MENU
SDMのデザイン思考―協働によるイノベーション創出を!
SDMの強みの一つはデザイン思考です。多様な人材がチームで共通の方法論や手法を用いて多視点からの可視化を行いながら、イノベーティブなソリューションを導きだし、開発課題や社会課題を解決する。国際連携教育プログラム「デザインプロジェクトALPS」で学んでいる手法が中心です。
最近は、授業以外の活動の場でも、この成果が出始めています。例えば、秋田市とのプロジェクト成果は学会で発表され高い評価を得ました。また、アグリゼミの視察旅行の中で行われた最上町とのプロジェクトで考案した「若者を鍛えるツアー」というユニークなアイデアが、1月に具現化されます。横浜市のフューチャーセンターmass×massとも連携を行っています。福島との連携イベントも12月に開催予定です。このように、自治体とのコラボレーション成果が続々とあがっています。また、ビジネス面では、デザインプロジェクトALPSから生まれたベンチャー企業が活動中の他、技術開発から社会システム作りに渡る様々な企業との共同研究の中で、デザイン思考が役立っています。SDM発のデザイン思考をコンサルティングに生かし始めた企業もありますし、起業を目指している案件も複数あります。このように、様々な場でSDMのデザイン思考が花開き始めていることに強い手応えを感じています。
ラボ紹介
VSEセンター

神武直彦 准教授

TOPICS
1. 2011年度宇宙航空研究開発機構(JAXA)向けセミナー 開催
2. Paul Schoensleben教授による集中講座
3. 「第3回プロジェクト・マネジャー能力強化研修」開講
4. 日経産業新聞にWEBセミナーの要約記事掲載
5. SDM研究所シンポジウム「これからの地域モビリティを考える」開催報告
6. 経営・財務戦略論の学外活動で企業見学バスツアー 実施
7. 中野教授がフジサンケイ ビジネスアイ主催の社会人向け特別講座「知の最前線:一流教授によるリレー講座第4回「アイ・カレッジ」」で講演
8. ALPS第5回ワークショップ 開催報告
9. 柄井匡氏の株式会社Active node、スマートフォン向けサービスをリリース
SDMではどんな研究をしているのか?
SDMの研究は、ある範囲に限られた「対象」だけを扱うのではなく、「問題解決のアプローチ」が一貫した学問体系に則ることを目指している、という点が特徴です。ひとことで言うと、「システム」という視点からデザイン&マネジメントする研究。
要するに、9月号でも述べましたが、単なる理科系研究とは違って、対象を取り巻く価値のネットワーク、すなわち、顧客や社会の要求を、システムとして徹底的に構造化し、本当に必要なことは何かを明らかにしてから研究すること。また、単なる文科系研究とは違って、単に調査しただけ、提案しただけで終わらせず、提案したシステムの全体から詳細までを確実にデザインし、しかも、全体から詳細までの妥当性と有効性を検証するところまで行うこと。これらを行うなら、対象は何でもかまいません。私の研究室を例に挙げると、ロボット研究、コンピュータ入力デバイスの研究から、ヒトの知覚や認知の研究、地域活性化の研究、エネルギーベストミックスの研究、チーム型教育の研究、その会社経営やコンサルへの適用、「システム」「笑い」「殻を破る」「集中」「共感」「協生」「幸福」「感動」の研究など、様々ですが、すべて、社会要求に応えること、システムとしてデザインすること、確実な検証を行うこと、というSDMの基本に則っています。重箱の隅をつつくのではなく、真に必要なことを研究する、多様なSDM型研究の成果にご期待ください。
ラボ紹介
11月号のラボ紹介は、お休みします。
TOPICS
1. 「医療・医薬研究開発システム論」公開講座
2. INSA ToulouseにおけるSDM説明会 開催報告
3. 東山田小学校「こどもまつり」で心の科学教室を開催
4. 連合三田会で「日本型システムデザイン&マネジメントの未来像―日本発の技術・社会システムイノベーションのあり方を考える」を開催
5. 前野委員長・手嶋教授対談 日経産業新聞Webセミナー「未来世界をリ・デザインする-新しい全体統合型学問、SDM学とは何か?」を開催
6. APCOSE2011報告
7. Niels Malotaux氏による「プロジェクトの予測と時間管理」の集中講義
8. Laurent Balmelli氏による「モデル駆動型システム開発の基礎」の集中講義
9. Heinz Stoewer教授による"Project Management and Systems Engineering"集中講義
10. 修士1年菅家君が設立した福島復興支援団体「Link with ふくしま」が『日本復興を考える学生会議』大賞を受賞!
SDMの中期計画―ビジョンの共有と実践
設立以来3年半、突っ走ってきたSDM。設立時に築いたSDMの理念、戦略、戦術を再確認・再構築すべく、4月以来、議論を進めて参りました。その結果を中期計画としてまとめつつありますので、ダイジェストをご紹介いたします。
中心となるのは、(1)ビジョンと課題の共有、(2)コミットメント運営、(3)デザインプロジェクト改革の3本柱です。(1)は、SDMのビジョンやコンセプトを学生・教職員全員で再確認するとともに、優れた学生に来てもらい、成長してもらい、修了後に活躍してもらう道筋をこれまで以上に明確にしようというものです。(2)は、それぞれの教員の研究、教育、運営上の役割分担関係をシステムとして明確化し、それぞれの中期的目標をオープン化して、皆で一丸となって進もうというものです。(3)は、定評のあるデザインプロジェクトALPSを発展的に再編成し、学生への教育を行うのみならず、企業や自治体の問題解決も行う、オープンでリアルなイノベーションの場に拡張しようというものです。その他、講義体系、国際展開、入試、修了者の活用、人事、財政など、様々な点を再確認・再構築しました。このような中期計画を実行する結果、(システム)×(デザイン)×(マネジメント)という多視点から様々な問題を解決するSDMのビジョンを、今以上に世に広め、日本や世界のイノベーションと幸福に貢献してゆきたいと考えています。これからも、ご指導・ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。
ラボ紹介
モビリティシステムマネジメントセンター

西村秀和 教授

TOPICS
1. プロジェクトマネジメント補講(PMP®受験対策)第2弾を開講
2. 平成23年度大学院9月学位授与式、および平成23年度9月入学式の報告
3. ALPS Workshop4 開催
4. 派遣留学生報告会
5. 豪クイーンズランド大学Bosch教授の集中講義開催
6. 医療・医薬研究開発システム論ワシントン研修
7. 中島庸介君らの論文が日本CI学会の2011年度論文賞を受賞
8. 牧野特任助教らの発表が最優秀プレゼンテーション賞を受賞
9. 80万人が参加 - 停電回避プロジェクト
10. CanSatを対象にしたSE/PM研修およびブラックロック砂漠での打上げ報告
11. 佐々木教授2011 IEEE Medal for Environmental and Safety Technologiesを授与される
SDMに入ってほしい学生のタイプは?
SDMも設立から3年半が経過し、お陰様で世間での認知度も急上昇中です。先日も、Stanford大学のある先生から『方々で「慶應SDMは日本にこれまでなかった新しい大学院」という高い評価を聞くよ』と言われ、手ごたえを感じています。
一方、入学希望者からはいまだにこんな声も聞きます。「理系の研究もできますか?」「文系なんですが、やっていけるでしょうか?」もちろん、どちらも、YESです。ばりばり理系の最先端科学技術研究も、こてこて文系の社会科学研究も、できます。ただし、ばりばり理系の最先端研究をするときにも、その研究成果を享受する社会のステークホルダの視点や、環境配慮の視点、安全の視点など、様々な視点をシステムとして考慮する広い視野を持った上でシステムとしての最先端研究をしましょう、逆に、こてこて文系の研究をするときにも、単なる調査研究ではなく、システムズエンジニアリングを基盤とするシステマティックな視点から問題を整理し、「仮説検証型」ないしは「システムのデザインとV&V(verification and validation、評価と検証)型」の研究をしましょう、というのが我々のスタンスです。いずれにせよ、何らかの課題に対し、多視点から、そして、俯瞰的な視点から、問題を大きくシステムとして捉えるとともに、対象とする課題を確実に要素に分解して解決していく、そんな学問を学びたいという志を持った方々に、入学頂きたいと思っています。もちろん、スケール感は様々です。最先端研究をより広くとらえる「とても深く、かつ、広く」型から、日本や世界というシステムを変革しようという「深く、かつ、とても広く」まで、様々な興味と目的意識を持つ学生(と教員)が、ともに学び合うことがSDMの醍醐味です。よって、文系・理系を問わず、対象とするシステムの分野やスケールに関わらず、問題をシステムとして解決したいという大志を抱く多くの方に、門を叩いて頂ければと願っています。
ラボ紹介
ソーシャルデザインセンター

前野隆司 教授

TOPICS
1. 最終講義報告
2. オープンSDM 開催報告
3. ALPS Workshop3および懇親会
4. アグリゼミ 東北視察報告
5. 8月6日 SDM研究科説明会
システムデザイン・マネジメント学はなぜパワフルなのか?
突然ながら、今回は「システムデザイン・マネジメント学はなぜパワフルなのか?」についてお話ししたいと思います。唐突に思えるかもしれませんが、システムデザイン・マネジメント学の中心のひとつであるチームによる問題解決は、ニューラルネットワーク(神経回路網)と似ています。どちらも、理想的にはあらゆる問題を解決できるという点です。
人工のニューラルネットワークであるパーセプトロンは、中間層のニューロンの数が十分にあり、学習が適切に行われるなら、あらゆる非線形演算を表現できることが知られています。抽象化して言えば、あらゆる問題を解決できる、ということです。チームによる問題解決も同様です。原理的には、あらゆる専門を持った十分な数のメンバーが、十分な時間だけ議論を行えれば、どのような問題に対してもベストなソリューションを提供できます。もちろん、あらゆる専門性を持った者を無限に集めることも、無限に議論を続けることもできないので、現実には、SDMで行っているように、適切なチームを形成し、多視点からの可視化を駆使して、効率的な議論を行うことになります。つまり、SDMが現在提供している枠組みは、あらゆる問題解決のために既に十分パワフルであり、あとは、手法を共有し、関係者が学び、多くの人を巻き込み、あらゆる問題に対して協力して果敢に取り組んで行くことだけだ、ということなのです。科学技術の問題から、政治・経済・外交の問題、人生の問題まで、現代のあらゆる問題を解決するためのSDMの枠組みを大いに活用し、様々な問題を解決していきたいと考えていますので、課題をお持ちの皆様、ぜひSDMに持ち込んで解決しましょう。
ラボ紹介
可視光通信ラボ
列車サービスラボ

春山 真一郎 教授

TOPICS
1. SDM特別公開講座「事業戦略における標準化の活用 ~自社の知財を生かすために~」
2. SDM特別公開講座「インタラクティブデザインの実際」
3. 和装スタイルを取り入れて涼しげなキャンパスを演出
4. 関内フューチャーセンターのテイキングオフイベントでSDMを紹介
5. 竹内元子SDM研究所研究員の論文がEuro SPI ConferenceにてBest Paper Awardを受賞
6. Earthling 2011 地球人大演説会 人間の可能性を語る30人のトークイベント開催
自我作古(じがさっこ)
3.11から4か月余りが経ち、省エネルギーが叫ばれる暑い夏を迎えましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか? システムデザイン・マネジメント研究科/研究所では、震災危機を乗り越えるべく様々な取り組みを行っています。
実践的な取り組みとしては、東急電鉄、IBM、エレファントデザインらとともに行っている「停電回避プロジェクト」、IBM、福島県らと連携予定の「福島支援プロジェクト」などの具体的な取り組みがあります。ユニークで遊び心のあるものとしては、福澤諭吉先生に学ぶ「和装クールビズプロジェクト」があります。維新前後という時代にあって、身分社会の常識にとらわれず袴をはかない庶民型の着流しスタイルを好んだという福翁。時代の先端思想をリードしながら、日本の伝統も重んじた福翁に学び、省エネルギーと時代先端精神の体現を両立すべく、SDMではこの夏、和装クールビズキャンペーンを行っています。賛同する学生・教員が、見た目も涼しい和装という日本の伝統的スタイルで、未来のデザインについて考える。SDMらしさの、ひとつの表現型です。シンボルとして、自我作古(我よりいにしえをなす、新しい伝統を自ら作り出してゆく)の扇子も作成しました。学生も教員も、楽しみながら新しい時代の創造に燃えています。これからも、分野を超えた人々の連携によって、新しい技術システム、社会システムのデザインを先導します。
ラボ紹介
VERSTAラボ
ソーシャルライフ・システムラボ

手嶋 龍一 教授

TOPICS
1. 和装クールビズプロジェクト
2. 「停電回避プロジェクト」開始
3. 緊急企画「第2回震災危機を超えるエネルギーシステムデザインの未来」開催報告
4. 高精度測位技術研究セミナー開催
5. SDM特別公開講義「スマートグリッドが切り開く新生スマート日本」
6. 米国パデュー大学Crossley教授 訪問報告
7. イベント報告:「SDC-meeting_震災復興デザイン01~吉田財務政務官をお迎えして~」
8. 第1回VSEフォーラム開催
9. IMES(屋内GPS)コンソーシアム代表幹事に神武准教授就任
10. ALPS2011第2回ワークショップ
11. Stanford Center for Design Research (CDR) / d.school のワークショップ
12. 本間浩一SDM研究所研究員の論文が2011年度全日本博物館学会奨励賞を受賞
デザイン思考の国際拠点としての活動を加速!
2011年5月13日と14日の2日間にわたり、SDMの看板講義の一つであるデザインプロジェクトALPS (Active Learning Project Sequence)の今年度第1回目が行われました。
グループプロジェクトによりイノベーションをリードしようという試みは世界各地で行われています。デザインのイノベーションにフォーカスを当てたスタンフォード大学のd.schoolや、技術を用いた貧困問題解決にフォーカスしたMITのD-Labなどが有名ですが、我々のユニークな点は、スタンフォード、MIT、TUDelftの先端教育を取り入れながら、日本発の手法や考え方とも融合させ、文理融合チームにより技術システムのみならず社会システムのデザインをも行う点です。また、単にアイデアを創造するのみならず、システムズエンジニアリングを基盤にアイデアの実現可能性を定量的に検証していく点も、我々のデザイン思考の特徴です。現在、デザインプロジェクトALPSを教育として実施するのみならず、学会や社会活動への応用展開も鋭意進めています。たとえば、デザインプロジェクト教育の有効性や、発展的に生まれた新たな手法について国際学会で発表したり、公共機関とともに地域活性化のための活動を開始したり、コンサルタントファームとの共同研究を開始するなど、活発な展開を図っています。新たな世界をデザインする、私たちのデザイン思考にご興味をお持ちの方は是非ご連絡ください。共によりよい世界を構築しましょう。
ラボ紹介
地域資源利活用ラボ

吉田 篤生 特別招聘教授

当麻 哲哉 准教授

手嶋 龍一 教授

保井 俊之 特任教授

TOPICS
1. 2011年度ALPS第1回ワークショップ開催
2. CESUN2011年次総会参加報告
3. Gilles Motet教授集中講義「Risk Management」
4. 前野教授のインタビュー記事がiTiDコンサルティングのHPに掲載
5. 住友スリーエム社カスタマーテクニカルセンター(CTC)訪問
6. SDM特別講義で山崎直子氏が講演
7. 秋田の活性化に関する研究報告会が各紙に掲載
お知らせ:多様なニーズに応える修士課程2コース制を開始
お知らせ:第3回プロジェクト・マネジャー能力強化研修 案内
新しいSDMが始動しました
今年度は、震災と原子力危機の影響により入学式が延期という異例のスタートとなりましたが、4月4日に行われた新入生ガイダンスに集まった新入生は、このような時だからこそSDMから世界を変えるのだという気概と決意にあふれていました。
4月5日から予定通り講義も開始し、例年と同じく、日本とは思えないほどの(つまり、真剣なまなざしと機関銃のような質問にあふれた)活気あふれる授業が始まりました。今年度の方針「これまで以上に徹底的に教え、学ぶ」も浸透し、多くのディスカッション、多くの宿題、多くのグループワークに、学生はへとへとになりながらついてきています。「震災や原子力問題を題材にした現実的、実践的でシステマチックな授業を受け、SDMに来て本当によかった」という新入生の声に強い手ごたえを感じています。
4月16日には、新しい試みとして、在学生・新入生・教員・研究員の「ポスター交流会」を開催しました。また、今年度は残念ながら震災の影響により協生館での開催となりましたが、恒例の入学合宿を4月23日、24日に実施しました。新入生の仮指導教員も決まり、博士課程学生は4月9日に研究発表会、修士課程入学半年以上の学生は4月22、23日に中間発表会を行い、研究関連のイベントも目白押しです。明治維新前の混乱期の慶應義塾同様、SDMは、どんなことがあろうと先導者として歩み続けます。これからも、ご協力、ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。
ラボ紹介
モデル駆動型システム開発ラボ
ユニバーサルデザインラボ

西村 秀和 教授

TOPICS
1. プロジェクトマネジメント補講(PMP受験対策講座)を開講
2. SDMポスター交流会
3. 2011春入学および2010年秋入学修士・博士学生の「入学ガイダンス」および「合宿」挙行!
4. 緊急企画「震災危機を超えるエネルギーシステムデザインの未来」の開催
5. 英語特訓クラス 開講
6. 震災復興政策にSDMの方法論が必要と保井教授が雑誌寄稿
7. KEIOフットサルアドベンチャー2010の様子が、小峰書店発行の『遊びとスポーツのバリアフリー』に掲載
新年度の開始にあたって―三つの柱:「教育」「研究」「社会貢献」
4月よりシステムデザイン・マネジメント研究科委員長およびシステムデザイン・マネジメント研究所長を仰せつかりました前野隆司です。2008年のSDM設立以来、研究科・研究所を強力なリーダーシップで牽引してこられた狼嘉彰初代委員長のご定年にともない、あとを引き継ぐことになりました。どうぞ宜しくお願いいたします。
3月11日に東日本大震災が勃発してからひと月以上の日々が経とうとしています。まずは、犠牲になられた方々に、深く追悼の意を表したいと思います。また、被災された方々が一刻も早く平穏な日々を取り戻されますことを、心よりお祈り申し上げます。
震災に直面して強く思うことは、「SDMは使命を果たして来ただろうか?」ということです。SDM設立の趣旨は「物事をシステムとしてとらえることによって、閉塞感に包まれた日本や世界が直面する様々な問題を解決する」というものでした。しかし、自然の巨大な力を目の当たりにしたとき、私たちに何ができるのか、という無力感にさいなまれざるを得ません。人間一人ひとりはか弱いですし、間違いを犯す存在です。しかし、だからこそ、今、SDMの原点に立ち返り、皆で知情意の力を出し合って、新しい時代をデザインしていくべきではないでしょうか。
今回の震災は、時間スケールのきわめて大きい自然システムの振る舞いの問題と、人類が作り出した大規模・複雑システムの象徴とも言える原子力システムの問題が、相互に関連し合った結果といえます。この問題は、地球環境問題や、国際安全保障の問題、南北問題といったあらゆるグローバルイシューと相似形をしています。
このような複雑で絡み合った問題を解決するためには、世界や国家を巻き込まなければ解決できない理念やイデオロギー、政策のレベルから、目の前にあって今すぐ手を付けるべき現実的なレベルまで、抽象度やシステムのレベル、空間スケール、時間スケールの異なる様々な問題を、同時進行的に、全体の整合性を確保しながら、創造的に、しかも既存の仕組みをなるべく破壊せずに、解いていかねばなりません。まさに「木を見て森も見る」です。そのためには、世界の人々の英知を集めダイアログやディスカッションを重ねることが必要です。そのための方法論を、SDMは既に持っています。今こそ、SDMは、世の中が直面する問題を解決するために、立ち上がるべき時ではないでしょうか。
SDM設立から3年間は、SDMの教育システムを整備し、研究の基本を固め、SDMの基本構造を明確にするフェーズでした。そして、SDMらしい人材を育成するという成果、SDMらしい専門研究を学術界に発信するという成果を、順調に積み上げてきました。これに対し、今年度は、教育と研究をよりよくするとともに、これらに続く三つ目の柱―社会が直面する問題の解決という柱―の立ち上げをスタートする年にしたいと思います。すなわち、教育・研究成果と同時進行的に、世の中が真に必要としている問題解決策を様々な形で発信し、社会貢献していく。もちろん、学術研究成果による社会貢献も行いますが、それ以外にも、連携活動成果や政策提言など、色々な形で外に発信していく。そんな飛躍の年にしたいと思います。学生、教職員、研究員、一丸となって、三つの柱の進展を担っていきます。SDM NEWSでは、その成果を発信していきます。SDMをご支援頂いている方々や社会の各方面の方々には、引き続き、ご支援、ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
ラボ紹介
4月号のラボ紹介は、お休みします。
TOPICS
新任専任教員紹介
1. 社会貢献のための活動を開始―ミクロからマクロまで
2. 学位授与式
3. アグリゼミが日吉に慶應義塾日吉自然栽培農園を開設
4. EARTHLING2011イベント報告
5. 牧野泰才特任助教が日本VR学会「学術奨励賞」を受賞
6. ALPSの成果に基づく松尾康弘氏の起業
お知らせ:連携や文理融合を強化したシステマチックな教育体系をスタート
2008年4月に開設されたSDM研究科は、今月2011年3月をもって一区切りをつけます。この間、博士の学位を取得したもの7名、修士の学位を取得したもの107名、現在の在学生は199名となり、初期の目標を達しつつ前進しております。
システムデザイン・マネジメント研究科は、21世紀の激変する社会において、国内外で活躍しリーダーシップを発揮できる人材の育成、真の文理融合・世代間の交流という新しい概念に基づくメルティング・ポットを目指して出発しました。教員も学生も未知の領域にチャレンジした革新的な大学院です。システムデザインという耳慣れない学問分野にも拘わらず、多くの企業・事業体の方々から力強い支援をいただき、また、この方針に共鳴した国内外の多くの研究者・教育者・技術者・実業家の方々などからの様々なご助力をいただきました。また、設立準備段階では文部科学省の21世紀COEプログラム、開設後は同省のグローバルCOEプログラムの強力な助成を受けたことは特筆に値します。このような産官のご支援と助成がSDM研究科の維持発展に大きく貢献していることを記して、ご関係の皆様に心から御礼申し上げます。
2011年4月スタートの新年度から、SDM研究科は変わります。まず、専任教員が大幅に若返り、新たなチャレンジが期待されます。また、これまで教育・研究の舵取りは手探り状態で進めてきましたが、この3年間に得た多くの成功事例(Best Practice)と教訓(Lessons Learned)とその分析の上に立って、よりシステマティックなカリキュラムへの整理・統合、国際連携プロジェクトデザイン科目ALPS(Active Learning Project Sequence)のバージョンアップと企業参加の推進、修士研究の深化と多様化、など既に若手教員による取り組みが始まっています。これらの力強い推進力を学生諸君が存分に活用して積極的に困難な課題に取り組めば、技術システムにおいても社会システムにおいても21世紀の新たなコンセプトリーダーとなりうることを確信します。システムデザインに対する苦手意識を克服し、日本が得意とする精緻な作りこみ精神を発揮する統合的なシステムデザイン・マネジメントのさきがけとなることを期待します。
研究科委員長の職を辞するにあたり、これまでシステムデザイン・マネジメント研究科および研究所をご支援いただきました多くの企業や様々な事業体の皆さまにあらためて御礼申し上げると同時に、引き続きご助力をお願い申し上げます。
ラボ紹介
アーキテクティングラボ

白坂 成功 准教授

前野 隆司 教授

TOPICS
東北関東大震災について - SDM研究所長兼SDM研究科委員長 狼 嘉彰 -
退任にあたって:SDMと危機管理 - SDM研究科教授 日比谷 孟俊 -
1. 第3回環境共生・安全システムデザイン国際シンポジウムを開催 「現代社会が直面する問題をいかにシステムとして解決するか?!」
2. 2010年度海外交換留学派遣生について
3. 金融規制監督システム勉強会 報告
4. 東工大モバイルアプリコンテストで優秀賞を獲得「iPhone」向けにビジネスパーソン向けアプリを提案
お知らせ:ALPS 2011 プロジェクトテーマ募集
国際連携の強化は、SDM研究科の重要な柱です。本号では、最近の動向と成果を取り上げます。
オランダ・デルフト工科大学との交換留学が一区切りし、日本に滞在した5名の学生達は最終報告を行って帰国し、入れ替わりに日本からデルフト工科大学に留学した学生5名も無事帰国しました。双方の学生にとって大変有意義なプログラムであったことが参加学生の声から伺えました。現地での活動は様々で、講義に集中して単位の取得を目指した学生もいれば、友人を多くつくり学園生活をエンジョイした学生、また、与えられた研究に没頭した学生もいたりと、報告を聞くだけでも楽しい思いでした。デルフト工科大学の他にも、フランスINSAへの短期留学や、米国ワシントンDCで行われた医療・医薬システムに関する集中講義においても、参加者全員が大変満足して帰国しました。参加者全員に共通しているのは、短期間ながら国際舞台を経験することにより、顔つきが変わる程の洗礼を受け、物事に取り組む真剣さに大きな変化が見受けられることです。今後も、多くの一流大学との連携を深め、短期・中期の留学あるいは滞在を推進し、国際舞台で存分に腕を振るえる人材を育成していく方針です。ご支援いただいている企業の皆様からのご意見も反映したいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
ラボ紹介
半導体システム技術ラボ
戦略的社会教育ラボ

日比谷 孟俊 教授

TOPICS
1. 「医療・医薬研究開発システム論」ワシントンDC集中講義報告
2. ベートーヴェンコンサート3D中継
3. 英国研究者一行の訪問報告
4. デルフト工科大学からの留学生による報告会
5. SDM公開講座で橋本大二郎氏と川口淳一郎教授が講演
6. クリーブ社との合同ワークショップ開催
7. 大薗陽子氏、優秀論文賞を受賞
8. 3大学院交流講演会 - 協生館 Music Festa 2011
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
年初にあたり、皆様のご発展・飛躍の年となりますことを祈念いたします。
経済・財政、雇用、環境、安全保障など様々な面において、多くの課題を抱えながら21世紀の第2十年期(decade)に入りました。特に若年層の活力低下を嘆き、日本の将来を危ぶむ声も聞かれますが、今こそ踏みとどまって、新しい可能性にチャレンジするチャンスと捉えるのが、戦略的システムズエンジニアリングの基本です。
ここで、昨年末に慶應義塾大学を訪れたルース駐日米国大使の心強いメッセージを紹介したいと思います。「日本は、自由主義経済という民主主義的価値観、教養ある人々、懸命に働く文化、莫大な資本を持つ国です。少しも悲観的になる必要はない。」(毎日新聞2011年1月9日)と大使は仰っています。さらに自然環境に恵まれ、高い倫理感を持つなど有形無形の財産があり、「若者・企業家・女性に強いインセンティブを与え、活用する方策をデザインして実現していけば明るい未来展望が開ける」ということも指摘しておられます。
これは、システムデザイン・マネジメント研究科の目指す方向であり、今後私たちの存在意義と役割は、ますます大きくなるものと確信いたします。本年も、研究科教員一同、気持ちを引き締めてチャレンジしていきますので、宜しくご指導・ご支援のほど、お願い申し上げます。
ラボ紹介
情報システム研究ラボ

嶋津 恵子 特別研究准教授

日比谷 孟俊 教授

高野 研一 教授

TOPICS
1. 日経キャリアマガジン別冊ムック本でSDMが高評価
2. 2010年度ALPSプロポーザー企業への報告会およびALPS参加学生との意見交換会報告
3. Prof. Rashmi Jain 集中講義
4. システムインテグレーション2010参加報告
5. 保井俊之教授の著作が「日経ビジネス」の書評欄で紹介
6. 中島君、八木田君ICBTT2010研究発表報告
お知らせ:2011年度ALPSのテーマおよびプロポーザー企業募集について