MENU
2018.10.26

白坂成功教授の実績に、安倍晋三首相が言及

 本研究科教授・白坂成功が進めた「オンデマンド即時観測が可能な小型合成開口レーダ衛星システム」開発の実績が、2018年10月7日、安倍晋三首相の演説において、特に言及されるところとなりました。
 毎年秋に国立京都国際会館で開かれる「STS Forum」は、ノーベル賞受賞者らを各国から集め「社会における科学と技術(STS)」を考えるという集い。基調講演に立った首相は、同教授の業績を示すビデオを放映しつつ、これを技術開発の意義を示す好例として取り上げました。
 首相肝いり、内閣府が進める「ImPACT(革新的研究開発推進)プログラム」は、優れた研究者をプログラム・マネジャー(PM)として選び、権限を与えたうえで革新的技術を開発させ、一気通貫、実用化にこぎつけさせようとするものです。PMの1人となったのが白坂でした。
 作ったのは、宅配ボックス程度の大きさで、ロケットを選ばず、それゆえ今まさに必要だというデマンドに即応、打ち上げられる衛星です。軌道に乗ると小さな体に似合わない巨大レーダを広げ、昼夜、晴雨を問わず、地表面の様子を1メートルという驚異の分解能で分析できます。
 「東日本大震災の後、地上の様子が見えず救援ルートもわからなかった。当時の苦い経験が下地になった」と白坂。災害発生後10時間という死命を決する時間帯でも「使える」衛星を作ろうとしたものです。
 安倍首相は白坂PMのPMは「プライム・ミニスターの略ではない」と軽口を交えつつ、「不可能を可能にした」と本事業を賞賛しました。
 写真は同講演での安倍首相。白坂プロジェクトの紹介ビデオを含む首相の演説(英語)動画は、【首相官邸のページ】に掲げられています。