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SDM特別講義 2014年度 春学期

講義日程講師・演題
第1回
2014年4月12日

モデレータ教員:
当麻
慶應義塾福澤研究センター 教授
西澤 直子 氏
【演題】福澤諭吉と慶應義塾 
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

1961年東京生まれ。1983年慶應義塾大学文学部卒業。1986年 慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程を修了後、福澤研究センターに勤務。2005年 より同センター准教授、2010年より教授。研究テーマは主に福澤諭吉の女性論、 家族論。著書に『近代日本と福澤諭吉』(共著、慶應義塾大学出版会、2013年)、 『福澤諭吉と女性』(慶應義塾大学出版会、2011年)、『ふだん着の福澤諭吉』 (共著、慶應義塾大学出版会、1998年)論文に「書簡にみる福澤諭吉の「家」意 識と近代化構想」犬塚孝明編『明治国家の政策と思想』(吉川弘文館 2005年)、「福澤諭吉の「女大学」批 判」石川松太郎監修『女大学資料集成』別巻(大空社、2006年)ほか。『福 沢諭吉書簡集』(慶應義塾編、岩波書店、2001~3年)、『慶應義塾史事典』(慶應義塾編、慶應義塾大学出版会、2008年)、『福沢諭吉事典』(同、2010年) 編集委員。

講義概要

福澤諭吉は66年間の生涯のうち、前半33年間は江戸時代、後半 33年間は明治時代を生きた。著作『文明論之概略』のなかでは、「一身にして 二生を経る」という表現を使って、明治維新が大きな変革であったことを示して いる。その変革において、慶應義塾はどのような役割を果たしたのか、またそれ は福澤のどのような近代化構想に基づいていたのか。晩年の「独立自尊」という 言葉につながる「一身独立」と「人間交際」という2つの言葉をキーワードに考 えてみる。
第2回
2014年4月18日

モデレータ教員:
当麻
独立行政法人日本学術振興会 理事長
安西 祐一郎 氏
【演題】「システム工学の研究者がいかにして認知科学者になったか」
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

1974年慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程修了。カーネギーメロン大学コンピュータサイエンス学科兼心理学科博士研究員、同人文社会学部心理学科客員助教授、北海道大学文学部行動科学科助教授、慶應義塾大学理工学部電気工学科教授を経て、93~2001年同大学理工学部長、01~09年慶應義塾長。2011年独立行政法人日本学術振興会理事長に就任、現在に至る。文部科学省中央教育審議会大学分科会長、同科学技術・学術審議会委員、全国大学体育連合会長等を務める。日本私立大学連盟会長、環太平洋大学協会会長、情報処理学会会長、日本認知科学会会長、内閣府知的財産戦略本部員、同IT戦略本部員、同教育再生懇談会座長等を歴任。著書『心と脳』(岩波新書)、『「デジタル脳」が日本を救う』(講談社)、『教育が日本をひらく』(慶應義塾大学出版会)、『認識と学習』(岩波書店)、『問題解決の心理学』(中公新書)、共編著『講座 認知科学』全9巻(岩波書店)ほか多数。専攻は認知科学・情報科学。1970年代当初からシステム理論を学び、70年代半ばに人間の思考と学習に関する研究を開始、現在に至る。その一方で、自然言語対話を含むヒューマン・マシンインタラクション、人間とロボットのインタラクション、センサ・ネットワーク等の研究を行ってきた。
講義概要

演者は、大学院修士・博士課程でシステム工学を学んで博士号を取得し、さらに約10年にわたりシステム工学を教えた。その一方で、並行して心理学と神経科学を学び、その後システム工学自体からは離れて認知科学への道を歩むようになった。さらには、年月を経てシステムデザイン・マネジメント研究科の創設にも関与することになった。認知科学とは、「心のはたらきに関わる現象を、伝統的な学問分野や文系理系医系の区分にとらわれず、「情報」の概念をもとにして理解しようとする知的営み」(『心と脳』岩波新書より)である。システムデザイン・マネジメント研究科が対象とするシステムのデザインとマネジメントは人間の心のはたらきをもとにした活動にほかならず、しかも心は(コンピュータやロボットのような機械とは異なる)システムにほかならない。本講義では、演者が大学院修士課程当時から今日まで歩んできたシステム工学と認知科学の探究への道を紹介することを通して、人間活動としてのシステムのデザインとマネジメントの基本的な考え方について述べることにしたい。
第3回
2014年4月25日

モデレータ教員:
当麻
東海大学教養学部国際学科 准教授
金 慶珠 氏
【演題】「東アジアのコミュニケーション・システム~日韓相互不信のしくみ」
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

1967年、韓国ソウル生まれ。専門は言語学。日韓対照に基づく「談話の視点分析」に関する研究論文で東京大学大学院にて学位取得(学術博士)。近年は批判的談話分析に基づく「メディアのイデオロギー分析」を中心に研究を行っている。主な著書に、『日韓の共通認識』(2006)、『場面描写と視点』(2008)『歪みの国 韓国』(2013)などがある。

講義概要

歴史認識や領土問題に代表される日韓の葛藤の要因を「コミュニケーション論」の観点から新たに分析する。同じ漢字文化圏に属し、「話せばわかる」といったようなアジア的価値観を共有しながらも、「互いの理解に苦しむ」状況が繰り返される本当の理由は、認識の違いそのものではなく、コミュニケーションにおけるシステム上の問題に端を発していることを解説する。
第4回
2014年5月2日

モデレータ教員:
白坂
(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター 主任研究員
清水 康夫 氏
【演題】気付き・ひらめく,ホンダ・ワイガヤの紹介 ~凡人集団による世界最高発明の歴史~
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

東京電機大学工学部卒業.博士(工学).2011年紫綬褒章受章,秋の園遊会に出席.今までに,論文賞,技術開発賞,発明賞,市村賞,文部科学大臣表彰など受賞.特許出願件数600件以上. 自動車の操舵装置やその応用技術,基盤技術などの先端技術研究・開発に従事.従来,自動車のパワーステアリングは油圧制御方式であったが,世界に先駆けて電動化,全車種に搭載できる電動パワーステアリングの発明によりエネルギー効率を95%以上効率化,全世界に普及拡大.また操縦性を飛躍的に向上させる可変ギヤ比ステアリング(VGS)を発明,世界初で実用化,など."

講義概要

ホンダでの研究開発を通じて,多種多様の失敗を繰り返す中で,混沌から「気づき」,「ひらめき」を得て,結果的に成果を収めることができたのはなぜか.真似るものや手本とするものも無い環境下で課題をどう克服してきたのか,失敗の中から何をどのようにして見出したのか.その背景にはホンダH1300開発の失敗教訓からの,ホンダ3代目久米社長が導出した「ワイガヤ」,即ち凡人集団による新たなブレーンストーミングという仕掛けがあった.ホンダの文化となった,この「ワイガヤ」を系統立てて紹介し,これからの日本再生に向けた新技術創出について考える.
第5回
2014年5月9日

モデレータ教員:
西村
東京海上日動リスクコンサルティング株式会社 代表取締役 常務執行役員
庄子 憲義 氏
【演題】「企業と大規模災害対応」 
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

1981年4月 東京海上火災保険株式会社(現・東京海上日動火災保険株式会社)入社
         入社後は、金融開発部・オルタナティブ投資グループリーダー、
         不動産投資グループリーダー等として資産運用部門に勤務
2003年7月 株式会社あおぞら銀行に出向、同行・スペシャルファイナンス本部・部長
2006年7月 東京海上日動火災保険株式会社・企業営業開発部部長
2007年8月 ミレア・ホールディングス(現・東京海上ホールディングス)事業開発支援部部長
2008年7月 東京海上日動火災保険株式会社・仙台支店長
2010年7月 東京海上日動リスクコンサルティング株式会社・代表取締役 常務執行役員(現職)
経団連・危機対応タスクフォース委員 東京経営者協会・事業継続(BC)連絡会・代表幹事 内閣府・防災教育チャレンジプラン・審査委員 総務省・ICT街作り推進会議・普及展開WG構成員 日本損害保険協会・安全防災PT委員  等

講義概要

近年、「東日本大震災」「タイの洪水」等の大規模自然災害が国内外で発生しているが、日本企業はどのような事前準備を行い、実際の大規模自然災害に対応し、どのような事で苦労したのか。「今後、予想される大規模自然災害」と「企業としての事前対策と被害を被った場合の早期復旧支援策」、「津波に関する最新研究」、「企業の社会貢献としての大規模自然災害対応」等についても紹介させて頂きます。
第6回
2014年5月16日

モデレータ教員:
前野
アレックス株式会社 代表取締役社長兼CEO
辻野 晃一郎 氏
【演題】新しい時代の グローバル企業の経営戦略の実践
■会場:会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

1957年福岡県生まれ。84年に慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニーに入社。88年にカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了。VAIO、デジタルTV、ホームビデオ、パーソナルオーディオ等のカンパニープレジデントを歴任した後、2006年3月にソニーを退社。翌年、グーグルに入社し、その後、グーグル日本法人代表取締役社長に就任。2010年4月にグーグルを退社し、アレックス株式会社を創業。現在、同社代表取締役社長兼CEOを務める。また、2011年6月よりKLab株式会社社外取締役。2012年4月より早稲田大学商学学術院客員教授。6月よりAOI Pro.社外取締役。2013年10月よりIT総合戦略本部 規制制度改革分科会構成員。著書に、『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』(新潮社、新潮文庫)。

講義概要

20世紀に日本が得意としてきた製造業はインターネットの出現によって大きな変革を求められたが、日本の大企業はなかなか新しい動きに追随できずに苦境に立つ状況を余儀なくされている。この授業では、これからの時代に求められる新しい経済モデルや経営モデルについて考えて行く。キーワードはクラウドやグローバリゼーション。講師のソニーやグーグルでの体験をもとにした実践的な話を中心に、日本の産業界が抱えている構造的な問題や、それを打破して行くためのチャレンジについて考えて行く。また、講師が現在実際に取り組んでいる事業の中身を紹介し、「起業」にまつわるリスクやオポテュニティについても考察する。なお、講義内容 は適宜変更する可能性があります。
第7回
2014年5月23日

モデレータ教員:
前野
インドネシア在住 資産家
丸尾 孝俊 氏
【演題】「平成」の苦悩の解決策は「昭和」にある
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)Skype講義
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

1966年、大阪生まれ。父子家庭に育つ。中学校卒業後、看板屋に丁稚奉公。 その後、 ディスコの黒服、トラック運転手を経て独立。28 歳でインドネシア・バリ島へ渡る。現地で、手持ち資金が一時的に18万円まで落ち込むが、的屋、リース業などに関わりながら発展させ、その商売は関連会社31社(従業員数千名)になるまで成長した。バリを中心にアジアに数百ヘクタールの不動産資産、数十件の自宅を所有。現地の学校や診療所などへの寄付、道路の舗装、伝統芸能の維持活動を行っている。また、複数の孤児への援助を行い里親にもなっている。

講義概要

(丸尾氏へのインタビューを文章に起こしたものであるため、口語調になっています) 昭和にあって、平成に失われたものがあると考えてるんや。それが道徳や。それを失ったことと近年の日本の停滞と無縁ではない。一致団結がし難くなった。金儲けが全てに優先されるようになった。だから、カネを失い続けたとおれは考えてる。モラルがなくなり続けた。住み難くなった。高度経済成長の頃にあった「勢い」がなくなった。おれは、バブルの後に、インドネシアに渡った。デジャブかと思ったよ。そこに昭和があったんや。伸び続ける経済と同時に、道徳、助け合い、古来の日本が残ってた。それを、学生の皆さんに、バリ島から逆輸出や。その中に仲間に恵まれる人生を得るヒント、経済的にも成功するためのヒントが満載なんや。
第8回 公開講座
2014年5月30日

モデレータ教員:
神武
株式会社ポリゴン  代表取締役
田中ウルヴェ 京 氏
【演題】「トップアスリートに学ぶストレスをやる気に変える技術〜ポジティブサイクルを生み出すコーピングスキル〜」 
■会場:日吉キャンパス独立館DB201教室
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

メンタルトレーナー
日本スポーツ心理学会認定メンタルトレーニング上級指導士
国際水泳連盟(FINA)アスリート委員
日本オリンピック委員会(JOC)情報医科学専門委員会科学サポート部会メンバー

1967年東京生まれ 1988年ソウル五輪シンクロ・デュエットで銅メダル獲得 89年~99年日本代表チームコーチ、アメリカ五輪ヘッドコーチアシスタント、フランス代表チーム招待コーチなどを歴任 91年より渡米、米国カリフォルニア州セントメリーズ大学大学院健康・体育・リクリエーション学部修士課程修了 99年からは米国アーゴジー心理専門大学院にて、認知行動理論、コーピングを、 2000年米国サンディエゴ大学院にて、パフォーマンスエンハンスメント、アスレティックリタイヤメントを学ぶ 2001年起業。心身の健康をテーマに、(株)ポリゴンを経営。心の健康として、トップアスリートからビジネスパーソンなど広く一般にメンタルトレーニング指導をおこない、身体の健康として、日本ピラティス指導者協会(JAPICA)公認ピラティスプライベート専門スタジオ「ボディバランシング」を白金台に持つ。 企業研修、講演、著書訳書多数。最近では報道番組でレギュラーコメンテーターもつとめる。夫はフランス人、二児の母。

講義概要

ストレスは悪いものなのか。ストレスがなくなれば我々は幸せなのか。 「ストレスには、良いストレスも悪いストレスもあり、何をストレスと感じるかは人それぞれ。さらに、ストレスは自己調整をすれば、自分特有のやる気のエネルギーにすら変えられる」 実力発揮のための認知行動理論を学術的専門分野とする、五輪メダリストでありメンタルトレーナーの田中ウルヴェ京が、トップアスリートへのメンタルトレーニングでおこなっているコーピングを紹介する。日々の仕事に、そして人生そのものに活かせる実践スキルを講義内で体験する。
第9回
2014年6月6日

モデレータ教員:
白坂
東京大学政策ビジョン研究センター シニアー・リサーチャー
小川 紘一 氏
【演題】ソフトウエアがイノベーションを主導する時代の登場=グローバル市場の構造転換と日本企業の方向性=
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

■略歴
1973年、富士通研究所入社、研究部長を経て、富士通のビジネス部門へ移籍、事業部長, 理事を経て
2004年から東京大学大学院経済研究科ものづくり経営研究センター、特任研究員
2004年から、上海の復旦大学、Information Science学科教授(2008年まで)
2008年から東京大学総括プロジェクト機構、知的資産経営総括寄付講座、特任教授を経て
2013年4月から上記の現職
■主な研究領域
・日本の競争戦略、事業戦略、・知財戦略、 ・国際標準化事業戦略、
■行政関係
内閣官房の「国際標準化戦略タスクフォース」の委員
  経済産業省の「産業構造審議会・情報経済分科会」の委員
      「産業構造審議会・研究開発小委委員
■近著
・『オープン・アンド・クローズ戦略―日本企業再生の条件』、翔泳社
・『国際標準化と事業戦略』、白桃書房
・知財立国のジレンマ」、
  渡部俊哉編、東京大学知的資産経営総括寄付講座シリー第1巻、
       『ビジネスモデルイノベーション』、白桃書房
・「国際標準化と比較優位の国際分業・経済成長」、
  渡部俊哉編、東京大学知的資産経営総括寄付講座シリーズ 第2巻、
       『グローバルビジネス戦略』、白桃書房
・「オープン・イノベーションシステムー欧州における自動車組み込みシステム 
の開発と標準化―」(共著)、晃洋書房
・『The Effect of Technological Innovation on the International Division of Labor』
(共著) 『A.Gower ed. Platform,Market and Innovation』、Cheltenham UK and Northampton, MA,US, Edward Elgar)


講義概要

1.100年に一度ともいうべきグローバル産構造の転換
  *1880s~自然法則の産業化、1990s~論理体系の産業化

2.ソフトウエアリッチ型の産業の進展で競争ルールが変わる
  *日本企業:技術・知財・モノづくりで優っても市場撤退を繰り返す,
  *欧米企業:オープン&クローズ思想で勝ちパターンを再構築
  *新興国: 先進国から伝播する技術を生かす制度設計で経済成長

3.ソフトウエアが創る経済環境に日本企業はどう対応すべきか
  *産業がソフトウエアリッチ型になることの意味
  *20年で1,000倍のスピード、世界の産業構造が瞬時に変わるその延長で
   グローバル市場の知恵と活力を日本の成長に取り込むメカニズム構築
  *これを担うアーキテクト型の政策人財・ビジネス人材の育成に向けて
  *事前に以下の本を読んでいることを推奨する
小川紘一著『オープン&クローズ戦略-日本企業再興の条件』 翔泳社刊
第10回
2014年6月13日

モデレータ教員:
前野
株式会社ブリヂストン
グローバルイノベーション管掌付 兼 知的財産本部フェロー(本部長相当)
前田 裕子 氏
【演題】イノベーション創出と産学官連携~夢の架け橋へ~
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

1984年東京農工大学工学部卒業後、株式会社ブリヂストンに入社。研究開発本部にて導電性高分子を用いたリチウム二次電池の研究開発に携わる。グループで日本化学会賞を受賞。1998年BTR Power Systems Japan設立に参画し、CFOに就任。1999年合併にてデンセイ・ラムダ株式会社と社名変更。社長直轄にて、技術移転や産産連携等の交渉に携わる。2001年兼務にて、農工大ティー・エル・オー株式会社取締役副社長に就任。日本における産学連携を初期段階から推進する。 2004年東京医科歯科大学の技術移転センター長、知的財産本部特任准教授に就任。医学系産学官連携組織の立ち上げに携わり、共同研究・受託研究・技術指導・人材育成等を推進する。2005年工学博士号取得。内閣官房知的財産戦略本部知的創造サイクル専門調査会委員等、政府委員を多数兼任し日本の政策立案に携わる。 2009年文部科学省・経済産業省・農林水産省が初めて省庁の枠を超えて挑む新組織、全国イノベーション推進機関ネットワークの設立に参画。2011年京都府立医科大学特任教授を兼任。 2013年株式会社ブリヂストン グローバルイノベーション管掌付 兼 知的財産本部フェロー(本部長相当)に就任。2014年独立行政法人海洋研究開発機構監事(非常勤)を兼任。企業、大学、産業支援機関と様々な分野を経験、産学官連携に関わり、産業界からのイノベーション創出を推進している。 委員(現職) 文部科学省科学技術・学術審議会委員、経済産業省日本工業標準調査会委員、他多数"

講義概要

日本政府の成長戦略のもとイノベーション政策が進められ、大学側の意識もこの10年で大きく変化しています。グローバル競争に勝ち抜くためのイノベーション創出、産学官連携の事例を各方面の経験(大学・産業界・行政等)に基づいて講義します。また、女性のキャリア形成等に関しても自身の経験を踏まえてお話しします。
第11回 公開講座
2014年6月20日

モデレータ教員:
当麻
クオンタムリープ株式会社 代表取締役 ファウンダー&CEO
出井 伸之 氏
【演題】イノベーションの鳥瞰図  
■会場:日吉キャンパス協生館藤原ホール
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

2005年6月にソニー会長兼グループCEOを退任後、2006年9月にクオンタムリープ株式会社を設立。2012年6月にNPO法人アジア・イノベーターズ・イニシアティブを設立、理事長就任。 他に、アクセンチュア (2006年2月より)、百度公司(Baidu, 2007年6月より)、フリービット (2007年6月より)、レノボ・グループ(Lenovo, 2011年9月より)、マネックス・グループ (2013年6月より) の社外取締役等も務めている。上海交通大学海外教育学院教授 (2013年3月より)、DeNAアドバイザリーボード(2013年6月より)。 1960年早稲田大学卒業後、ソニー入社。入社後はスイス駐在、ソニーフランスの設立など海外事業に主に従事。帰国後オーディオ事業部長、ホームビデオ事業本部長などを歴任したのち、1989年取締役就任。1995年から2000年まで社長兼COOとして、2000年から2005年までは会長兼グループCEOとして、約10年にわたりSONY経営のトップを担った。 在任期間中、VAIO PC、エリクソン社合弁でのモバイル事業、ソニーのエンターテイメントコンテンツを利用したオンライン配信サービスなどといった、新しいIT・ネットワーク事業立ち上げを次々に実施、独自の"AV/IT"路線を進め、ソニー変革を主導した。

講義概要

「イノベーション」という言葉が各地に溢れる現代。 一方、イノベーションとは何かという問いかけに対し、その定義を真っ直ぐ提示することは見られない。 本講義では、時代ごと、対象範囲にイノベーションがどのように定義されているのか、 また多くの経済人や有識者が語る「イノベーション」像とは何か。 これらの俯瞰から、イノベーションの再定義を行い、その未来について思案する時間とする。
第12回
2014年6月27日

モデレータ教員:
白坂
株式会社ドリームインキュベータ 執行役員
三宅 孝之 氏
【演題】「ビジネスプロデュース」とは
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

京都大学工学部卒業、京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修了(工学修士)。経済産業省、A.T. カーニー株式会社を経てDIに参加。経済産業省では、ベンチャービジネスの制度設計、国際エネルギー政策立案に深く関わった他、情報通信、貿易、環境リサイクル、エネルギー、消費者取引、技術政策など幅広い政策立案の省内統括、法令策定に従事。DIでは、環境エネルギー、まちづくり、ライフサイエンスなどを始めとする様々な新しいフィールドの戦略策定及びビジネスプロデュースを実施。また、個別プロジェクトにおいても、メーカー、医療、IT、金融、エンタメ、流通小売など幅広いクライアントに対して、新規事業立案・実行支援、マーケティング戦略、マネジメント体制構築など成長を主とするテーマに関わっている。東洋経済オンライン「ビジネスプロデューサー列伝」シリーズのインタビュアーも務める。

講義概要

いま企業の経営活動に本当に必要なのは新事業を創造しそれを実現させていくこと。そこで求められるのは「ビジネスプロデュース」という機能。組織や業界の枠も国境も超えた発想をで社会的なインパクトを与え、新しい付加価値を提供していく機能について、その最前線で大企業もベンチャーも国までも巻き込んで取り組み続けてきたドリームインキュベータから、一部事例も交えながら、真髄の一端をお話しします。
第13回 公開講座
2014年7月4日

モデレータ教員:
佐々木
トヨタ自動車㈱ 代表取締役会長
内山田 竹志 氏
【演題】プリウスの開発と開発力強化に向けたトヨタの取り組み 
■会場:三田キャンパス北館ホール
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

昭和44年3月 名古屋大学工学部応用物理学科卒業
昭和44年4月 トヨタ自動車工業(現・トヨタ自動車)㈱入社
平成6年1月  第2開発センター第2企画部主査
平成8年1月  第2開発センターチーフエンジニア
平成10年6月 取締役就任、第3開発センター副センター長
平成12年6月 第2開発センターセンター長
平成13年6月 常務取締役就任、海外カスタマーサービス本部本部長
平成14年6月 第1開発センターセンター長
平成15年6月 専務取締役就任、車両技術本部本部長
平成16年6月 生産管理・物流本部本部長
平成17年6月 取締役副社長就任
平成21年6月 デザイン本部本部長
平成24年1月 第1技術開発本部本部長
平成24年6月 取締役副会長就任
平成25年6月 取締役会長就任、現在に至る

(主な現公職・団体職)
平成25年6月 一般社団法人 日本経済団体連合会 副会長

講義概要
第14回
2014年7月11日

モデレータ教員:
前野
エムスリー株式会社 執行役員  
グループ会社 クリニカルポーター株式会社 社長
楢葉 徹雄 氏
【演題】メタファー、アナロジー、キャリアデザイン、リーダーシップ
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

1984年東京大学教育学部卒業。飛騨高山の家具工房オークヴィレッジで2年間職人として家具製作修行のあと、福武書店(現ベネッセコーポレーション)で新規事業開発に従事。その後同社よりMIT(米ボストン)に派遣され、メディア・ラボでの客員研究、スローンスクールでのMBA取得を行う。帰国後ベネッセが買収したベルリッツ・インターナショナルの経営再建を経て、1994年マッキンゼーに入社。日本の電機通信業界を中心にコンサルティング経験を積み、1999年ゴールドマン・サックス入社後は、同社の投資銀行部門テクノロジーセクターチームの立ち上げメンバー。2006年以降ゴールドマンが投資した三洋電機、フジタに相次いで副社長として就任し経営改革に従事。2009年から現職。エムスリーグループの臨床研究関連事業で子会社で起業し現在その社長業。私生活では二男の父(長男は塾高生)。父親としてのリスペクトはゲーマーとしての過去が繋ぐ。

講義概要

木製家具職人、ソフト開発リーダー、MITメディアラボ客員研究員、トップマネジメントコンサルタント、インベストメントバンカー、そして臨床研究支援会社の社長。
私がしてきた一見脈絡のないこれら仕事が、メタファー、アナロジーのレンズを通すことで重なり、共鳴し合い、積み上がっていきます。
「あれとこれって似てない?」「まるで・・・そのものじゃないか」
「あちらがこれで行けたんだから、こちらでも行けるはず」
この講義では、メタファー、アナロジーがいかにひとりのキャリアを紡ぎ、難題に洞察を与え、新規事業を生み出してきたか、私自身の等身大目線でご紹介します"
第15回
2014年7月18日

モデレータ教員:
前野
株式会社ロフトワーク 代表取締役 / MITメディアラボ 所長補佐
林 千晶 氏
【演題】"Design across Disciplines"
■会場:日吉キャンパス協生館CDF室(C3S10)
■時間:19:00-20:30(7時限)

講師プロフィール

ロフトワークの共同創業者、代表取締役。2000年に創業したロフトワークでは、16,000人が登録するクリエイターネットワークを核に、Webサービス開発、コンテンツ企画、映像、広告プロモーションなど信頼性の高いクリエイティブサービスを提供。学びのコミュニティ「OpenCU」、デジタルものづくりカフェ「FabCafe」などの事業も展開している。またクリエイターとのマスコラボレーションの基盤として、いち早くプロジェクトマネジメント(PMBOK)の知識体系を日本のクリエイティブ業界に導入。2008年『Webプロジェクトマネジメント標準』を執筆。米国PMI認定PMP。現在は、米国NPOクリエイティブ・コモンズ 文化担当、MITメディアラボ 所長補佐も務める。
1971年生、アラブ首長国育ち。早稲田大学商学部、ボストン大学大学院ジャーナリズム学科卒業。1994年に花王に入社。マーケティング部門に所属し、日用品・化粧品の商品開発、広告プロモーション、販売計画まで幅広く担当。1997年に退社し米国ボストン大学大学院に留学。大学院卒業後は共同通信NY支局に勤務、経済担当として米国IT企業や起業家とのネットワークを構築。2000年に帰国し、ロフトワークを起業。

講義概要
車の未来が、従来の自動車産業とIT産業の融合により自動走行への道筋が描かれているように、未来のデザインには既存の境界を超えた思考が重要になる。
株式会社とNPOの枠を超えたビジネスデザインで世界に広がるデジタルものづくりカフェ「FabCafe」、観光とプロダクト開発を結びつける「USIOデザインプロジェクト」など、事例を交えながら、anti-disciplinaryな思考の重要性について考えてみよう。