをベースに問題解決と社会貢献を果たすための研究と教育を行うSDM研究科のパートナーが更に世界に拡がり、SDM研究科から国際的なリーダーを数多く輩出できるよう様々な挑戦を行って参ります。
ラボ紹介
組織マネジメントラボ
次世代コンテンツ利用研究ラボ
TOPICS
1. 『ダイアログとデザインの未来Vol.8 ~経済の未来~』を開催
2. 公開講座「社会システムをデザインする」を開催
3. 修了予定者対象にTOEFL ITPテストを実施
4. 『港北区魅力プラスカード』を用いた地域活性化ワークショップ
5. 「新エネルギー活用&持続可能社会研究プログラム2013」第5回ワークショップ

専任教員からのメッセージ
理文思考によるシステム立国を
(小木哲朗教授)
理工系離れが言われるようになってから久しい。この問題は技術立国として成長してきた日本にとって、国力の低下にもつながる問題です。
数学や物理等、理工系の学問は知識の積み重ねが必要なため、今勉強している内容が何の役に立つのかなかなか見えづらいというのも原因の一つのようです。これは大学での研究レベルでも同様で、要素技術を研究している学生が、その技術の位置づけや応用についてほとんど意識していないこともよく見られます。これはシステムとしての全体が見えていない状況です。知識の行先、技術の出口を見渡す習慣を身につけることで、勉強や研究に対する興味や面白さも変わってくるように思います。慶應SDMでは、もはや理系・文系の区別はせずに、理文統合によるシステムデザインの教育を目指しています。全体を見渡せる理系思考、技術の詳細から応用・ビジネスまでを考える理文思考です。このような教育がシステム立国として、今後の日本の国力の増強に結びついていくことを願っています。
ラボ紹介
地域活性ラボ
空間位置情報サービスラボ
TOPICS
1. 慶應イノベーティブデザインスクール(KiDS)ワークショップを開催
2. 慶應SDM公開講座「システムを考える。~あらゆるものを俯瞰的に捉え、系統的に進めるためのワークショップ~」
3. 慶應SDM公開講座「ココロの刺し方~人の心に刺さる企画をつくろう~」開催
4. SDM研究科留学報告会 兼 留学説明会

研究科委員長兼研究所長からのメッセージ
「システミック×システマティック」な問題解決を

(SDM研究科委員長・SDM研究所長 前野隆司教授)
明けましておめでとうございます。今年のSDMのキャッチフレーズは"システム"。
昨年は主にデザインという単語にフィーチャーした一年だったと言えるかもしれません。今年は初心に帰り、"システム"にフォーカスします。システムとは、要素間の関係性によって創発する特徴を持つもの。技術システムから社会システム、人間システムまで、インタラクションを含むものは何でもシステムです。慶應SDMで重視するのは、システムズエンジニアリングを基盤とするシステムズ・アプローチ。システムズ・アプローチには、ふたつの意味があります。システミックなアプローチと、システマティックなアプローチ。前者は、ものごとをシステムとして俯瞰的・全体的に見るということ。後者はロジカルに分解・統合するということ。慶應SDMでは両者を駆使してイノベーティブなデザインとサステナブルなマネジメントを実現します。システムズ・アプローチを身に着けた人材の育成、SDM学の基礎と応用に関する実践的な研究、そして企業や事業体との連携に基づく様々な階層での問題解決・社会変革。今年度もよりよい世界を構築するために邁進してゆく所存ですので、ご指導・ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。
今年のSDMニュースも、巻頭のメッセージは12名の専任教員が月替わりで登場し、それぞれのSDMにかける思いを語る場にいたします。システムズ・アプローチをベースに問題解決と社会貢献を果たす慶應SDMを、本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
ラボ紹介
起業デザインラボ
先進都市デザインラボ
TOPICS
1. 11月12日、定年制のない西島株式会社を見学
2. 2012年度第6回「SDM研究科説明会」開催
3. 東映アニメーションの制作現場見学会を実施
4. 「未来デザイン会議」開催
5. 12月17-18日、医学部において高精細医療映像の実験を実施